楽しいことがあり過ぎる

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BUMP OF CHICKEN『LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe』感想

BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe

 

楽しかった時間は本当にあっという間に終わるものだ。
藤原基央がしきりに「あと数曲で終わっちゃう」と繰り返していて(まだ始まったばかりじゃんwww)とか思っていたらマジでそこから数曲で終わったので思わず隣りにいた友人に「早くない?????」と言ってしまいました。

 

ということで待ちに待った、ほんっとうに待ちに待ったBUMP OF CHICKENの結成25周年記念ライブ『Silver Jubilee』に行ってきた。
当日は本当にあっという間に終わったという感想が第一で、もちろん久しぶりにBUMPのライブに来たんだという喜びもあったといえばあったのだが、どちらかというとその実感に包まれる前にライブ自体が終わってしまった……という感覚のほうが大きい。ライブ前には「終わったら久しぶりにブログ書くぞヤッホーーーーーイ!!!!」とヤル気満々だったのだが、何しろ実感が伴い切る前に終わったライブといった感じだったためにどうにも自分の中であの時の感情がふわふわと漂い続けているままなのだ。
とはいえわたしにとってもBUMPにとっても、そしてコロナ禍である現状も踏まえても、こんなにも特別な意味を持つライブは少ないと思うので、まとまらない感情はそのままにブログに残すことにした。これ以上期間が空くと記憶が抜け落ちてしまう部分も増えてしまうので。ライブに行かない期間が増えると《ある出来事やそれに伴う大量の感情を覚えておく》みたいな能力がみるみる減退していく気がする。昔はもう少しいろいろと覚えていられた気がする、主にオタク的な視点での感情なども含め。もちろん加齢の影響もあるのでしょう。

 

さてまずは2日分のセットリストを貼ります。
そうなのです、2日間参加できたのです。一緒に行った友人が一般発売でS席を取るというミラクルを起こしました。一般販売って名目だけだと思ってたけどそうではないらしい。

 

BUMP OF CHICKEN LIVE 2022
Silver Jubilee at Makuhari Messe 2022/07/02-03
【 】内は7/3の演奏曲

SE.A Quick One,While He's Away(The Who
01.アカシア
02.Hello,world!
03.天体観測
04.なないろ
05.宇宙飛行士への手紙【ギルド】
06.arrows【イノセント】
07.Small world【Flare】
08.銀河鉄道
09.リトルブレイバー
10.乗車権【才能人応援歌】
11.Aurora
12.ray
13.オンリー ロンリー グローリー【ファイター】
14.メーデー

 

En.
15.クロノスタシス
16.木漏れ日と一緒に(新曲※2日目に曲名が明かされた)
17.BUMPOFCHICKENのテーマ【ガラスのブルース

 

En.2…7/3のみ
18.くだらない唄

 

今回のライブは全席指定席だった。幕張メッセ国際展示場公演での指定席は初めての経験だ。あのだだっ広い空間にひたすら会議用の椅子が並べてある。わたしは2日間ともに開場時間すぐに現場入りしたので、あのだだっ広い空間にわずかな人しかいない光景はなかなか不思議だった。客入れのSEと少しの雑踏音が静かに流れる空間はちょっと異様な雰囲気だったが、あの場所に足を踏み入れた多くの人達からは大きな声こそ上がらなくとも十分に興奮している様子が伺えた。
思わず駆け出す人や、抑えきれないテンションの高まりを全身で表した結果として奇妙な動きをしている人も多くいた。
ステージにはBUMPOFCHICKENを象徴するエンブレムのみがデカデカと掲げられていた。20周年記念のライブの時と同様だ。
なんだかんだ言ってこういう大事なライブのときには、シンプルにあのエンブレムのみを掲げてくれる彼らがすごく好きだな、と思った。

 

初日はおそらく10分か15分ほど押しての開演だったように記憶している。2日目は定時開演だった。やっぱり初日の反省を生かした結果だったのだろうか。

 

