楽しいことがあり過ぎる

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健康な体があればいい

The Birthday『SUNBURST TOUR 2021』川崎 CLUB CITTA'公演感想

The Birthday SUNBURST TOUR 2021

 

The Birthdayの『SUNBURST TOUR 2021』が無事に初日を迎えた。
前日にグッズの告知が出るまでは「本当に開催されるよね……?」と不安しかなかったけれど、とにかく初日は無事に開催され終演した。こういった状況なので複雑な想いを抱えてはいたけれど、それでもやっぱり終わってみれば「最高」の一言に尽きるので感想を残しておこうと思う。

 

ちなみに当日は床に貼られたシールを目安に会場前方から埋めていく、といったスタイルが取られていた。わたしの整理番号はA200番台後半だったが、運良く前方に切り込めて最終的には10列目より前にはポジションを取れていたのではないかと思う。隣りの方との間隔は想像よりも若干狭かった。とはいえ、どちらかというと左右の間隔よりは前後の間隔のほうが気になった。後ろにいたのが二人連れで、開演前に終始会話をしていたのが少しだけ気になった。こういった状況なので長時間の会話が聞こえてくるというのはなかなかストレスを感じるものだ。基本的にライブ時は単独行動なので余計に過敏になってしまったのかもしれない。
それでは、コロナ禍に於けるライブハウス情報はこのくらいにして早速いきます。

 


今回もセットリストは拾い物です。ありがとうインターネット!!!!

The Birthday『SUNBURST TOUR 2021』
2021.09.01@川崎 CLUB CITTA'

 

01.12月2日
02.月光
03.KISS ME MAGGIE
04.ラドロックのキャデラックさ
05.アンチェイン
06.JOIN
07.ヒマワリ
08.スイセン
09.ハレルヤ
10.晴れた午後
11.バタフライ
12.レボルバー
13.ショートカットのあの娘
14.息もできない
15.オルゴール
16.ギムレット
en01.なぜか今日は
en02.OH BABY!


オープニング
いつも通り『Sixteen Candleに合わせて登場するThe Birthdayの面々。最後に登場したチバユウスケはまるで指揮者のように片手を大きく動かしリズムを取りながらステージギリギリをゆったりマイクに向けて歩いていく。いつもより指揮者感が強く感じられて、まさに会場全体の熱気を誘導しているようだった。

 

01.12月2日
まずは『サンバースト』でも1曲目に収録されている楽曲からスタート。
重く歪んだギターのイントロが爆音で流れ出して一気に体中の血液が全身をものすごいスピードで巡るような感覚を覚えた。当日、会場下手側の前方に位置取りをしていたためスピーカーが近く「これは……耳栓が必要かも」と焦る。サウンドチェックではそこまで危機を感じなかったけれど、やはり本番の爆音具合は段違い。早々に左耳のみ耳栓を装着した。
皆さん新譜をしっかり聴き込んでいるだけあってアウトロのアレンジにもしっかり対応。ブレイクがあっても曲が終わったなどと勘違いして拍手が起きてしまうなんてこともなく「おぉ、さすがに全員ちゃんと待ててる!すごい!!」と謎の感動を覚えました。アウトロにブレイクがある曲で拍手しちゃうとめちゃくちゃ恥ずかしくなっちゃうよね。今回のライブは割りとその手の曲が多く新規泣かせやな……と思うなどした。ちなみにわたしは某曲で一回間違えて拍手した、やはり恥ずかしかった。

 

02.月光
イントロ、チバがギターを弾きながら苦笑いして仰け反るシーンがあり、それまでバチバチに決まってたのに瞬間的に彼の纏う雰囲気が一気に親しみやすいものに変化したようでとても良かった。何かミスをしたのか、音響的な不和が起こっていたのか……。聴いているぶんには原因まではまったく分からなかったのだが、貴重なものを見たなぁとひとりテンションが上ってしまった。案の定、チバの〈お前の想像力が現実をひっくり返すんだ〉の一言で沸きまくる会場。やっぱりあのフレーズって『サンバースト』というアルバムを象徴するものになっているんだなぁ、と強く感じた。わたし自身もあのチバを見た瞬間に「わたしサンバーストツアーに参加してる……!」と心から実感したのでした。

 

