楽しいことがあり過ぎる

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健康な体があればいい

BUMP OF CHICKEN TOUR『ホームシック衛星2024』at Kアリーナ横浜(2024.2.12)感想

BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024 Kアリーナ横浜公演

 

ついこのあいだツアー開催のアナウンスを聞いたばかりのような気がするのに、あっという間に当日になってしまった。

時の流れは本当に早いものです。

という訳で約1年ぶりの更新である。前回は『 be there』ツアーの初日の感想を記していた。

久しぶりに読み返してみたら〈自分でも驚くほどに全国各地を回ることになったので、せっかくならできる限りブログに残してみたい。〉などと記してある。なんということだ、全く果たされることなく今日を迎えている。

失敗からはしっかり学びを得るタイプなので、今回はそのような大口は叩きません。

恐らく次回更新は来年以降になることでしょう。

もしくはBUMPに何か大きな動きがあったとき。

本命はニューアルバムリリースですが果たして!?

 

という訳で今回もセットリストを追いつつ詳細に感想を書き連ねていきます。

もっとコンパクトにネットメディア風にいい感じにまとめ上げたいけど、自分にはそれは無理なので諦めました。

長くなるけど読んでください。もちろん自分の記録的な意味も大きいけれど、何よりの目的は読んでもらうことにあります。

 

本エントリーはセットリストやMC等のネタバレを含む内容になりますのでご注意ください。

 

***

 

BUMP OF CHICKENの結成記念日である2月11日、の翌日である2月12日Kアリーナ横浜公演がわたしにとっての『ホームシック衛星2024』初日となった。

グッズは前日に希望アイテムを購入済みだったので(朝イチの物販から夕方のライブ時間まで空き時間を持て余すのがダル過ぎたのでチケットもないのに初日である11日に会場へ足を運び希望アイテムを購入するという暴挙に出た。暇人にしかできない芸当)、昼過ぎに自宅を出発して16時前に横浜駅着。まずは昨日その存在すら忘れていたツアトラを探しに行った。前日の物販があまりにも過酷であり、完全に寒さで体力を奪われ切ったわたしはグッズを無事に購入できた安心感も手伝いツアトラの存在を完全にド忘れして帰宅していた。あまりにもうっかり八兵衛過ぎる。次はガチャガチャコーナーへ。初日の混雑の影響かスタッフさんに代金を渡してガチャ本体に手を突っ込んで希望回数分のカプセルを取り出す方式に変更されていた。正しい改善だ。我々はガチャを回したいのではなく、藤原基央がイラストを手掛けたキーホルダーを欲しているのだから。1度だけチャレンジしたら既に所持していたものと見事に被る。仕方ないのでXこと旧Twitter上で交換postを流して無事に交換成立。オタクのコミュ力が発揮できて良かったです。

 

16半時過ぎに会場入り。エントランス的なホールでしばらく時間を潰して17時を過ぎ、ようやくアリーナ内へ。

座席はA席指定という区分けだったが、その実ほぼアリーナと同レベルという良席。ステージ正面でモニターも見やすく最高だった。何より最高だったのは周りの人が誰一人カラオケ野郎でなかったことです。素晴らしい!

 

今回のツアー、アリーナ内に入った途端から凄まじい感動と大きなサプライズが待ち受けていた。

ステージ下手には電波塔のような大きなセットが組まれ、モニターには満天の星空。宇宙との交信を思わせるような環境音が流れるそこには、まるで宇宙船の中にいるような空間が見事に作り上げられていた。 開演前の影ナレもまるで宇宙的な生命体と交信しているような、文字に起こすなら全てカタカナ表記されるような調子のナレーションで場内の宇宙感をさらに高める素晴らしい演出だった。

 

開演予定時間を10分ほど過ぎた頃、場内の照明がすべて落とされた。

いよいよわたしにとっての『ホームシック衛星2024』が開幕する。

 

という訳で当日のセットリストです。

 

BUMP OF CHICKEN TOUR

ホームシック衛星2024 Kアリーナ横浜 2024.02.12

OP. 星の鳥

01. メーデー

02. 才悩人応援歌

03. ラフメイカ

04. アルエ

05. ハンマーソングと痛みの塔

06. ひとりごと

07. 花の名

08. 飴玉の唄

09. 東京賛歌

10. 真っ赤な空を見ただろうか

11. かさぶたぶたぶ

12. 望遠のマーチ

13. ray

14. プレゼント

15. fire sign

16. 星の鳥 reprise

17. カルマ

18. voyager → flyby アレンジver.

