楽しいことがあり過ぎる

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BUMP OF CHICKEN『TOUR 2023 be there』at 有明アリーナ(2023.2.11)感想

BUMP OF CHICKEN TOUR 2023 be there at 有明アリーナ

 

コロナ禍以降初めてとなるBUMP OF CHICKENのアリーナツアー『be there』が始まった。
CD購入者先行抽選から落選すること多数……。今年の結成記念日ライブはもう行けないのだろうな(涙)と諦めつつもエントリーしていた公式トレードから当選メールが届いたのはライブ4日前のこと。なんてラッキーなんだ!!!


ということで記念すべき『be there』ツアー初日、そして結成記念日でもある2/11のライブに行ってきた。
すでに記憶が薄れつつあるがせっかくの幸運な体験を残しておきたいのでブログにしてみる。

本エントリーはセットリストやMC等のネタバレを含む内容になりますのでご注意ください。

 

実は今回のツアー、土日開催が多いこともあり調子に乗っていろいろな会場の先行抽選に応募していたら自分でも驚くほどに全国各地を回ることになったので、せっかくならできる限りブログに残してみたい。これはもう完全にPATHFINDERツアーの再来であります!(主に参加回数的な意味で)


ツアー最初の地となる有明アリーナは2020年に開業したばかりのとっても新しい施設だ。四角い屋根がそれぞれの角に向かって反るように設計されていてちょっとだけケーキのティラミスっぽい(何となく伝わる人にだけ伝わっていれば良いです)。
アリーナは思った以上にコンパクトな造りで、第一印象は「演者への距離が近い!!!」だった。
というのもわたしが当選したチケットはスタンドA席であった。端からアリーナ席でないことは承知していたのだが、いざチケットに表示された座席を見つけて驚いた。何ということでしょう。2階席の最前列、しかも通路際ではないか。足元に設置してあった注意書きを見るに、どうやら普段は車椅子席として利用されることが多いエリアらしい。あまりにも視界良好な良席だったので(果たしてこの席で間違いないのだろうか……)と不安な気持ちが募る。思わず同じ並びに座っていた方に「この席番ってここで合ってますよね?」とお声掛けしてしまった。どうやらその方も良席具合に多少は不安を感じていたらしく、お互いにチケット画面を見せ合い間違いないことを確信。あの時のあの方、その節はお世話になりました。着席早々のほっこりエピソードと思っていただきたい。

 

ラップ多めの客入れBGM(洋楽オンリー)が流れる中、開演前最後のアナウンスがありいよいよメンバーの登場となる。
まず初めにステージに姿を現したのは升秀夫だった。ここまではいつもどおりのBUMPのライブだ。しかし、ここからがちょっとしたサプライズだった。たくさんの歓声に応えるようにドラムスティックを天に突き上げながらステージを進んできた升は、そのまま花道を歩き、その先にあるサブステージまでやってきたのだ。続くように姿を現した増川弘明、チャマこと直井由文もそれぞれ花道を歩いてくる。まさか1曲目からサブステージで演奏するのか。驚きがすごい。3人の登場から少しして藤原基央が現れた。花道をゆっくり歩き、サブステージまでやってくると背を反らせて大きく伸びをする。傍らに控えていたギターを持つと、そのまま高々と掲げた。
いよいよ『be there』ツアーのスタートだ。

 

BUMP OF CHICKEN TOUR 2023
be there at 有明アリーナ 2023.02.11

01.アカシア
02.グングニル
03.天体観測
04.なないろ
05.才悩人応援歌
06.クロノスタシス
07.Flare
08.66号線
09.ベル
10.新世界
11.SOUVENIR
12.Gravity
13.スノースマイル
14.サザンクロス
15.GO
16.ray
17.fire sigh

En.
18.ホリデイ
19.ガラスのブルース

En.2
20.BUMP OF CHICKENのテーマ

 