03.KISS ME MAGGIE
前作『VIVIAN KILLERS』からの一曲。この曲、リリース当時はそこまでハマらなかったのだけど、ライブで演奏される率が割りと高く、その度にめちゃくちゃ楽しそうにユラユラしながら歌うチバを見続けてきたら結果的に何だかんだ自分も好きになってきている。そういう曲が生まれるのがライブの醍醐味だよな、と強く感じさせてくれる一曲です。相変わらずイントロからギターがカッコ良くてブチ上がる。会場もノリノリなムードに包まれていた。チバはこの曲を歌う前に首元のスカーフの結びを解いていたのだけど、歌いながらその両端を持ってヒラヒラさせていて、その姿が強烈だった。ああいったものを『妖艶』と評するのかも知れない。色気ダダ漏れしておりました。
あと毎度お楽しみになっている〈四時五時の違いと〜〉部分のハンドサイン(わたしだけかもしれませんが)、今回は特にはっきりとしたものはやっていなかったように記憶しているけど果たしてどうだったのか。いまいち思い出せず……。

 

04.ラドロックのキャデラックさ
コロナ禍じゃなければ間違いなく会場全体で大合唱なんだろうなぁとやや寂しい気持ちを抱えつつ、冒頭からチバが繰り返す〈ラドロックのキャデラックさ〉を聴いていた。それでもあちこちでリズムに合わせて拳を突き上げてる人がいて、一体感は凄まじかった。想いはひとつ、が可視化されている光景だったなぁ。

 

05.アンチェイン
懐かしさを感じるような曲調とても良かった。会場の熱が確実に高まってきてて「ここからギアが一段上がってくるぞ〜」みたいな感覚がすごくあった。〈音が踊る〉という部分、ライブ会場で聴くとめちゃくちゃ良かったです。まさしく音が踊っていた。あとアウトロのドラム連打とても好きだ。

 

06.JOIN
ちょっとイントロからハチャメチャにカッコ良すぎてどうかしそうだった。声にこそ出さなかったけど内心ではずーっと「なにこれめちゃくちゃカッコ良い!あーーーカッコ良い!!!!」と喚き散らしていた。ここだけの話あんまり聴いてきていない楽曲だったのでほぼ新規みたいなテンションで体温上がりまくりでした。めちゃくちゃカッコ良いな。何だこれ何でこの曲を今までスルーしていたんだ、わたしは。節穴すぎるだろ!?「とにかくイントロだけでもいいから聴いてくれない!?」と誰かに猛烈に勧めたくなるくらいめちゃくちゃカッコ良かった。またライブで聴きたい。
声帯が千切れるのではないか!?と心配になるくらいのチバユウスケの高音ボイスが大好きなので〈JOIN〉のシャウトが乱発されているのも最高ポイントです。しゃがれまくった声でシャウトするチバユウスケめちゃくちゃ良いよね。この日一番のテンション爆上げポイントでした。またライブで聴きたい(大事なことなので2回言う)。

 

暗転、チバの「夏は終わったのかねぇ?」から次の曲へ。

 

07.ヒマワリ
相変わらずヘヴィーなイントロで痺れる。青い照明に浮かび上がるようなチバの姿が印象的だった。『ヒマワリ』が演奏されるときは毎回青い照明で、その光景を目にする度に「美しいなぁ……」と思う。まるで深海に射し込む一筋の光を浴びて歌っているようなのですよ。あの横顔には神々しさすらある。わたしの視界に映っているチバの横顔をそのまま額縁に入れて飾りたいなぁと何度も思った。それぐらいに美しい。

 

08.スイセン
優しいイントロがとても美しかった。なぜ歌詞にコカ・コーラという単語が登場するとちょっぴりセンチメンタルな気分になってしまうのか……わたしだけか?スローなテンポも相まって、歌詞をじっくり味わいながら聴いてしまった。この曲に歌われている世界観ってなんだかいちいちロマンチックなんだよなぁ。バックに鳴ってるタンバリンの音色も可愛くて好きです。聴きながら「そうだ、あのタンバリンの音もクハラさんが鳴らしていたんだよな」とハッとした。音源で聴いていた音が目の前でそのまま演奏されている、当たり前だけどそのことの凄さに改めて気付かされた。

 

09.ハレルヤ
冒頭の〈無重力の中 フットボールしてみたいね〉の歌詞が頭にこびり付いてしまい、それ以降の記憶があまりない。「ほんと可愛らしい発想だよな」とか思ってそこから思考がどっかに飛んでいってしまった。サビでチバが〈ハレルヤ〉と力強く歌っていたのが印象的だった。ライブで聴いたチバの〈ハレルヤ ハレルヤ〉はそれはもうめちゃくちゃ力強かった。この曲もコロナ禍でなければ大合唱だっただろう。
そうだ、わたしがアウトロを勘違いして間違ったタイミングで拍手しかけたのはこの曲だったかも知れない。

 

