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Mr.Children『SOUNDTRACKS』全10曲感想

Mr.Children SOUNDOTRACKS

 

Mr.Children、20枚目のオリジナルアルバム『SOUNDTRACKS』がリリースされた。そうか、20枚目なのか。記念すべきアルバムだったんだな……。

今回のアルバム収録曲全10曲のうち、6曲が何かしらのタイアップ曲で既に耳にしていた。中にはリリース当時あまりハマらなかった曲もある。しかし、アルバムとして聴くとリリース時とは違った感想を抱くことも多く、やはり前作『重力と呼吸』同様に「アルバムで聴く良さってあるよね」と再確認した。

ということで例のごとく全10曲の感想を書き留めておきます。

 

01.DANCING SHOES

1曲めから最高すぎた。『SOUNDTRACKS』に於けるマイベストは間違いなくこの曲。アルバムリリースの件が発表されて以降、ぼんやりと抱いていた『SOUNDTRACKS』というアルバムへの全体イメージを初っ端からひっくり返されたようで「ミスチル最高やんけーーーーーー!!!!!!」という想いが爆発しました。冒頭にこんなにもバッチバチのロックナンバー持ってくるなんて誰が予想できただろうか……。湿度高めなイントロも最高に好きです。『Monster』とか『Pink 〜奇妙な夢』とかに共通するような重さとか暗さとか気味の悪さ漂う始まりがもう本当に堪らない。そこに重なるギターの音も最高にカッコいい。真っ暗な照明の中、めちゃくちゃ猫背で両手でマイク握りしめて花道進みながらこの曲を歌いはじめる桜井和寿の姿がわたしには見えます。〈後退りしたり〉で後退りする桜井和寿も、サビになった途端にリズムに合わせてステップ踏んでクルクル回りながら歌う桜井和寿も、しっかりと見えます。イントロからAメロはジメッとしてるのに、Bメロで一気にギターでリズム刻み出してサビになった途端に音がブワッと広がる感じがあまりにも最高すぎる。この曲を聴けた瞬間「勝った!!!!」と思いました。圧倒的優勝ソング。

 

02.Brand new planet

イントロからとてもミスチルらしさ溢れる楽曲という印象。確か最初に耳にしたのは主題歌となっているドラマの予告編だったと思うのだけど、伸びやかなサビを聴いた瞬間「わたしの好きなミスチルだ!!!」と歓喜した。壮大なメロディと桜井和寿の伸びやかな歌声の組み合わせが死ぬほど大好物なので、それだけで大満足なのです。ここ何曲か新曲を聴いてもいまいちピンとこなかったけど、久しぶりに「キタキタキターーーーー!!!!」って高まった。うれしい。あと歌詞の中での言葉遊びが炸裂していて最高。歌詞をまじまじと読んだとき、その作詞力の高さに桜井和寿の天才性を見た気がして改めて打ちのめされました。〈可能星〉なんて表現はぶっちゃけちょっと恥ずかしくなるような気がしないでもないけど、サビ終わりの〈新しい「欲しい」までもうすぐ〉で「欲しい」と「星」を掛けてるところとか気づいたときには「マジかよ桜井和寿!!!?」って脳みそ溶けるほど興奮した。相変わらずミクロからマクロまで楽曲の世界観を自由自在に拡大縮小する桜井和寿お家芸がこれでもかと堪能できます。あと個人的には〈絡みつく憂鬱にキスをしよう〉って部分がめちゃくちゃ桜井さんっぽくて好きです。かの名曲『I'll be』では〈笑いたがる人にはキスを〉と歌っていた彼ですが、ネガティブな要素にすぐキスしちゃう桜井和寿の捻くれたところすごく好き。

 

03.turn over?

『SOUNDTRACKS』の中で最もフレッシュ感ある楽曲だと思う。バックで鳴るクラップ音とか、サビ部分のメロディ展開の仕方とか、間奏の爽やかなギターフレーズとか……とにかくデビュー間もない頃のミスチル楽曲っぽいフレッシュ感が全編に渡って漂っている。そうか、この曲って超どストレートな恋愛ソングなのか、今さら気づいた。確かにめちゃくちゃ恋愛ソングっぽい瑞々しさがある。あとこれは完全なる余談だが、歌い出しが前作『重力と呼吸』収録の『day by day(愛犬クルの物語)』と激似でビビった。

 

