楽しいことがあり過ぎる

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エレカシ×スピッツ×ミスチル『ド・ド・ドーンと集結決定!!夢の競演』感想

エレカシ×スピッツ×ミスチル 夢の競演
先日さいたまスーパーアリーナで開催された『エレファントカシマシ 30th ANNIVERSARY TOUR“THE FIGHTING MAN SPECIAL” ド・ド・ドーンと集結決定!!~夢の競演~』に行って来た。もちろん一番のお目当てはミスチルだったのだが、前々からスピッツをライブで観てみたいと思っていたし、エレカシに関しては今までフェスで3回ほど観る機会があり、その度に「やっぱりエレカシかっけー!!!」と感動する素晴らしいライブだったので、ミスチル目当てと言いつつも楽しみ度的には3バンドほぼ同じといった心境だった。わたしはMr.Childrenのファンであるが、エレカシにしろスピッツにしろ、学生時代から彼らの音楽には大変お世話になっている。運動会BGMで流れたり給食の時間に流れたり通学途中の電車の中で聴いたり…ファンとは言えないまでも彼らの作品の中に「この曲が好きだ!」と胸を張って言える楽曲が何曲かある。自転車に乗りながら『悲しみの果て』を聴いて泣いたことだってあるし『楓』で泣いたことだってある(危ない)。

そんな彼らが競演するのだ。素晴らしいライブになるに決まっている。そう、決まっていた。それなのにこんなにも素晴らしいライブになるとは!!!!と度肝を抜かれたので感想を書きます。いろいろ整理して…と思っていたのだが結局整理できないので、あの時のあの高まりが消えないうちに勢いのままに書くのが一番アツい文章になるのではないかと開き直りもうそのままに書く。それぞれのバンドのファンの方で気分を害される方がいたら申し訳ない。でも書く。

 

 

スピッツ 感想

セットリスト

01 春の歌

02 恋する凡人

03 8823

04 初恋クレイジー

05 チェリー

06 愛のことば

07 スターゲイザー

08 浮雲男 ※エレカシカバー

09 みなと

10 涙がキラリ☆

11 さわって・変わって

12 スパイダー

13 トンガリ’95

分かっちゃいたけど草野マサムネという人はめちゃめちゃ歌が上手い。以前、ミスチル繋がりの友人から「スピッツのライブはヤバい、マサムネさんの歌声はCDのままで本当にヤバい」と聞かされたことがあった。本当にその通りだった。あんなにもCDクオリティで歌う歌手、そうそういない。なんじゃあの純度100%みたいなピュアボイス。歌声をろ過しまくってろ過しまくって残った部分だけで歌ってます、みたいなピュアボイス。優しくて憂いを帯びたような不思議な歌声。素晴らしかった。

しかし今回のスピッツライブでわたしが最も心を撃ち抜かれたのは草野マサムネの歌声ではなかった。草野マサムネの下手側にいる人、そうベース担当の田村明浩さんだ(名前を調べました)。田村さんの動きがハチャメチャで最っっっっっ高にかっこ良かった。本当に失礼なことなのだが、わたしはマサムネさん以外のメンバーのお名前を存じておらず、ファンキーな風貌のギターと優しげな表情のドラム、あとベース。といった感じでベースの田村さんの印象はほぼ皆無だった。しかし観終わってみたらどうだろう。もう田村さんの虜だ。彼の演奏を観るためにスピッツのライブにもう一度足を運びたい!!!と思ってしまえるほどに。ステージ上を走り回り、ジャンプしまくり、時にはベースを置いて観客を煽り、シンバルを素手で叩く。最高だ。めちゃめちゃロックだ。スピッツのライブであんなに「ふぉぉおおおおおお!!!!!」みたいな気持ちになるとは思わなかったです。本当にかっこ良かった。音楽が大好きなんだ!ベースを演奏するのが楽しくて仕方ないんだ!!という気持ちが溢れ出ていた、本当に。

あと驚いたのは思っていた以上に自分がスピッツの歌を歌えたことだった。こんなにもわたしはスピッツの歌を歌えたのか、と驚きながらマサムネさんの歌声に合わせて口をパクパクさせていた*1。中でも『涙がキラリ☆』は、学生時代の思い出が一気に頭の中を巡って懐かしくて懐かしくて泣けた。まさかわたしが“歌を聴いて懐かしさで泣く”という事態に陥るとは…。涙は止まらないのに「わたし何でこんなに泣いてるんだ」と不思議な気持ちになって、どこか俯瞰で自身を見ているような気分になった。『さわって・変わって』も楽しかったなぁ。あのギターの《ジャジャジャジャジャジャジャジャッ、ジャジャジャジャジャジャジャジャッ》って部分めちゃめちゃ好きなんだよなぁ(伝わっているか不安)。『スターゲイザー』もかつてあいのりで毎週泣いていた世代としては「懐かしぃ~~~~」って痺れました。『みなと』も改めてじっくり聴いて「なんていい曲なんだ」と感動した。特に《汚れてる野良猫にも いつしか優しくなるユニバース》のユニバースの歌い方がめっちゃ好きだと気づいた。あんなに優しいユニバースは草野マサムネ以外に歌えない。スーッと浸透してくる、ポカリスエットみたいな歌声だ。