オープニングSEはThe Whoの『クイック・ワン』だ。
一番最初にドラムの升秀夫、次に増川弘明、チャマこと直井由文と続き、最後にボーカルの藤原基央が現れた。
ちょっとした驚きは藤原基央がバンドTシャツを着て登場したことだった。ライブでの彼は圧倒的に無地のものを着用してる場合が多く、その理由について彼自身もレギュラーラジオの中で「あとあと見返した時に何か意味を持ってしまうような服は着ないようにしている。どうとでもない服が一番いい」みたいなことを述べていた。そんな彼がバンドTシャツを着ていたことはすごく意外だったし、そのラフな雰囲気がすごく良いなぁと思えた。これは完全にオタクの想像だけど、それくらいリラックスした素の彼らに近い心情で今回のライブに臨んでいるのだとしたら、それはとても喜ばしいことなのではないかと思えたのだ。
スモークで少しだけボヤけた視界にステージ中央で背を反らして気合を入れる藤原のシルエットが見えた。そうして反らした姿勢をゆっくり戻すと、お決まりのギターを掲げるポーズでスタートだ。「ようやくこの日がきたんだな」とじんわり思った。

 

01.アカシア
1曲目はポケモンとコラボしたことで話題を呼んだ『アカシア』だった。
それまでは観客も息を詰めるようにステージを見つめていて、それなりの緊張感に包まれていたように思えた場内の空気が、あのキラキラとしたイントロが流れ出した途端に一気に華やいだ気がした。この曲にはポケモンポケモントレーナーを想起させるような表現が多く見られる。それが、この日に限ってはBUMPとリスナーの関係性に置き換わっていたと思ったのはわたしだけではないはずだ。25周年を記念したメモリアルライブの1曲目に演奏してくれるだなんて「そんなの完全にリスナーへの愛じゃん!!!!」と感激してしまいただただうれしかった。間奏で藤原基央が「やっと会えた」と呟いた。わたしの気持ちを一言一句違わず代弁してくれた。本当にやっと会えたのだ。長かった、本当にこの日まで長かった。延期が発表されてからの様々な感情が胸の中を一気に駆け巡るようだった。ちなみに2日目では「やっと会えた」という小さな呟きが「会いたかったよ」という一言に変わっていた。この変化がすごく良いですよね、えぇとても良いです……..。

 

02.Hello,world!
『アカシア』とは打って変わってバチバチのロックナンバーである。この曲を聴くと、以前チャマが「速くて大変だから弾くことに集中して他の動きが止まる」と笑いながら話していたことを思い出す。ライブで聴くのはBFLYツアー以来(確か)なのでどうしてもBFLYツアーを思い出す。日産スタジアム公演とても楽しかったよね、また日産スタジアムでライブ演ってください、お願いします。
最後の最後に〈ハロー どうも 僕はここ〉を〈ハロー どうも 君とここ〉と歌詞変えしていて最高でした。ほんと《藤原基央のそういうとこやぞ》ポイントでした。

 

03.天体観測
泣く子も黙る〈オーイエーアハーン〉で有名な『天体観測』もコロナ禍だといつものように一緒に叫べないのである。いつもだったらイントロが始まると同時にチャマが拳を振り上げながら「オイッ!オイッ!」とリズムに合わせて観客を煽るのが通例だが今回ばかりはそうもいかない。こういうちょっとした変化に「コロナ禍じゃなければ……」と過去と比べてしまう瞬間が何度もあった。

 

3曲目が終わってメンバーそれぞれから挨拶があった。何となくそんな気はしていたけれど、やはりチャマは例の騒動に関する謝罪を述べ、全身全霊想いを込めて演奏すると話してくれた。慎重に言葉を選んでいるようだったし、だいぶ緊張していたようにも感じられた。増川弘明はいつものように所謂『増川節』を炸裂させて会場の爆笑を掻っ攫っていた。特に2日目に関しては藤原基央に茶々を入れられまくって彼自身も何が何だか分からない状態に陥っていて非常に微笑ましかった。増川に茶々を入れる藤原が本当に楽しそうで、やっぱり藤原も久しぶりのライブが嬉しくて楽しくて堪らないのだろうなと思った。ドラムの升秀夫は相変わらずマイクを通しては何も語らなかったけれどオフマイクで感謝の気持ちを叫んでくれた。弾けるような笑顔と供に。MCパートになった途端にゆるゆるトークになるところも彼らの魅力だ。そして藤原基央はコロナ禍のライブに慣れない我々の胸中を察するように、優しく語りかけてくれた。いつもならわたし達リスナーが歌っている部分は空白のままにする、と。だから安心して楽しんでいってほしい、と。今日という日のライブをどういうスタンスで楽しめば良いのかを演者自ら示してくれるのはとても有り難いことだと思った。いつもならわたし達が歌っていた部分をどうするべきなのか、それをこんな風に愛しい空白に生まれ変わらせてしまえるなんてやっぱり藤原基央は最高だ。
余談だが、2日目のMCではこの初日の空白MCが素晴らしかったと友人に褒められたと照れくさそうに語っていた。そしてそんな風に褒められたことが嬉しかったとも語っていた。本当に嬉しそうに照れくさそうに話してくれて何だかすごく幸せな気持ちになった。藤原基央の身近な人はもっともっと藤原基央を褒めてあげてほしい。わたしの代わりにもっともっと藤原を褒めて、彼を喜ばせてあげてほしいものだ。