01.アカシア
ここ最近のライブでは1曲目に演奏されることが多い『アカシア』。
キラキラしたイントロで一気に感情が昂ぶってしまう。まるでこれから始まるツアーがリスナーそれぞれにとって宝石のような特別な時間になることを予感させるようだ。ポケモンのコラボ楽曲として制作されたこの曲は、あまりにもBUMP OF CHICKENの音楽とリスナーの関係性に当てはまる。そんなことを考えながら心を落ち着かせようとステージに視線を向けるとチャマの姿が目に入った。彼があまりにも楽しそうに花道を歩きながらベースを演奏している、その姿でわたしの涙は一気に決壊した。今、BUMP OF CHICKENのライブにいるのだ、という実感が体中を駆け巡り、ただただ喜びの感情が爆発する。次から次へとうれし涙が溢れ出し、自分でも驚くほどに泣いてしまった。最近は、いわゆる泣かせ曲よりも明るい曲調の楽曲に涙することが多い。楽曲の持つ空気感がハッピーであればあるほど、会場のムードがポジティブであればあるほど、幸せな気持ちが胸に響いてしまい涙が止まらなくなる。うれションのような現象かもしれない(?)。

 

02.グングニル
『アカシア』の興奮が冷めないままの会場。升のドラムを合図に勢いに乗ったギターが鳴り響く。BUMP初期の楽曲『グングニル』だ。随所に散りばめられた若さの象徴のようなギャンギャンに鳴るギターが観客の熱を一気に引き上げる。さっきまで喜びの涙を流していたわたしもあっという間にブチ上げ状態だ。BUMPの楽曲にはその時その時の彼ららしさが詰まっているが、初期の楽曲は特にギターがギャンギャン系のものが多い印象だ。ギターギャンギャン系楽曲が大好きなわたしは、やはり全身で彼らの鳴らす音の渦に巻き込まれるのであった。

 

03.天体観測
早くも彼ら最大のヒットナンバーの登場である。『天体観測』といえば「泣く子も黙るオーイエーヘイアハーン(C)藤原基央」だ。とはいえコロナ禍以降はそれらのお約束の展開は一切行われることがなかった。しかし今日からは違う。そう、BUMP OF CHICKENは今回のツアーからマスク着用のうえで声出し解禁を正式決定していた。藤原は、かつてのように会場に『あの大合唱』を促すように歌った。会場中の観客が待ってました!と言わんばかりに拳を突き上げながら「オーイエ〜」と大合唱する様子には(ようやくここまで日常が戻ってきたんだな……)と感慨深い気持ちになった。実を言えば、個人的にはコロナ禍の無発声をルールとしたライブ自体にはポジティブな感情を抱いている。まるでカラオケのように大声で歌う客や、会場のムードをぶち壊すようなタイミングで放り込まれる歓声に嫌悪感を持つことも多かったので、それらとは無縁のコロナ禍のライブがひどく快適に感じられていたからだ。しかし、いざ久しぶりに観客の大合唱を耳にすると、少なからず感動のようなものを覚えた。とはいえ、この時点でのわたしは声出しという行為自体にまだ不安を持っていたため、藤原の掛け声にもなかなか応じられず心の中で叫んでいるような状態であった。

 

『天体観測』を演奏後にちょっとしたMCタイム。
藤原から声出し解禁となった喜びが語られた。曰く「普段の生活でオーイエアハーンなんて言うことないでしょ?お茶碗洗いながらアハーンなんて言わないでしょ?だから今日は思う存分オーイエアハーンって言ってってよ」とのこと。「お茶碗洗いながら」と言いながらちゃんとお茶碗洗う仕草してて(お茶碗洗ってるのか……?)と妙に生活感を感じられるMCがとても良かったです。こういったどうでも良い部分に藤原基央藤原基央っぽさを強く強く感じてしまい、我々のような強火オタクはまんまと沼へとハマっていくのである。

 

04.なないろ
場所をメインステージに移しての4曲目は朝ドラ主題歌を務め、一昨年(もう一昨年なの!?)の紅白歌合戦でも披露された『なないろ』だ。カラフルな照明が会場中を映し出し、本当に素晴らしい光景だった。それらの演出に合わせるように歌われる〈キラキラ キラキラ〉という藤原の歌声が本当に美しくて、どこまでも響いていくようだった。

 