04.君と重ねたモノローグ

今回のアルバムで「おまえ、こんなにいい曲だったんだな」的楽曲第1弾である。曲名も確認せずにアルバムを頭から聴いてきて「わぁいい曲だなぁ……でも何となく聴いたことある気もするぞ」って思って曲名確認して腰抜かすほどビビった。おまえ、『Birthday』と両A面でリリースされた『君と重ねたモノローグ』じゃないか。なぜシングルリリース当時のわたしはこんなにも素晴らしい楽曲にハマらなかったのか。それぐらい衝撃だった。そして歌詞で描かれる世界があまりにも悲しくて、それも衝撃だった。〈誰かにとっての完璧は 誰かにとっての不完全〉という歌詞だ最高に好き。こんなにも悲しさ溢れる曲なのに最後がめちゃくちゃポップに終わる感じが、いかにも演劇っぽい展開で『君と重ねたモノローグ』ってタイトルにぴったりな最高のアレンジだと思う。

 

05.losstime

今の年齢だからこそ作れた作品なのだろうなってことを強く感じた楽曲。ここ最近、ライブのMCでも雑誌のインタビューでも「終わり」について言及している場を多く目にしてきたので、もうとにかく元気でいてね!と願うしかない。

 

06.Documentary film

『losstime』に引き続き「終わり」を感じさせる曲の登場に心のざわつきが半端なくなってしまったオタクである。っていうか歌詞にダイレクトに〈「終わり」〉って出てきちゃうし。桜井和寿、大丈夫?(主に健康面で)と少し心配になってしまった。とはいえ、この曲もミスチルっぽさが炸裂していて大好きです。バンド感ゴリッゴリのロックナンバーを歌う桜井和寿も最高だけど、ストリングスの壮大なメロディを引き連れて歌う桜井和寿も最高に大好きなんだよ!!!!!大切な人の笑顔を目にしたときに愛しさのあまり泣きそうになってしまうというのは、年齢を重ねたからこそ分かる感情の動きだと思う。そんな些細なことを拾い上げてしまうのが最高ですね。この楽曲が誕生したのはコロナ禍前だろうけど、あらゆる日常がコロナにめちゃくちゃにされてしまって個人的にも自分の人生について考えることが多かったので、そのタイミングで「なんでもない日常」に想いを馳せるような楽曲に出会えるだなんて、巡り合わせってすごいなぁって思ったりした。

 

07.Birthday

「おまえ、こんなにいい曲だったんだな」的楽曲第2弾である。リリース当時、あんまりだな……とか思って本当にごめんなさい。サビの高音とかめちゃくちゃ最高だった。冒頭の〈しばらくして気付いたんだ 本物だって〉という歌詞がまさかこんな形で胸に刺さるだなんて。特に大サビのドラム、疾走感アリアリでめちゃくちゃカッコいいっす。

 

08.others

レモンサワーのタイアップ曲、フルで聴いたらめちゃくちゃ不倫ソングだった。しかも歌の主人公は「彼」がいる女性宅にお邪魔している側。凄まじい世界観である。そんな楽曲に『others』なんてタイトル、あまりにも残酷ではないか。

 

09.The song of praise

もうこの曲を聴いても『ZIP!』としか思えないんだよなぁ……。とはいえ、番組で流れている部分は曲の一部にしか過ぎなかったので、フルで聴いて、驚いた。何でもない社会人の一人であるわたしが朝に聴くのにぴったりな作品なのだ。『今の自分』と『理想の自分』とのギャップに悩むことなんて、それなりの年数を生きてきた人なら誰だって大なり小なりあると思うんだけど、そんなモヤモヤを優しく肯定して昇華してくれるような曲だ。〈積み上げて また叩き壊して 今僕が立っている居場所を 嫌いながら 愛していくここにある場所を讃えたい〉って締める歌詞もすごく正直で好きだなぁ。『彩り』に通ずるものがある。

 

10.memories

ウッ、また「終わり」を歌っているじゃないか……。

これはあくまで個人的な感想なのですが、すごく美しい曲なのにサビのハモリだけがどうしても許せなかった。あくまで個人的な感想ですよ!!!(オタクの反撃が怖いので2回書く)サビのハモリがなかったら楽曲に対しての印象がガラッと変わっただろうなぁ……。それくらいにサビのアレンジが許せない。聴いた瞬間「なんでハモった!!!?」と500回くらい思いました。

 

 

ということで『DANCING SHOES』が個人的には圧倒的優勝となったニューアルバムでした。早くライブで聴きたいけど、しばらくはそんな機会にも恵まれそうにないので、ひとまず珍しく精力的にプロモーション活動しまくっている年末の音楽特番で我慢しようと思う。

アルバム売れてほしいから、みんな買ってね!!!!(直球)

 

 

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▼前作『重力と呼吸』の感想はこちら

Mr.Children 『重力と呼吸』全10曲感想 - 楽しいことがあり過ぎる

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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