 

04.なないろ
イントロが流れた瞬間、場内にうっすらと歓声が上がったように感じた。やっぱり朝ドラ効果って凄いな。
サビの爽やかな疾走感がすごく心地よかった。ライブで演奏される『なないろ』を聴きながら、これを毎朝聴くことができていたってやっぱり凄いことだったんだな……と改めて思うなどした。朝ドラの主題歌を務めるってやっぱりすごく贅沢だ。ところでわたしはサビ前の〈キラキラ キラキラ〉という部分がすごく好きで、その瞬間に幸せ度が20%くらいUPします。会場内を照らすレーザーのような照明が七色ですごく美しかった。

 

05.【7/2】宇宙飛行士への手紙 【7/3】ギルド
『宇宙飛行士への手紙』は大好きな曲である。イントロが響き出した瞬間に「これは!!!!」と隣りの友人と顔を見合わせた。どの曲を演奏されても最高だけど、やっぱり想い入れのある曲を演られると喜びもひとしおである。この曲の〈どうやったって無理なんだ 知らない記憶を知る事は 言葉で伝えても 伝わったのは言葉だけ〉という歌詞は本当に悲しくて切なくて大好きな部分だ。常日頃から思いを言葉に直すことの難しさを雑誌インタビュー等で述べてきた藤原基央が歌うからこそ余計に胸に響くものがある。この一節を聴くたびに、BUMPの音楽の素晴らしさに出会う前の自分を思って少し寂しい気持ちになる。サウンド的な話をすればサビ部分のバックで鳴り響く宇宙的な信号っぽい音が大好きだ。あの音を聴くだけで胸がキュッとする。そういえば今回も恒例の藤ケラトプスが見られて大変良かったです。
2日目に演奏された『ギルド』は、この日、行動を共にしていた友人にとって特別過ぎる楽曲だったので、ぶっちゃけて言えば自分がどうこうというよりも、とにかく感激して泣きじゃくる友人の姿が強烈に脳裏に焼き付いている。イントロが流れた瞬間、思わず笑顔で隣りの友人に目を向けると、彼女は瞬く間に大粒の涙をこぼして泣き出してしまった。きっと彼女にとっては物凄く大きな意味を持つ選曲だっただろう。彼女とは今まで何度もBUMPのライブに足を運んできて、事あるごとに「ギルド歌ってくれないかなー」と話してきた。それがこれ以上ないベストタイミングで実現した。藤原は最後のサビで〈どんな風に生きればいい 体だけぶら下げて 構わないから その姿で 生きるべきなんだよ それも全て 気が狂う程 まともな日常〉と歌った。あまりにも彼女の現状にリンクするような歌詞変えに、本当に魔法のようだと思った。あの『ギルド』は間違いなく彼女へのプレゼントだった。BUMPの音楽は本当にたくさんの人の人生を救っている、その瞬間を目の当たりにしたようだった。

 

06.【7/2】arrows 【7/3】イノセント
初日も2日目も、この6曲目の選曲には驚かされた。まさかこの曲が聴けるだなんて!!!×2である。
まずは『arrows』だ。ギターに乗せて静かに優しく歌い出される楽曲だ。わたしはこの曲を聴くと途轍もない孤独を感じてしまう。なんでこんなにも寂しくなってしまうのか。サビに響くバスドラと思われる音にすら「寂しい〜〜〜〜〜」となってしまう。あれだけ大きな会場で歌われているのに、物凄く孤独を感じる数分間だった。ラスサビの喉が千切れそうな声で歌う藤原基央の歌声が非常に素晴らしかったです。ギリギリな感じが最高に良い。
そして2日目の『イノセント』。聴くたびに「すごいことを歌っているな……」とハッとさせられる曲である。こういった記念ライブで演奏されるような楽曲ではないと勝手に思っていたので、最初なかなか信じられずサビに差し掛かったくらいでようやく「え……やっぱり『イノセント』じゃん」となりました(遅い)。なんていうか、この曲を聴くとわたしはどうにも藤原基央というアーティストに想いを巡らせてしまいます。こんな風に楽曲を解釈するのはもしかしたらとても迷惑な話かもしれないが、サビの部分に関しては特に彼にとっての楽曲制作に対する核となる部分が歌われているようで何だかとてもズシンときてしまう。こんなにも重要なことを教えてもらっていいんですか?みたいな気持ちになる。心して聴かなければ……と一言一句取りこぼさないように姿勢を正したくなる。それぐらい存在の大きい曲です。