En.01 Spica

En.02 ガラスのブルース

 

 

***

OP. 星の鳥

冒頭の『星の鳥』が聴こえた瞬間から完全に2008年のホームシック衛星だった。
わたしは完全なる後追い勢なので2008年当時のライブを体験していない。しかしBUMPを追いかけるようになってネットで彼らの関連動画を見漁っていた頃に海外の動画サイトにNHKで放送された『スーパーライブ BUMP OF CHICKEN~プレゼント~』の動画が違法アップ(すみません)されているのを見つけ、以降、繰り返し繰り返し見ていた時期がある。その映像内で行われていたライブが今まさに自分の目の前で始まったような驚き。長澤まさみよ、今すぐナレーションを入れてくれ。

 

01. メーデー

アルバム『orbital period(以下op)』同様に『星の鳥』から続くように始まった『メーデー』。終演後にどなたかが「今回はここ最近のライブで恒例になってる煽りがなかった」という旨のpostをされてて、確かに……と今さらながら思う。

わたしがもう少し若ければ喜んで縦ノリしたことでしょう。

〈一度手を繋いだら 離さないまま外まで 連れて行くよ 準備はいいかい〉という歌詞変えがなされていたことをうろ覚えながら記憶しているので書き留めておきます。

 

02. 才悩人応援歌

ツアー開催が決まって以降、opを聴き返していてその度に好きだなぁ……となる一曲。もう何回同じことをブログに書いただろうかと自分でも思うが、やはり喉(声帯)が千切れそうな必死さで絞り出されるような藤原基央の歌い方が好きなので『才悩人応援歌』のあのギリギリな感じすごく好きだな、と思う。いや、そんな穏やかな感情じゃないな。どちらかというと「フォーーッッッ」的なテンションで好きだな、と思う。ブチ上がると表現した方がぴったりくる。燃えたぎった血液が全身を駆け巡るような興奮と凄まじい喜びに満たされる感覚。今回もやはりニヤニヤを抑えられなかった。

あと超絶早いリフを弾く増川弘明も最高にイカしていた。『才悩人応援歌』のあのリフはめちゃくちゃカッケー!!!ですね。

そういえば間奏部分のギターギャンギャン弾く部分で藤原さんが「ハッ!!!」て気合い入れみたいな声を上げていたことを唐突に思い出した。あんな彼もけっこう好きです。

 

03. ラフ・メイカ

04. アルエ

この流れはもう完全に「ブチ上がれ!!!!!」という指示がBUMP側からなされたと理解しても異論はあるまい。もちろんブチ上がった。ギターギャンギャン鳴らされると血湧き肉躍るタイプのオタクなので『才悩人応援歌』に続き『ラフ・メイカー』から『アルエ』の流れはギターロックらしいアツさを感じられてとても嬉しかった。

ここ最近のキラキラしたサウンドの曲ももちろん好きだが、ひたすらエレキを弾くぜ!!!!という曲からでしか得られない喜びも確かにある。だってやっぱりわたし、バンド音楽が好きだし。藤原基央増川弘明が向き合ってギター掻き鳴らしている光景、最高にアガるぜ。

 

05. ハンマーソングと痛みの塔

多分ライブで聴くのは初めて、なはず。

『Hello,world!』リリース時に行われたSpecial Liveのライブビューイングで見たのが、わたしが見た唯一のライブパフォーマンスだと思う。

セットの電波塔(仮)がここぞとばかりにビカビカ光を放っていてちょっと笑ってしまった。確かに君は塔だけれども。わたしの前にいた男性が藤原基央の歌に合わせて拳をガンガン突き上げてて良かった。ライブには、それまで一度も会ったことのない赤の他人が抱く楽曲への迸るような熱い想いに不意に触れてしまうような瞬間がある。そんなとき、あぁこの人にもこの人だけの想いがあってBUMPの音楽と向き合っているんだなぁ……と感じられてグッときてしまう。

間奏に差し掛かったとき、花道でギターソロを弾く増川に向けて藤原が「ヘヘヘイ!」とご機嫌な様子で合いの手を入れていたのがとても良かった。

 

06. ひとりごと

ここまでの流れとは打って変わって優しく響く藤原の歌声が心地良かった。当たり前なんだろうけど曲によってこんなにも歌い方を変えられるものなのだなぁ。

 

07. 花の名

アコギのイントロが美しい。わたしはこの曲の冒頭〜1番Aメロあたりで増川が体ごと藤原のほうを向いてアコギを演奏する様がすごく好きだ。藤原の呼吸を読むように一音一音丁寧にアコギを演奏する増川と、ピンスポに照らされながら歌う藤原の姿、この光景には何度見ても「いいなぁ」と思える尊さのようなものがある。