10.晴れた午後
音源で聴いたときもテンポアップ部分で「うわぁぁぁぁぁ」となったけど、ライブで聴いたらより一層「うわぁぁぁぁぁ!!!!」となった曲(語彙力とは)。あのスピード感すごい。ドラムがめちゃくちゃ早くて、よくあんなスピードで叩けるなぁって感心しきりでした。マジで『晴れた午後』を叩くクハラさんは千手観音みたいにあっちこっちからスティック持った腕が伸びてた。そんな姿を見ながら「肩甲骨まわり柔らかいんだろうなー」とか関係ないこと考えてしまうくらい両腕をブン回していた。

 

11.バタフライ
チバが〈バナナジュース〉って歌う度にちょっとだけ「ふふっ」と気持ちが和んでしまう不思議。ここ最近、巷ではバナナジュースがブームだけどチバもバナナジュース飲んだりしたのかなぁ……とか思ったけど、たぶんこの曲に出てくるバナナジュースはもっと適当に作られた古典的なバナナジュースだろうな。


曲間、静まり返る会場に拍手を要求するチバと精一杯の拍手で応える会場。大勢の拍手を背に、アンプに向かってチューニングをするチバ。万雷の拍手が徐々にトーンダウンして再び静まり返る会場。その様子を感じ取ったチバは、チューニングをしつつも小さく笑みを浮かべいた。この一連の光景がとても印象的だった。わずか数秒の出来事だったけどとても穏やかな空気があってすごくすごく良かった。チバもこの瞬間を楽しんでるんだろうなぁ、嬉しいんだろうなぁって感じられる瞬間だった。

チューニングを終えてマイクの前に立つチバ、右手で会場を指差しながら「行くよ」とひと言。次の曲へ。

 

12.レボルバー
ライブで聴くと疾走感が凄まじかった。あっという間に終わってしまった。〈なんだか自由ってやつを履き違えてるよな〉が胸に刺さるなぁ……。レボルバーは歌詞がすごく不思議で、中でも個人的には〈ベテルギウスと9匹の犬〉が強烈すぎる。ライブで聴いてもやっぱり「ベテルギウスと9匹の犬????」と頭の中にハテナマーク浮かびまくりだった。

 

13.ショートカットのあの娘
わたし、ショートカットなんですよ。なので勝手に嬉しくなっちゃう一曲でした。
ベースがビシバシでカッコ良かった。ライブ中、視点は終始チバユウスケにロックオン状態が基本スタイルなのだが、時折りハルキさんに視線を向けるとめっちゃ口ずさみながらベース弾き狂ってて圧倒された。今回、ハルキさんのシャツの裾がいつもより気持ち長めに感じられたのだけど実際のところどうだったのだろう。ヒライ班の皆さまのご意見を伺いたいところである。

 

14.息もできない
いやぁ泣いた!!!!!!!めっちゃくちゃ泣いた!!!!!
ライブで聴くのを楽しみにしていた一曲だったのでハルキさんがイントロ弾き始めた瞬間「キタキタキタ!!!」と嬉しくなったのだけど、チバが台詞調に〈何してる?どうしてる?楽しくやってる?〉と歌った瞬間に今まで何となく押し込めていたあらゆるものが一気に溢れ出すような感覚に襲われて涙がドバドバ溢れてしまった。あのチバユウスケに〈楽しくやってる?〉なんて聞かれてみろよ、そんなもん泣くだろ。何となく感じているモヤモヤだったり言葉にできない閉塞感だったり、ここ数年、withコロナの生活で確実に蝕まれている何かを見透かされた、みたいな感覚。なんだか不思議な表現だけど、赦しを得た、みたいな。ツラいしんどいって言ってもいいよって肩を叩かれた気がして勝手に「チバユウスケありがとう、わたしを救ってくれてありがとう」の気持ちに包まれました。
そんなメンタルぼろぼろ状態で聴いていたら最後の最後にアウトロでひとりだけ手持ち無沙汰になったチバユウスケがほか三人の楽器に合わせてギターのボディを手のひらでパタパタしていて、それも込みで素晴らしい演奏だった。
イントロもアウトロも、とにかくとても美しい曲です。

 

15.オルゴール
これも聴くたびに美しいなぁと思う一曲。途中、コーラスに合わせて会場も両手を挙げてる方が多くてとても良かった。コロナじゃなかったらきっとお客さんが一緒にコーラスしてたであろう部分。それを一身に引き受けてくれているメンバーに、せめてものエールを送っているようにも感じられた。ライブって会場全体で作るものだよなってことを考えたりした。

 

