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健康な体があればいい

BUMP OF CHICKEN『aurora arc』全14曲感想

aurora arc (初回限定盤B)(CD+BD)

BUMP OF CHICKENの9枚目のアルバム『aurora arc』が2019年7月10日にリリースされた。全14曲のうち12曲が何かしらの形で解禁されていて、アルバムとしてはやや寂しい気もしなくもないが実際に全14曲をとおして聴いてみたら「この並びで聴くからこそ!!!!」と驚きやら感動やらでいっぱいになった。やっぱりアルバムで聴くからこその醍醐味ってまだまだあるんだ。あとアルバムのアートワークにけっこう感動してしまい、そういった面でもフィジカルの強みを多いに感じた。

ということでさっそく始めます。

 

 

1. aurora arc

ギターのアルペジオからはじまるインスト曲。少し切ない曲調なのに最後に同じフレーズを繰り返す部分で妙な力強さを感じる。アルバムの世界にリスナーを引き込むような役割なのかな……。スーッと馴染むような優しさと力強さをあわせ持った一曲。

 


2. 月虹

アニメ『からくりサーカス』に提供された既発曲。とはいえ実は一度も聴いていなかった。アニメは観ていなかったし、なんだか聴くタイミングを逃しているうちに「いずれ何かしらの形態でリリースされるよな」と思い、そこからは敢えて聴かないようにしていた感もある。

これイントロから驚いた。何だろう……「こんな感じの曲かなぁ」とか想像していたわけでもないけど「そうきたか!!!」と衝撃が大きかった。アイリッシュ音楽?というのでしょうか、このイントロは。『車輪の唄』っぽさを感じてしまったのはジャンジャカ鳴るアコギの影響か。〈耳と目が〜〉からの曲の展開がすごくドラマチックで好きです。あとやっぱり藤原基央のハイトーンボイスは最高。

 


3. Aurora

『Aurora』、めちゃくちゃ大好きです。聴けば聴くほど大好きになる。

もうほんとにね、歌詞がね……。「これぞ藤原基央!!!!」というキラーフレーズのオンパレードでちょっとでも油断したら軽率に泣く。わたしは、藤原基央のどんな立場のリスナーにも寄り添ってくれるような類の詞の世界観が本当に本当に大好きだ。彼は「一見すると弱者と分類される人(もちろん自覚的にそう思っている人を含む)」を肯定する歌詞を本当にたくさん書いていて、そんな歌詞に何度も何度も救われているのがわたしだ。

『Aurora』の〈考え過ぎじゃないよ そういう闇の中にいて 勇気の眼差しで 次の足場を探してるだけ〉もそのひとつに数えられるだろう。まじでなんでこんなに分かってくれるんだ!!!!と新宿駅湘南新宿ラインの下り線ホームで泣きそうになりました。けっきょく人間の勇気なんてものは誰かと比べることはできないんだよなー、という至極真っ当なことを気づかせてくれるのが彼の書く歌詞の素晴らしさだ。頭では分かっているつもりでも、それを意識して他者を思うことはとても難しい。藤原基央という人は、そういった「はかることのできない勇気」というものの存在をとても大切にし、認めることができる人なのだと思う。

あと非常にオタク的な視点になってしまうけど大サビの〈ああ、なぜ、どうして、と繰り返して〉部分の引きつったような声の出し方が最高に好きです。

 


4. 記念撮影

一昨年から去年まで開催されていたPATHFINDERツアーで何度も聴いた曲。なので、CDとして聴いているときでも脳内にはライブの光景が広がっている。

この曲は歌詞の解釈に於いてリスナーに委ねられている比重がとても大きいように思う。特に〈想像じゃない未来〉という部分。この部分をどう解釈するかによって、楽曲の持つ世界観の広がり方がずいぶん違ってくる。そして最後には結局、やっぱり藤原基央ってすごいなーと思ってしまうのです。件の部分の個人的解釈については敢えて書かないけれど、皆さんはどう解釈しますか……?

 


5. ジャングルジム

インスト曲である『aurora arc』と同様に完全新曲。『月虹』に続き「そうきたか!!!」第二弾。まさかこんなにシンプルなアレンジの曲だったとは……。

そしてとんでもなく優しさに満ちた歌詞である。なんてこった。名前がつけられないような感情を名前をつけないまま多くの人の心に響く形で楽曲へと昇華させる技術がマジでとんでもねぇですね本当に。『ジャングルジム』を聴いたとき何故か『透明飛行船』を思い出してしまったのだけど、それはきっと《鉄製の遊具》つながりだからだろうか。

 