 

07.【7/2】Small world 【7/3】Flare
イントロがとても美しい『Small world』は『映画すみっコぐらし』とタイアップした比較的新しい曲だ。とても優しい歌声で、すごく美しい楽曲だと思う。そして間奏のギターがめちゃくちゃカッコいい。ライブで聴きながらどうしてもタイトルが思い出せなくて、それどころかタイアップしたすみっコぐらしすら思い出せなくて「あれ…なんだっけ。タイトルなんだっけ。何とタイアップしたんだっけ」とか余計なことを考えてしまっていた自分に物凄く後悔している。もっと集中しろ。アウトロのリズミカルなギターもすごく好きです。ちなみに『映画すみっコぐらし』は映画館で鑑賞した。作品の雰囲気にもすごくマッチした楽曲だと思う。そう感じたなら忘れるな自分。
『Flare』はコロナ禍以降最初にリリースされた楽曲だ。なので、どうしたってここ数年の目まぐるしい変化に想いを巡らせてしまった。ライブでも指パッチンしていました(音は同期だろうけど)。

 

08.銀河鉄道
ウッッッ……大好きな曲だ。物語をそのまま歌詞にしたような世界観がとても好きだ。『銀河鉄道』を歌う藤原基央の姿を見るたびに「新幹線に乗ると不思議な気持ちになる。自分は座っているだけなのに超高速で移動しているなんてすごく不思議。」と語っていたことを思い出す。『銀河鉄道』という楽曲が間違いなく藤原基央という人から生まれたことを感じられるエピソードですごく好きだ。
この曲をライブで聴くことの醍醐味は〈相手を想うならやめてやれよ ちょっと恥ずかし過ぎるだろう〉と少しハニカミながら歌う藤原基央だと考えますが如何でしょうか。

 

09.リトルブレイバー
『リトルブレイバー』には若いからこその無敵感を強く感じる。そんな曲をキャリアを重ねたバンドが演奏しているというのもすごく良かった。20代の頃に制作された瑞々しさ溢れる楽曲を、25周年記念ライブでデカデカと掲げられたエンブレムを背負って演奏する姿を観られるだなんて……なんて贅沢なんだろう。リリース当時の荒削りな感じも良いが、キャリアを重ねたからこそより丁寧に仕上げられたこの日の演奏も素晴らしかった。やっぱり経験って音に反映されるんだなーとしみじみ感じた。会場の熱気が楽曲の持つ若さみたいなものに引っ張られて一気に「オラオラオラー!!!!」みたいな方向にシフトチェンジした感じもすごく良かった。

 

10.【7/2】乗車権 【7/3】才能人応援歌
9曲目10曲目の流れは両日ともに会場の熱気が一気にブチ上がるみたいな勢いがあったように思う。
『乗車権』の持つ異様な迫力は凄いですね。なんだあの鬼気迫る感じ。わたしが子どもなら泣いちゃうかもしれない。わたしは藤原基央の喉が千切れそうな歌声がとても好きなので、そういった面でも『乗車権』は聴きどころ満載だ。最後の方なんてもう歌ってるというより訴えてるって感じだった。一人芝居を観ているような気分だった。
そして『才能人応援歌』である。この曲が演奏されていた時の会場のボルテージの上がりようはちょっと異様だった。なんかもう凄かった。場内が強烈なエネルギーに支配されてるようだった。なんだどうしたみんな急に10代の鬱々とした時代に戻ったか!?みたいなムードに包まれてたように思う。そうそうそうだよ、BUMP OF CHICKENの音楽ってこうだよね!!!みたいな。バッチバチにキレッキレでした。なんかもう全体的にバッチバチにキレてて最高でした。やっぱりこういうバッチバチにキレッキレなBUMPも最高だよな、と思った。こういった方向にブチ上がる感じ、最近のBUMPライブではなかなか新鮮な感覚だ。

 