05.才悩人応援歌
またしてもギターギャンギャン系楽曲である。ステージを照らすライトも、観客一人ひとりの腕に巻かれたPIXMOBのライトも真っ赤で、そんな真っ赤に染まるステージでギターを激しく掻き鳴らす藤原と増川の姿がとてもカッコ良かったことが強烈に記憶に残っている。あの真っ赤な演出は本当に素晴らしかった。
わたしは藤原のまるで喉が千切れるのではなかろうか、と心配になるような切羽詰まった歌声が大好きだ。『才悩人応援歌』の〈隣人は立派 将来有望 才悩人〉から続くフレーズが特にそういった藤原を強く感じられて非常にブチ上がるポイントである。世間的に言えば売れきった側であるBUMP OF CHICKENがこういった強いメッセージを歌っているという事実にも何だかゾクゾクしてしまいとても良かった。
キラキラしたBUMPもいいけど、こういった《陰》のBUMPも最高なんだ。

 

06.クロノスタシス
ゴリゴリのギターロック『才悩人応援歌』に続いて披露されたのは去年リリースされたばかりの『クロノスタシス』。美しくてドラマティックな展開が魅力のメロディアスな楽曲だ。AメロBメロではじぶんの身の回りで起こる小さな範囲での出来事を歌い、サビに差し掛かった途端にその世界は街へと広がっていく。その歌詞に合わせるように広がっていくメロディがとても美しい。そんなメロディの広がりに応じるように、サビになった瞬間に真っ白な光の線が場内を照らしていて本当に美しかった。この日は2階席ということもあり、照明を使った演出に心を動かされる瞬間が何度もあった。まるで演者や観客の心の動きを分かったような色や照らし方に(こんなにも楽曲とマッチした照明はなかなかないのではないかしら……)と感心したほどだ。

 

07.Flare
ぐっと抑えられた照明の中、印象的なギターリフで始まる『Flare』。2021年の結成記念日にリリースされた楽曲だ。『Flare』を聴くと外出自粛が叫ばれていた当時の生活を思い出す。まさかこんなにも長い期間に渡って未知のウイルスに恐怖を感じながら暮らす日々が続くとは思っていなかったけれど、それでも、ようやくこうやって声を出しながらライブに足を運べる日が来たのだなと改めてしみじみ感じた。

 

08.66号線
誰にでも【一度はライブで聴きたい曲】というものがあるだろう。わたしにとってのそれが『66号線』である。
藤原がイントロのギターを鳴らした瞬間、あまりの出来事に呆然としてしまった。まさか聴けると思っていなかった。念願の『66号線』を、あの藤原基央が歌っている?????夢が叶う瞬間というのは意外と実感が伴わないものだ。目の前の現実を理解するまでに時間を要し、サビに差し掛かったあたりでようやく(今、わたし、BUMPのライブで『66号線』を聴いているんだ)とじわじわと喜びを感じ始める。ぶっちゃけて言えば、ライブ終演後にBUMP仲間の友人から「66号線演ったの?」とLINEが届いてようやく(わたし『66号線』を聴けたんだぁ……)と真の意味で理解できたのかもしれない。それぐらい大きなサプライズだった。欲をいえば、その友人と聴きたかったのだが。
『66号線』には藤原基央の非常にパーソナルな想いが込められているようで、だからこそ『66号線』を聴くたびにとても尊い気持ちになる。なんというか、彼がアーティストという人生を歩むに至った経験だったり経緯だったり、藤原基央の原点にぶち当たるような回帰感があるのだ。今回のツアー、できればLINEをくれた彼女と『66号線』を聴きたいというささやかな夢ができた。

 

09.ベル
再びサブステージへ場所を移しての演奏。わたし自身ライブで聴くのは初めてとなる『ベル』。メンバーそれぞれがとても丁寧に演奏している姿が非常に印象的だった。

 