そして相変わらず『花の名』は多くの歌詞変えが行われる楽曲でもある。以下、記憶の限り書き記す。

〈一緒に見た空は忘れても 一緒にいた今は忘れない〉

〈生きる力を借りたから 声がでるうちに歌にしなきゃ〉※もしかしたら〈歌わなきゃ〉だったかもしれない

ラスサビ最後〈あなたとだけ開けたドアがある〉

 

08. 飴玉の唄

今回のツアーの大本命的な一曲。ついに歌われたか。いつかライブで聴きたいと思っていた楽曲だったのですごく嬉しかった。この曲は凄まじいことを歌っている。「信じる」という行為が極限まで達すると「裏切られる」という行為が成立しない、そんなことわたし1人だったら絶対に気付けなかった。

この楽曲は詞の素晴らしさはもちろん、藤原の歌いかたも無垢さと寂しさが共存するような優しいAメロから伸びやかなBメロ、徐々に熱を帯びていくサビ、さらに感情が溢れ出し、遂に決壊したかのように一心不乱に訴えかけるような大サビまで、ボーカリストとしての彼の表現力を存分に味わえる楽曲だと思う。

あぁ本当に素晴らしかった。最高だった。

あとやっぱりメロディがすごぉく美しいですよねぇ……

 

09. 東京賛歌

藤原のハーモニカを聴けて嬉しかった。

わたしは埼玉生まれ埼玉育ちでいわゆる上京のような経験をしたことがない。それなのになぜか『東京讃歌』の歌詞が刺さりまくってしまいエグエグ泣いてしまった。ふだん、イヤホンから聴いているときにはそんな心境になったことはなかったので自分でも驚いた。これぞライブマジック!若かりし頃のBUMPの面々に思いを馳せ勝手に高まってしまった末の涙、だったのかもしれない。

 

10. 真っ赤な空を見ただろうか

いやぁ〜、参った参った。この曲は本当に聴けば聴くほど好きになる。「うわぁ!めっちゃ好きな曲だぁ……」と感激しながら聴いてたら凄まじい歌詞変えをブッ込まれ「ふわッッ!!?!?!」となって必死に覚えようと頑張ったのにあまりの衝撃に全忘れした。ポンコツ過ぎる。

ライブ終わりにその旨をXにpostしたら、素晴らしい記憶力を持つ方が引用の形で教えてくださった。ありがとうございます!!!!以下がその凄まじい歌詞変えです。

〈そんな心馬鹿正直に話してる君が大好きだ〉

〈だからせめて続けたい 続ける意味は君がいる〉

 

11. かさぶたぶたぶ

これもいつか聴きたいと願っていた曲。

演奏前に藤原が「君たちは手拍子も上手だろ?」みたいなことを言いながらリズムをレクチャーしてくれた。序盤はリズムに合わせた手拍子も難なくこなしていたけれど、楽曲に集中すればするほどその両立が難しく、途中から完全にリズムキープに意識が持っていかれた。もし次に同じような状況に陥ったらサッサと手拍子を諦めて聴くことに全集中したい。それにしてもやっぱりかさぶたを主人公にした歌を作ろうと思えるその発想、恐れ入る。わたしが子を持つ親なら是非とも我が子に聴かせたい!と強く思っているのだけど、わたしには我が子がいないので、我が子を持つ親の皆さんどうでしょうか?

 

12. 望遠のマーチ

冒頭から続く一種のノルタルジーな雰囲気を良い意味で吹き飛ばした一曲だったと思う。観客の多くがop期の楽曲に照らし合わせてかつての自分を見つめているような時間が続いた後で、比較的新しい楽曲である『望遠のマーチ』。これまでとは種類の違う、例えていうなら個々の中で育っていた熱気が会場全体でひとつの熱気に移り変わる、みたいな盛り上がりの変化を感じた。この楽曲が持つ特有の推進力は凄い。特にサビの〈希望 絶望〉部分のように観客のコーラスが加わる部分は完全に『オレたちのアンセム』として成立していた。あの頃のBUMP OF CHICKENから今のBUMP OF CHICKENへ一気に引き戻されたように感じた。それにしてもなんて疾走感あふれるメロディなんだ。こんなに瑞々しく逞しい曲だったんだねえ。ライブで聴くたびに好きになる。

ライブで聴いたのは久しぶりだったけど最後の「ヘイ!」をしっかり一緒に叫べて嬉しかったです。

 