もし機会があったらスピッツのライブに行ってみたい。チケット激戦なんだろうなぁ…

 

 

Mr.Children 感想

セットリスト

01 Everything(it's you)

02 HANABI

03 innocent world

04 太陽ギラギラ ※エレカシカバー

05 and I love you

06 here comes my love

07 himawari

08 やさしさ ※エレカシカバー、ワンフレーズのみ

09 名もなき詩

オープニングSEがまさかの『prologue』。いやぁビビったビビった。「こここここれが流れてるってことはまさか一曲目はあの曲なのか!!?」からのタ・タ・タ・タン!というドラムから始まる『Everything(it's you)』の流れ、ヤバいだろ。泣かずにはいられないだろ。過去のエントリーでも書いたが、2番のサビから最後の大サビの流れには今までの人生で何百回と泣かされてきたので本当にヤバかった。語彙力の喪失、ヤバい以外の表現ができない…。関係ないけど『Everything(it's you)』のジャケットの桜井さんはハチャメチャにかっこ良くて、わたしの中でTOP OF 桜井和寿(CDジャケット部門)に君臨し続けている。

そして会場モニターに映るナカケイを確認した瞬間、涙目で「か”っ”こ”い”い”~~~」って声に出していた。この日のナカケイは黒のタートルネックに黒のジャケットという坂本龍一も真っ青のイケてる紳士感丸出しの格好だった。それはもうドチャクソかっこ良かった。控えめの照明の中、淡々と演奏する寡黙なベーシスト中川敬輔の魅力はとどまることを知らないのか…。去年行われツアー『Thanksgiving25』でナカケイのかっこ良さを嫌ってほど再確認したはずなのに、上には上のナカケイがいた。恐るべし。

演奏はその後『HANABI』『innocent world』と続き、会場全体にJ-POPの頂点感を見せつけているように感じた。ファンの欲目なのは重々承知なのだがinnocent worldのサビで見せた会場の一体感は、ミスチル以外には難しいんじゃない?って思ってしまえるくらい異常な盛り上がりだったように思う。何だかんだ言ってもミスチルすごいね、みたいな。現に、わたしの後ろにいたエレカシファン(恐らく)の女性は「うわぁ持っていかれたじゃん…」と呟いていた。心の中でガッツポーズした。

4曲目に演奏された『太陽ギラギラ』はエレカシ楽曲のカバーだ。わたしはオリジナル版を聴いたことがなかったのだが、ベースの音がゴリッゴリに目立っていてテンション爆上げだった。桜井さんの歌声の暑苦しさが良い感じに押し出されていて素敵でした。めちゃめちゃ高音になるサビも桜井和寿感が如何なく発揮されていて良かった。喉がちぎれてしまうのでは!?って心配になるような桜井さんの高音サイコーだ。

その後は『and I love you』『here comes my love』『himawari』と愛について歌った楽曲を立て続けに3曲。わたしが今回のミスチルライブで最も楽しみにしていたのが新曲『here comes my love』だ。この曲はライブ映えする曲だろうなと思っていたがやはり素晴らしかった。特にギターソロ!!!!CDで聴いた時から「うわ、このギターソロ超かっけぇマジやべぇ…ライブで聴きたい」と思っていて、実際に聴いて「やっぱり超かっけぇマジやべぇ…」となった。Thanksgiving25以来、久しぶりに聴いた『himawari』もやはり何度聴いても歌詞が悲し過ぎて「なんて悲しい曲なんだよ」と泣いた。最後にミスチル最大のヒットナンバーである『名もなき詩』を持ってくるあたりもニクイ演出しやがって、とグッときた。定番中の定番を演ってオーディエンスを魅了するって凄くかっこいい姿勢だ。長年に渡ってトップを走り続けているバンドだからこそ成せる業だよな…。

終演後にtwitterで感想を読み漁っていたら「ミスチルには大きな会場が似合う」的なツイートを見つけてとても嬉しかった。そうなんだよ、ミスチルにはデカい会場がよく似合う。あのモンスターバンドにはデカい会場が本当によく似合うんだよ。ミスチルミスチルっぷりを存分に見せつけるデカい会場のミスチルライブ、最高なんだよ。それはつまり日産スタジアムってこと(唐突)。

 

 