11.Aurora
ライブで聴けば聴くほどに現在進行系で大好きになっていっている楽曲。何度聴いても毎回泣きそうになってしまう。〈考え過ぎじゃないよ そういう闇の中にいて 勇気の眼差しで 次の足場を探しているだけ〉って部分、人生に於けるどんなタイミングでも刺さってしまう超キラーフレーズだと思う。リリース当時も電車のホームで泣いたし、今だってちょっと油断したら泣いてしまう。思い浮かべる事象は全く異なるのに不思議だ。バックで流れるギターリフが心地良いですよねぇ……。大サビ前のリズムに合わせて2回手拍子するノリを完全に忘れていたので、前の列の皆さんが一斉に手拍子していて「おぉ!!!」と虚を衝かれました。久しぶりのライブあるある。

 

ここでしばしのMCタイム。
藤原基央が「あと3曲で終わっちゃう」と話し出して驚愕した。思わず「えぇ!?」と声に出してしまうくらいにはあっという間に過ぎたように感じた。いつもこんなに短かったっけ?もうそんなに演奏してくれたの?とただただ驚いた。まだまだ中盤くらいだと思っていたのに。楽しい時間は本当にあっという間なのだと、こんなにも痛感することがあろうとは……。

 

12.ray
BUMP OF CHICKENのライブに行くということは即ち『ray』を聴きに行くことである(超主観)。
演ってくれるだろうとは信じていたが本当に演ってくれて良かった。もうほんとに大好き。こんなにも会場を一気にハッピーオーラに包んでしまう楽曲はなかなかない。みんな本当に楽しそうなんだよな。BUMPの4人も、それを見つめる観客のみんなも。本当に楽しくて幸せで堪らん!!!!!という想いを全身で表した結果があのみんなで左右に手を振るアクションなのだろう。イントロの印象的なベースを以前のように楽しそうにチャマが弾いていることにも何だかすごくホッとした。途中、あまりにも幸せ空間過ぎてめちゃくちゃ涙が溢れた。BFLYツアーでの『Butterfly』でも起きた現象だ。幸せすぎると涙が出てしまう。「こんなにも幸せな時間ってあんまりないよな……」とかしみじみ思ってしまうとどうしようもなく泣けてくる。今回は+αでコロナ禍ということもあり、コロナ禍以前と様変わりしてしまったライブの景色に対しても想いを馳せてしまい余計に涙が止まらなくなってしまった。まさか『ray』で横隔膜が痙攣するほど泣いてしまうとは。ちなみにマスクをつけたままで横隔膜が痙攣するほど泣いてしまうとマジで息ができなくて苦しいのでお気をつけください。
そういえば〈○×△どれかなんて〉の部分でちゃんと照明で○×△が照らし出される演出もご顕在で最高でした。会場の後ろ側の壁に照射されていたあの演出、何人くらいの人が気づいていたかな。せっかくの演出なのでたくさんの人が気づいていたら良いなと思う。アウトロの藤原基央によるアルペジオ、最近は彼が演奏後に観客からの拍手をクレクレする仕草まで含めて『ray』という楽曲のライブ版パッケージとされてる流れ、バンドとリスナーの関係性の上に成り立つノリな気がしてすごくうれしい。

 

13.【7/2】オンリー ロンリー グローリー 【7/3】ファイター
イントロでブチ上げ確定ランキング上位の『オンリー ロンリー グローリー』。『ray』からの流れでもう会場内の熱気は最高潮にブチ上がっていた。めっちゃくちゃ盛り上がっていた。もうここら辺はとにかくブチ上がっていたという記憶しかない。そういえば演奏を聴きながら「こんなにテンポが速い曲だったのか」と衝撃を受けた気がする。
久しぶりにライブで聴いた『ファイター』。やっぱり良いなぁ……としみじみ思った。静かに奮い立たせてくれる応援歌だ。魂が乗り移ったように叫ぶような歌声に感情がグワーッと揺さぶられた。それにしても〈君がいるそれだけで ああ まだ 生きられる〉という歌詞変えは本日2度目の《藤原基央のそういうとこやぞ》ポイントでした。

 

14.メーデー
ちょっとほんとにもうこれ以上盛り上げてどうすんねんってくらいのセットリストである。ここで『メーデー』をぶっ込んでくるのはさすがに優勝だ。この選曲はもう完全にリスナーへの愛である。セットリストでめちゃくちゃ雄弁に語ってくれている。『メーデー』恒例の升秀夫のドラムソロも相変わらずバッチバチにキマっておりました。とはいえこれで最後の曲なんだよな……という終わりを迎える悲しみもあるので感情は大忙しである。それはそうとコーラスの〈メーデー メーデー〉の繰り返し、とても好き。ずーっと聴いていたかったです。