10.新世界
「声出せるようになったんだってよ。声出せる曲演るよ!」という藤原のMCとともにあの爆発力凄まじい歌い出し〈君と会った時 僕の今日までが意味を貰ったよ〉が鳴り響いた瞬間、喜びのあまり「ギャーーーー!!!!」と奇声を発してしまった。何となく(お、声出せる曲って『ray』かな?)とか考えていたので完全に虚を突かれた格好です。そうです、『新世界』がありましたね、完全にその存在を忘れていました、こんなに大好きな楽曲なのに!!!!!!!!!
そうなのだ、大好きなのだ『新世界』という楽曲が。でも何となくライブに於ける立ち位置的に『ray』と同じような役割を担っている気がしていたので、すっかり頭から抜け落ちておりました。申し訳ない。藤原が『新世界』を歌い出した瞬間が、間違いなくこの日最高のブチ上がりポイントだった。この『新世界』をきっかけにギアが1段上がった。わたし自身はもちろんだけど、会場全体も確実に。この時までは声出し解禁とはいえ多少の戸惑いみたいなものが客同士にも漂っていた……気がする。でも『新世界』の最初のワンフレーズをきっかけに霧が晴れたように会場内がただただ「楽しい!うれしい!ライブ最高!BUMP最高!」といったムードに満たされたように感じた。何と言ったって〈ベイビーアイラブユーだぜ〉である。他でもないBUMP OF CHICKENに自分たちの想いをこんなにも目一杯伝えられるチャンスだ。それはもう体中で音楽を楽しんだ。幸いにもわたしは通路際の席だ。スペースにはじゅうぶんにゆとりがあった。楽しいの許容量を超えると人間は体の動きを抑えることができなくなる。彼らの音楽に合わせて好きに踊ったり跳ねたりした。あまりにも楽しすぎた。もう一回演ってくれても構わなかった。
『新世界』を演奏し終えると、升、増川、チャマは再びメインステージへと移動を始めた。それに続くように藤原もハンドマイクを握ったままでメインステージへと歩を進める。途中、照明も当たっていない花道を歩きながら藤原が不意に〈ベイビーアイラブユーだぜ〉と歌い始めた。呼応するように場内からハンドクラップと合唱が巻き起こった。嬉しそうに再び〈ベイビーアイラブユーだぜ〉と続ける藤原、ベースを担ぎながら移動していたチャマがそれを弾き始めた。こういった藤原のアドリブ的なお遊びへの瞬発力はチャマがピカイチだと思う。チャマが加われば話は早い。増川も加わり、ドラムという楽器の特性上、一番反応が遅くなったのは升だった。升は、藤原が〈ベイビーアイラブユーだぜ〉と歌い始めた時も、まさかそのままチャマや増川が加わっていくとは思っていなかったのかもしれない。だって藤原が歌い出してもしばらくはゆったりとしたペースを崩さずに花道を歩き続けていたのだから。
藤原のお遊びによって巻き起こった大合唱の〈ベイビーアイラブユーだぜ〉というフレーズが、声出しOKのライブの喜びを雄弁に語っているようだった。

 

11.SOUVENIR
『SOUVENIR』をライブで聴いたのは初めてだった。衝撃だった。こんなにも楽しいのか、ライブで聴く『SOUVENIR』は。『新世界』に負けず劣らずめちゃくちゃ楽しかった。嘘だろ!?ってくらいただただ楽しかった。歌詞に合わせておどけたように走ったり歩いたりしている藤原も本当に楽しそうだった。まさかここまでのパワーを持った楽曲だったとは……。ライブのたびに演奏してほしい。それくらい楽しかった。色んな人に『SOUVENIR』の楽しさを味わってほしい。
あんなにもステージ上を縦横無尽に移動する藤原の姿を見られたのもなかなかのレア体験だったかもしれない。歌うことに楽しくなり過ぎた彼がハンドマイクを持ったまま間奏のギターソロに差し掛かってしまい、手にしていたマイクをパンツのポケットに突っ込んで難を逃れたシーンも含めてライブの楽しさを象徴するような楽曲だった。

 

12.Gravity
満を持して初披露された『Gravity』。聴く人々をノスタルジーの渦へと引きずり込むような楽曲。柔らかい声で優しく歌う藤原の姿が印象的だった。とはいえ『新世界』『SOUVENIR』と立て続けにブチ上げ楽曲を摂取したためにテンションが完全にハイに振り切ってしまい、実はあんまり記憶にない。申し訳ない。

 