13. ray

ありがとう!今回はさすがにセットリストに入らないか!?と思っていたのに演ってくれたんだね!!!何を隠そう『ray』大好き芸人なのでイントロが聴こえた瞬間、秒で歓喜の奇声上げそうになりました(でも我慢した、えらい)。

イントロに合わせて直井がリップシンクしながらベースを弾いてる姿を見ただけで幸せで泣けてきた。コロナ禍を経たわたしたちはその景色が当たり前じゃないことを痛いくらいに知っている。だからこそ『ray』が演奏されるとき、その空間に満ちた幸せなオーラにわたしは涙が止まらなくなってしまう。それなりに歳を重ねてきた。人生の辛さややり場のない怒り、どうすることもできない悲しみも経験した。それでも〈生きるのは最高だ〉と歌い続けていくことに意味がある。だからこそ、これからもライブのたびに藤原基央は〈生きるのは最高だ〉と歌い続けるだろうし、わたしたちにも一緒にそう歌おうと促してくれるのだと思う。

 

14. プレゼント

『ray』の余韻が残ったままの会場で静かに始まった『プレゼント』。藤原が〈お尋ねします〉と歌い始めたときぶっちゃけ「あぁ、これが最後の曲なのかも知れない。早いなぁ…」と思ったのはわたしだけじゃないはず。

この曲も静かな序盤をひっくり返すように感情を爆発させて歌う終盤の藤原基央が堪らん曲である。文字通り声を震わせて魂を込めて歌うその姿、そして最後はやっぱり優しく〈ほら またどこかで涙の落ちる音〉と歌ってくれる。わたしたちを探してくれる。

 

15. fire sign

いやぁ、完全に『プレゼント』が本編最後だと思っていたので『fire sign』の演奏が始まったときには「マジで!!?」と歓喜した。会場中が赤いPIXMOBで照らされててすごくきれいだった。あの一つ一つが命の火なんだよなぁなんて思いながらその光景を眺めた。

ライブでの『fire sign』といえばここ最近は最後のシンガロング部分で増川弘明大先生によるトンチキ歌唱指導が入るのがお約束になりつつあったが、今回はそういった演出は特になし。とはいえメンバーがそれぞれバッチバチにアレンジしたベースやギターを披露するなか会場中が一体となってシンガロングするのは、すごくライブっぽい楽しさだよなぁと思う。

 

16. 星の鳥 reprise

17. カルマ

『プレゼント』でも最後の曲か?と思って、『fire sign』でも今度こそ最後の曲だな!?と思っていたので流石に『カルマ』のイントロ弾き出したときには「マジかよwww」状態になった。この流れでこんなにブチ上げソングを放り込んでくるだなんて、さすがに誰も予想できなかったでしょう。やはり人気曲なんだろうなぁ、会場の熱気がまた一番上がった気がした。まぁ例に漏れずわたしもブチ上がった訳ですが。ライブで聴くテンポ早い曲、とてもいい。もうあのイントロの速弾き(と呼ぶのか?)を聴いただけで「フォーー!!!!」となった。

 

18. voyager → flyby アレンジver.

本編最後でこの日いちばんのサプライズ。

最初「あぁなるほど……」と思いながら聴いていたら、なんかいろいろ追加されてて呆然とした。知ってるけど知らない曲状態。今日、このツアーで歌うからこそ意味を持つような素敵なフレーズがたくさんあったのに驚きと嬉しさでいっぱいいっぱいになってしまい何も覚えていない。ライブ後にインターネッツの叡智を大集合させて

あの幻の歌詞を書き起こしている方がいましたね。ありがとうございました。いつか音源としてリリースされるのでしょうか。

余談。起床時のアラームをBUMPの楽曲に設定している。しばらくは『Aurora』にしていたが、ちょっと前に夢うつつで「いい曲だなぁ……」と思いながら1番が終わるまで寝続けるという失態を冒して以来、『宇宙飛行士への手紙』にしていた。しかし、この日以降は『Voyager』に変更した。よく考えてみたら『Voyager』のやさしいアルペジオは起床のBGMにピッタリだったのだ。

 

ここで本編は終了。

まだまだ興奮が冷めぬまま、会場にはアンコールを期待する拍手が起こり始めていた。

 

En.01 Spica

何だか久しぶりに聴いた気がする『Spica』。

『望遠のマーチ』同様にセットリスト入りした曲の中では比較的最近の曲であるが、〈声に出せば鳥になって 君へと向かう名前ひとつ〉というフレーズは今回のツアーのコンセプトと相性が良さそうだ。