こうして本編があっという間に終了。あまりにもあっという間過ぎた。
メンバーがステージを降りて会場の熱気も冷めやらぬ内に場内にはアンコールの拍手が鳴り響いていた。メンバーにも聞こえていただろうか。聞いてくれていたら嬉しい。あれだけ大きな会場にしては結構揃っていたと思うんだよな、拍手。

 

Encore
15.クロノスタシス
最新曲である。ライブで聴いて改めて思ったけどめちゃくちゃ難しい曲だな。サビの〈並んだままで待つ答えで〉や〈何回も聞いた君の声が〉等の高音部分があまりにも美しくて幸せでした。

 

そしてMCを挟んでまさかの新曲披露へ。

 

16.木漏れ日と一緒に【未発表曲】
バスに乗るところから始まる日常の風景をそのまま楽曲に起こしたような作品。すごく穏やかで優しい曲だった。歌詞に関してはうろ覚え過ぎて大間違えしてる可能性もあるのだが街路樹の葉の隙間から射す光りを〈選ばれた光が肩で踊る〉みたいに表現していて「相変わらずおもしろい表現するな〜」と軽く衝撃だったことは記憶している。初日はタイトルが明かされなくて「なんて曲なんだ!!?」と疑問が残っていたのだが2日目のMCで藤原の言い忘れだったと明かされた。『木漏れ日と一緒に』というタイトルをゆっくり2回繰り返しながら教えてくれる藤原基央の優しさが沁みた。

 

17.【7/2】BUMP OF CHICKENのテーマ 【7/3】ガラスのブルース
当初の予定通りに開催されたらこの曲を演らない訳にはいかないだろっていうあんまり知られてない曲です、みたいなMCのあとに演奏された『BUMP OF CHICKENのテーマ』。4人がすごく楽しそうに演奏している姿が印象的だった。
2日目は『ガラスのブルース』。確か「僕らのもっとも初期に作られた曲です」みたいなMCに続く形で演奏されたように記憶している。恒例の観客が歌う部分は冒頭の藤原のMCどおり丸ごと空白のままだった。それが何だかすごく寂しくて涙が止まらなかった。こんなにも泣きながら『ガラスのブルース』を聴いたのは初めてかもしれない。早くあの空白を埋められる日が来ると良い。「そういえばあんな日もあったね」と笑いながら話せる日が来ると良いなと心底思った。

 

そしてここからは2日目だけのちょっとしたサプライズのお話を。

 

Encore.2
18.くだらない唄
MCでリスナーへの感謝を述べた藤原が「だったら曲やればいいじゃんね」と言い出して『くだらない唄』を演奏しだしたのだ。すでにステージを降りていた他の3人も加わって。ここで『くだらない唄』を選ぶあたりがどうしようもなくBUMP OF CHICKENなのである。もう本当に大好きだ!!!!!と思った。

 

***

 

こうして幸せ過ぎる2日間はあっという間に終わった。本当にあっという間だった。ここには書ききれないけれど他にもたくさんの素敵なことがあった。MCにもたくさん感動したし、相変わらずのグダグダっぷりに笑った部分もたくさんある。
とにかく感じたことは彼らからの多大なる感謝の想いだった。そしてその想いをストレートに伝えるために、限りなくシンプルに、彼らの活動理念に沿って、終始『音楽を届ける』ことに徹したライブだった。
2日目のMCの最後に、藤原基央が意を決したように述べてくれた言葉には、ここ数年の彼らを取り巻く環境を見続けた我々リスナーへの感謝が込められていて、何だか胸が一杯になってしまった。ありきたりだけど、こちらこそありがとうなのだ。とにかく4人でBUMP OF CHICKENを続けてくれてありがとう。ここ数年はあらゆる意味で色々な出来事がありすぎた。でも25周年記念ライブの最後に4人で大笑いしている彼らを見られて本当に本当に嬉しかった。これからもBUMP OF CHICKENの音楽を聴き続けられることが本当に嬉しかった。ようやくBUMP OF CHICKENをお祝いできた。

 

改めて本当に25周年おめでとうございました。
そしてこれからも、どうぞよろしく。

 

あ、最後の最後、ステージ降り際に客席に向けて投げキッスを放った藤原基央がこの2日間最大のほんと《藤原基央のそういうとこやぞ》ポイントでした。

 

おわり。

 

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