13.スノースマイル
ライブ開催日の前日、つまり2023年2月10日は首都圏を含む広範囲に渡って雪が降った、という事実をここに記しておく。つまり、そんな日の翌日のライブだったからこそ輝く選曲であった訳なのだ。ライブ前日、白い雪で覆われていく街の景色を眺めつつ(明日のライブで『スノースマイル』演ってくれないかなぁ)などと欲望を膨らませていたのだが、一夜明けたら前日の雪景色が嘘のように晴れ渡る空!溶けて跡形もなく消え去った雪!!といった感じだったので(こりゃないかもな……)と1人ガッカリしていた。有明アリーナにはわたしと同じような思考を巡らせていた客もいたであろう。そんな我々の期待を知ってかどうかは分からないが、アコースティックギターを担いだ藤原があの有名すぎるイントロのフレーズを弾いた瞬間、この日だけの特別感を感じて幸せ度1UPがアップした。『スノースマイル』という楽曲は、その季節性から演奏される期間が非常に限られる曲だ。だからこそシーズン的にいえばギリギリのタイミングだったのかもしれない。おそらく今回のツアーに於いて4月以降に演奏されることはないであろう。

 

14.サザンクロス
『サザンクロス』を聴くと彼らの映像作品『BUMP OF CHICKEN WILLPOLIS 2014』の演奏シーンを思い出してしまうのはわたしだけでしょうか。リリース当時に何度も何度も繰り返し観たもんだから『サザンクロス』といえば、互いに向き合った藤原と増川が間奏のギターフレーズに合わせてひざでリズムを取りながら演奏するシーンなのです。わたしがBUMPのライブに足を運ぶようになったのは2015年以降なのでライブで聴くのは初めての経験である。映像で何度も観てきた楽曲を目の前で演奏されるというのは何とも不思議な感覚であった。

 

15.GO
おいおいまさか『GO』まで演ってくれるのかい。さすがに「わたしのためのセットリストじゃん!!」となりました。今までも『GO』への想いを事あるごとに書き綴ってきた。これとか、これとか。人生で初めての転職活動時、右も左も分からないお先真っ暗状態の頃に一番聴いていた楽曲が『GO』だった。とにかく〈とても素晴らしい日になるよ〉というフレーズには何度も救われた。わたしにとってのおまじないみたいなものだ。大好きなバンドが〈とても素晴らしい日になるよ〉と歌ってくれるのである。そんな最高なことあるかい?今回のツアーで歌ってくれたらうれしいけど、PATHFINDERツアーのときに散々歌われた曲だからしばらくお預けかもな……なんて思っていたけど、そんなことなかった。あまりにも感激してタオルを抱えながらオイオイ泣いてしまった。
ありがとうBUMP OF CHICKEN!!!とても素晴らしい日になったよ!紛れもなくあなた達のおかげだ!!!
皆さんも憂鬱な毎日に疲れたら小さな声で〈とても素晴らしい日になるよ〉と口ずさんでみてはいかがでしょうか。

 

16.ray
『GO』からの『ray』である。そんなの盛り上がるなって言う方が無理なのだ。それはもう踊りまくり飛び跳ねまくり。会場中が「楽しくて仕方ない!!!!」って感じ。そりゃそうであろう。あのビカビカのレーザービームみたいな照明で照らされる会場の中、みんなが手を大きく左右に振っている、これぞBUMPのライブだ。もはやBUMPのライブの恒例行事といっても過言ではない。それくらい『ray』という楽曲はここ数年の彼らのライブで大きな役割を果たしてきた。だからこそ、久しぶりにBUMPのライブに足を運んだリスナーにとっては懐かしく、初めて足を運んだリスナーにとっては憧れの瞬間だったかもしれない。
間奏のギターソロ、サブステージへの移動が間に合わなくなりちょっと駆け足でやってくる増川も、リズムに合わせて全身を左右に揺らして飛び跳ねながら演奏するチャマも、相変わらず無表情でドラムを叩き続ける升も、そしてアウトロのソロを演奏し終わった後に観客に拍手を催促する藤原も、全てがBUMP OF CHICKENのライブお馴染みの光景だ。〈生きるのは最高だ〉という強すぎるメッセージを帯びた歌詞も、未知のウイルスによる大混乱の世界を経験したからこそ余計に胸に響く。あの場にいた誰もがみんな〈生きるのは最高だ〉という歌詞に強く強く共感していたことだろう。

 