エレファントカシマシ 感想

セットリスト

01 RAINBOW

02 奴隷天国

03 悲しみの果て

04 星の砂

05 風に吹かれて

06 笑顔の未来へ

07 桜の花、舞い上がる道を

08 風と共に

09 ガストロンジャー

10 今宵の月のように

11 Easy Go

12 FLYER

やっぱりエレカシはかっこ良かった。本当にエレカシのライブって観終わるたびに「やっぱエレカシかっけー!!!」と思うのだけど今回もやっぱり思った。だって登場からもうかっこ良いんだよ。薄暗いステージに宮本さんが出てきたと思ったら「お願いします」ってボソッと呟いて暗い中で1曲目『RAINBOW』をワンフレーズ歌う。そこから照明とともにバンドの演奏が加わって…マジであんなに渋いライブの始まり方ないだろ!!?ってくらいかっこ良かった。『奴隷天国』では死ね死ね叫ぶ宮本浩次に圧倒されてあまりの迫力にちょっと笑ってしまった。人間って、自分のキャパを超えた感情を抱くと処理しきれずに笑ってしまうものなんだな。

3曲目の『悲しみの果て』、ほんっとうに感動した。この曲は学生時代に本当に繰り返し聴いてて何度も助けられた曲だったので、なんかもうヤバかった。『風に吹かれて』も『今宵の月のように』も今まで何度も聴いてきたのに、改めて聴くとやっぱりいい曲で泣いてしまった。先に述べたとおりエレカシのライブは今まで数回観てきたが、今回のライブで気付いた。宮本さんは、自身の体中から集めたエネルギーを放出するように、それこそ体全部を使って歌に乗せた想いを伝えようとしてくる。想いを叫ぶように歌うのだ。それが本当にビシバシ伝わってきて、エレファントカシマシの楽曲が多くの人にとって支えになっているのは、そういうことなんだろうなと思った。なんかもうエネルギーが凄い。歌に込められた想いの主張がめちゃめちゃ強い。それ故、その主張が自分の心境とリンクした時の感情の揺さぶられ具合がエグいのだと思う。今回、わたしにとってのそれは『今宵の月のように』だった。ここ最近、色々と停滞気味の自分とリンクし過ぎてしまって涙ドバドバ流して泣いてしまった。そんで、今、思い出してまた泣いてるよわたし。『今宵の~』演奏前の宮本さんのMCも素晴らしかったんだよな。「僕たちの一番のヒット曲です、僕も大好きな曲です」って素晴らしいMCじゃないですか?一番のヒット曲を大好きと言い切れる男前っぷりに痺れた。宮本浩次どこまで男前なんだよ…。『桜の花、舞い上がる道を』も素晴らしい曲だし『ガストロンジャー』もめちゃめちゃかっこ良かった。『ガストロンジャー』はRIJF2016で聴いて衝撃を受けた楽曲だったので再び聴くことができて嬉しかった。

あとやっぱりギターの人を引きずり回す宮本さんは何度見ても笑ってしまう。どんだけ自由なんだよ、と。ロッキンの時はギターの人をステージセンターまで引っ張ってきて「弾け!」って言ってギターソロ弾かせて、挙句「6点!!」って言い放ったことにめちゃめちゃ笑ったんだけど、今回はギターの人のギター奪って演奏しだすという暴挙に出ていて最高だった。

 

 

E.c エレカシ×スピッツ×ミスチル

アンコールではエレカシスピッツミスチルによるエレカシの『ファイティングマン』共演。テンション爆上げの宮本さんとその勢いにやや圧倒されるマサムネさん、めちゃめちゃ楽しそうに歌う桜井さん。ボーカリスト三者三様っぷりがそれぞれのバンドが持つカラーを表しているようだった。

それぞれがそれぞれのやり方で長年突っ走ってきたからこそ「みんな違ってみんないい」をここまで強く感じられる、それこそ夢の競演が実現できたんだろうなぁ…。どのバンドのファンもみんなが幸せになれる対バンだった。エレカシスピッツは30年、ミスチルは25年活動してきたバンドで、それこそあの会場にいた観客はそれぞれ追ってきたバンドは違えど同じような時代を生きてきた人たちの集まりだ。だからどのバンドのどの曲を聴いても、その時代を共有した仲間として楽曲の持つ時代性や想い出をシェアできるというか…。長く活動しているアーティストの作品にはそういった強さがあるなぁと感じだ。長い時間を積み重ねることで培われた説得力というか。

 

スピッツMr.Childrenも このバンドに共通して言えるのはみんな音楽が大好きで、素晴らしい音楽をみなさんに届けたいと思ってる」みたいなことを宮本さんが言っていたけど、本当にその通りなんだと思う。みんな本当に音楽が大好きで、その純粋な想いに共感できるからこそ今回の夢の競演が実現したのだろう。本当に素晴らしい夜だった。

 

エレファントカシマシさん、改めて30周年おめでとうございます。そして素晴らしいライブを企画して実現していただき、本当にありがとうございました。

 

それでやっぱり最後には「バンドっていいなぁ」と思わずにはいられないんだよね。

ほんと、バンドっていいなぁ…

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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*1:マスクの下で口をパクパクさせるだけで実際に声は出していないですよ!