というか、藤原基央は本人も常々語っているように昔から同じことを歌い続けている。

だから、例えば今回のツアーが日頃BUMP OF CHICKENの音楽を聴いているリスナーのことを彼ら自身が探しに行く、そして実際に音楽を届ける、というコンセプトだとして、そこでどんな楽曲を演奏されたとしても、まるで今日のために作られたかのようにぴったりとハマってしまうものなのかもしれない。

最後が〈いってきます〉で終わるだなんて、ツアーの始まりに相応しい一曲だ。

 

En.02 ガラスのブルース

この日、BUMP OF CHICKENが最後に演奏したのはやっぱり『ガラスのブルース』だった。

こういった節目のライブには『ガラスのブルース』が外せないよなぁ。

いちリスナーであるわたしがそんな風に思うぐらいなのだから、彼ら自身はもっと自覚的に選曲しているだろう。

観客に向かって届けようと演奏してくれる彼らの姿は大好きだけど、ドラムの升を中心に、4人で向き合って楽しそうに演奏している姿が何よりも美しくて大好きだ。ただただBUMP OF CHICKENというバンドが28年間も活動を続けてくれたことに改めて感謝の想いが溢れた。

最後の最後に藤原基央は〈唄を歌う〉と歌うべきフレーズを〈君を探す〉と変えていた。

なんて粋な歌詞変え。

そういえば、この日最初に披露された『メーデー』の途中、藤原は定番の挨拶「こんばんは、BUMP OF CHICKENです」と叫んだあとに続けて「僕らの音楽を聴いてくれている君を探しに来ました」といった旨の発言をしていた(すみません、細かな言い回しは違うかも。でも〈探しに来た〉という表現は確実にしていました)。

だからこそ、わたしにはツアースタートの2daysが〈君を探す〉というフレーズで締めくくられることに大きな意味があるように感じられた。

 

ここからは完全に蛇足になる。

藤原は先述のような発言の際には「音楽を届けに来た」といった言い回しを多用している。

だから今回のライブで「探しに来た」「探す」という言い回しを使っているのは恐らく意図的なことだろう、と思う。

言葉の機微に人一倍気を配る人だ。『ホームシック衛星2024』というツアーは、『探す』ツアーなのだろう。

16年前に行ったツアーのタイトルを再び冠して、彼らと同じ周回軌道上にいる、あの頃にBUMP OF CHICKENの音楽を聴いていたリスナー、あの頃から今までBUMP OF CHICKENの音楽を聴き続けたリスナー、そして今のBUMP OF CHICKENの音楽を聴いているリスナー、あらゆるリスナーを探し、そして音楽を届ける。そういった強い決意のようなものが〈君を探す〉というフレーズに込められているように感じた。

 

こうして『ホームシック衛星2024』の最初の地であるKアリーナ横浜公演は幕を閉じた。

藤原は最後に「ベタだけと言わせてほしい。ホームシック衛星ツアー行ってきます!」と嬉しそうに叫びながら大きく両手を挙げていた。すごくすごく素敵な光景だった。

 

まだ一公演しか足を運んでいないので、まだまだこの先ライブを重ねることで感じることも変わってくるかもしれない。

それでも、今回のツアーはいつもよりストイックに『ホームシック衛星2024』というツアーの概念を伝えようとしてくれているのかもしれないなぁ、なんて感じた。

それはもちろん、大掛かりな舞台セットや、最初から最後まで一貫して宇宙にこだわって作られたような映像演出、さらに言えばここ数年のBUMPのライブでは恒例となっている愉快なMCの時間ですら意図的に減らされているように感じたからだ。

比較的懐かしい楽曲が多く散りばめられたセットリスト、もしかしたらあの頃の自分たちでは届けきれなかった楽曲の『言いたいこと』を今現在の彼らが再構築して届けようとしている姿勢の表れなのかもしれない。

とはいえ増川弘明の『にぎわい華やか御膳』発言やケーブルに足を取られて危うく転びかける藤原基央など、いつも通り微笑ましい一面もじゅうぶんに見せてもらったのだけど……。

 

何はともあれまだツアーは始まったばかり。

何事もなく、無事にファイナルの地 有明アリーナ公演を迎えられるように、今は祈るばかりである。

 

改めて28回目の結成記念日おめでとう!

そして、BUMP OF CHICKENを続けてきてくれてありがとう!

やっぱり大好きなバンドです。

おわり。

 

▼今までのBUMPOFCHICKEN関連の記事はこちら

・BUMP OF CHICKEN『TOUR 2023 be there』at 有明アリーナ(2023.2.11)感想

・BUMP OF CHICKEN『LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe』感想

 

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