17.fire sign
「最後の曲です」という藤原のひと言から始まった楽曲は観客のシンガロングが恒例となる『fire sign』だった。声出し解禁となったライブの最後にシンガロングを選ぶあたりが粋だ。観客それぞれの腕にはオレンジ色の光を放つPIXMOB。その一つ一つがまさしく〈命の火〉のようだった。アウトロのシンガロングに嬉しそうに耳を傾けるメンバーの姿が印象的だった。藤原は花道まで出てきて会場中に響く歌声を全身に浴びているようだった。とても温かく穏やかなムードに包まれたエンディングだったように思う。

 

 

En.1
18.ホリデイ
まさかの選曲で度肝を抜かれた。とても大好きな楽曲だけどライブで耳にする機会なんてないと思っていたからだ。ダメダメな人間のなんてことない日常を見事に楽曲へと昇華させる藤原基央の才能が光りまくってる名曲である。この日は世間的にも建国記念の日、紛れもなくホリデイなのである。思わず(今日はホリデイ)と心の中で呟いた。

 

19.ガラスのブルース
声出し解禁のアナウンスを目にして一番最初に頭に浮かんだ楽曲は『ガラスのブルース』だった。
去年7月の幕張メッセ、発声が制限された状態で行われた『LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe』。いつもだったら観客の歌声で埋められるはずの部分を「愛しい空白」と表現した藤原は丸ごと空白のままで歌い上げた。音が存在しない音楽を聴いて涙を流す経験は、後にも先にもないだろうと思う。だからこそ〈ガラスの眼を持つ猫は星になったよ〉から続く大きなシンガロングには喜びの涙が溢れ、思わず拳を突き上げていた。途中、藤原は〈だから僕は唄を歌うよ 僕はいつも唄を歌うよ きっといつも歌を歌うよ そして君に会えたよ〉と歌い、最後には〈君を探し 君に向けて 歌を歌う〉と歌っていた。何度も〈君〉という言葉を繰り返していることに、彼の、彼らの『一人ひとりに届いて欲しい』という祈りにも近い想いが込められているようで、とても嬉しかった。こんなにも届けようとしてくれているという事実がただただ嬉しかった。

 

En.2
20.BUMP OF CHICKENのテーマ
ガラスのブルース』演奏後、藤原1人を残して升、増川、チャマの3人はステージを去った。藤原はいつもの通りリスナーへの感謝の言葉を述べた後に続けた。「いつも俺って話長いでしょ?話長いの反省したんだよ。だからここ1か月くらい毎晩イメトレしてたの。短く喋ってさっさとステージ降りようって。でも帰りたくなくなっちゃった」そうして照れくさそうに笑うと、再びギターを担いだ。
「何歌おっかな……〈冬が寒くって〜〉はもう演ったし」。これは完全にWアンコールの流れ。即座に理解した会場中からリクエストの声が上がる。わたしは結成記念日はバンドにとってのお誕生日みたいなものだし『HAPPY』を演ってくれたら嬉しいなぁと思っていた。同じように考えた方も多数いたらしく「HAPPY演って〜」という声も数箇所から上がっていた。しばし思案した後に「結成記念日なんだよねぇ…」と呟いて弾き始めたのが『BUMP OF CHICKENのテーマ』だった。これ以上ないくらいにピッタリの選曲だ。さすがBUMP OF CHICKENの楽曲を作詞作曲してる張本人である。
急いでステージに戻ってきて演奏に加わる直井と升。同じく増川も演奏に加わろうとするが、どうやらあまりの突然さに身体がパニックを起こしたらしく印象的な間奏のギターリフを盛大に間違えていた。それはもう盛大に。そんなハプニングも含めてライブ感満載のサプライズだった。aurora arkツアーの最終日にはサプライズで演奏された『花の名』を盛大にミスした増川弘明、きっとあの時と同じように楽屋に戻って悔しがっているに違いない。


こうしてBUMP OF CHICKENの27回目の結成記念日を祝うライブは幕を閉じた。
とはいえ彼らのツアー『be there』は始まったばかりである。
藤原がMCで「ベッタベタだけど言います。行ってきます!」と嬉しそうに叫んでいた。
わたし達が彼らに会える喜びを感じているように、彼ら4人も我々リスナーに会えることを楽しみにしていてくれるのだろう。
どうか今回のツアーが何事もなく無事にファイナルを迎えられますように。

そして、大好きなBUMP OF CHICKEN
改めて27年目の結成記念日おめでとう!
おわり。

 

 

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