16.ギムレット
大好きな曲。ライブで聴けるのを最も楽しみにしていた曲といっても過言ではない。きっとライブで聴いたら泣いてしまうだろうなぁと思っていて、想像通りまんまと泣いた。世の中の真理をポップな曲調で歌われると物凄い勢いで感情を揺さぶられてしまうのはわたしだけだろうか。決して泣かせるような曲調ではないのに、だからこそビシバシ刺さるものがあってダメになってしまった。
冒頭からまるで本当に目の前の観客に話しかけるように、時々、頷きながら歌い続けるチバの姿から目を離せなかった。今この瞬間に思っていることが口から出ているように、少しもつまずくことなく滑らかに放たれる言葉の数々はどれもチバユウスケらしさに溢れていた。続くサビの〈小さな愛だ!〉の連呼があんなにも凄まじい威力を放つとは……。おそらく、あの日あの場にいた全員が小さな愛の正体を感じながら聴いていただろうと思う。そう、あの曲に歌われていた愛はまさしくわたし達一人ひとりのことだった。あの曲で鼓舞されている『でくのぼう』はわたし達のことだった。あんなに愛のある〈おいそこのでくのぼう〉という呼び掛けがこの世にあるだろうか。いろいろな感情を抱えながらあの日あの場にいたわたし達に向かって〈小さな愛だ!〉と何度も歌ってくれるチバを見て「あぁぜんぶ伝わっているんだなぁ……。わたし達がどれだけThe Birthdayというバンドを支えにして生きているか、チバはちゃんと分かってくれてるんだなぁ」と勝手に報われた気がした。だってやっぱりここ最近、ライブに通うのが日常だったわたしにとってはすごく肩身が狭いムードが漂っている。自分が価値を見出して大切にしているものを他人に無価値だと切り捨てられるような悲しさを何度も味わっている。でも分かってほしい人には伝わってるんだなぁと思えて、それだけでだいぶ気持ちが浮上できた。
チバが楽しそうに〈おいそこのでくのぼう!小さな愛だ!〉って会場にいた客に向かって言うもんだから、そんな風に言われたらこちらだって喜んで『でくのぼう』にだってなりますよってモンだ。やっぱり愛を歌うチバユウスケは最高にカッコ良かったです。
そういえばイントロでチバがマラカスを持ち出してテンションがブチ上がったのに、その後泣きに泣いたせいで終演後しばらく経つまでその事実をすっかり忘れていた。チバ・マラカス・ユウスケ、久しぶりでとても嬉しかったです。イントロ終わったら早々にマラカスポイ!してしまったので少ししか見られなかったけれど。鬼に金棒、チバにマラカスはこの世の真理であります。


チバお決まりの「ありがとぉ!」という言葉とともに本編は終了。
ステージから去り際、何かに引っかかりコケ掛けるチバに一瞬ヒヤッとした。気を付けてね。


アンコールの拍手に応える形でメンバー再登場。
かつてのCITTA'で観たライブの数々を楽しそうに話すチバ。ギターを担ぐ際、笑顔を浮かべていたチバとクハラさんの姿に温かい気持ちになった。同じ時代を生きた仲間と途切れることなく関係が続くってとても尊いことだと思う。歳を重ねるごとに、その希少性を痛感する。

 

en01.なぜか今日は
何度聴いてもイントロからブチ上がりますね。何度聴いてもその度に「好きだ!!!!!」と実感する大好きな曲。
もう本当に『なぜか今日は』をライブで歌われると頭の中が空っぽになってとにかく「楽しい」という感情だけになって踊り狂いたくなるので、そういった意味では今回のように一人ひとりのスペースが確保されているというのはとても有り難い。みんなノリノリで踊り狂っていた。楽しかったなぁ!!!!!!

 

en02.OH BABY!
『なぜか今日は』の熱気を引きずりながらさらに盛り上がる会場内。やっぱり声には出せないけれど、きっとみんな心の中で〈OH!BABY〉と大合唱していたことでしょう。早くみんなで大合唱できる日が戻ってくると良いなぁ……と、心底思った。


こうして『SUNBURST TOUR 2021』初日は幕を閉じた。
チバが「よく来たね」って何度も言ってた。こんな状況だからこそ余計に胸に響いた。「ありがとう」「ほんとにありがとう」って言ってた。こちらこそだよ、と言いたくなった。
最後の最後に「またここで会おう」とも言ってくれた。あの言葉は、もちろんCITTA'そのものを意味していたのだろうけど、だけどわたしには「ここ」がライブハウスという空間そのものを指しているようにも感じられた。

 

まずはツアーが無事に完走できることを願っている。そして、またライブハウスでチバに〈おいそこのでくのぼう!〉と呼んでもらうのだ。
その時まで生きるぞ!!!!!!乗り越えるぞ!!!!!!!!

 

おわり。

 

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