6. リボン

『ジャングルジム』から『リボン』の流れを聴けただけで「このアルバム買って良かった!!!!!」と思えたわたしは幸せだ。アルバムリリース決定の一報を知ったときは収録曲のほとんどが既発曲でぶっちゃけ少しガッカリしたりもしたけど、それは大きな間違いだった。この『ジャングルジム』→『リボン』の流れで聴いたときの『リボン』という楽曲の持つパワーといったら凄まじかった。マジで本当に自分でもびっくりするぐらい泣いた。すごい、すごい曲だよ『リボン』。『ジャングルジム』の弾き語りの余韻に浸っていたところに『リボン』のイントロのアルペジオ。めちゃくちゃ美しいつながりだ。あまりのインパクトに「これぞアルバムで聴くことの意義だ!!!!」と楽曲そのものとは別角度でも感動した。

ギターとボーカルのシンプルな構成から、ドラムが入り、ベースが入り……という流れが、まるでBUMP OF CHICKENというバンドが生まれる過程を物語っているようで、楽曲に物語性を求めてしまう系のオタクであるわたしはエンエン泣いてしまいました。

 


7. シリウス

スピード感溢れる構成、とても好き。サビ前に入るギターフレーズがめちゃくちゃカッコいい。アップテンポナンバー仲間の『Hello,world!』と立て続けに演奏されたらめちゃくちゃブチ上がるだろうなー。聴きたい。

 


8. アリア

この曲もライブ(BFLYツアー日産スタジアム公演)で聴いたときの印象が強烈に残っているので、どうしたってその時の思い出とリンクしてしまう。それにしても〈僕らの間にはさよならが出会ったときから育っていた〉という歌詞はあまりにも悲し過ぎるな……。

 


9. 話がしたいよ

「君」への想いがあまりにも切ない。貰ったお薬を飲まない感じも、「どうでもいい」と言いながらも言い過ぎたと改めるところも、人間のままならない感じをとてもリアルに描き出していて、本当にこういう細かな描写まで抜かりがないぜ……!と感服する。「君」といた時間への心残りがありながらも、それでも区切りをつけて前に進もうとする様子が、余韻を残さない楽曲のアレンジ面でも表現されているなーと思ったりする。

 


10. アンサー

何度目だよって感じだけど、この曲も最近になって繰り返し聴くようになった。正確にいえばPATHFINDERツアーのライブ盤CD(映像作品『BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER SAITAMA SUPER ARENA』に特典として付属)を聴いているうちに大好きになった。サビ部分のメロディがとても心地よい。大サビ前の間奏部分もめちゃくちゃ気持ちいい。とにかくズンズン前進したくなる気持ちになる個人的超ポジティヴソング。ちなみに先述のライブ盤CDでは歌詞を間違える貴重な音源を聴くことができます。

 


11. 望遠のマーチ

昨年末のCDJ18/19でひと足お先にライブで聴いてきた。この曲はライブでこそ活きる曲だ。サビ部分の〈いこうよ〉では会場全体がシンガロングするし、一体感が凄まじかった。歌詞同様とてもポジティヴなパワーを感じた。終始バックで流れ続けるギターリフがとても好きです。それはそうと〈夜を凌げば太陽は昇るよ そうしたら必ず夜になるけど〉という歌詞があまりにも藤原基央で感動した。『HAPPY』で歌われている〈悲しみは消えるというなら 喜びだってそういうものだろう〉という世界観に通じる物があるよなー、と思うのはわたしだけだろうか。

 


12. Spica

この曲で歌われている対象者を「誰」に想定するかでだいぶ解釈変わってくるぞー、と個人的にザワザワした一曲。しかし都合の良い方に解釈するタイプのわたしは、その対象者を我々リスナーに設定しました。未だかつてこんなにもリスナーへの信頼をストレートに歌ってくれたBUMP楽曲があっただろうか……。手をとった相手ではなく「ふたり」の繋ぎ目が世界の真ん中になったと言い切るところにこそ、藤原基央のアーティスト活動、ひいてはBUMP OF CHICKENというバンドの音楽活動の基本姿勢が示されているように感じる。彼らはしきりに《音楽は聴いてもらうことで完成する》というような発言をしており、まさに、それこそ自分と相手との関係性こそ彼らの楽曲の理想とする在り処なのだ。だからこそ「僕」でも「君」でもなく「ふたり」の繋ぎ目こそを世界の真ん中と捉えたのだろう。あぁブレないその姿勢最高。わたしは、この曲を、決してラブソングだなんて言わないよ……。

 


13. 新世界

これは間違いなくラブソングですね!!!!!しかしその対象は恋人でも子どもでも親でも友人でもペットでも植物でも芸術でも……なんでもOK、とにかく自分が愛する誰かや何かに対してどストレートに〈ベイビーアイラブユーだぜ〉と声高らかに伝えることの素晴らしさよ……。

すでにこの印象的なフレーズを含む何小節かはロッテのCMで聴いていたが、フルで聴いたのは初めてだった。なのでド頭に〈君と会った時 僕の今日までが意味を貰ったよ〉と歌われた瞬間に、体中に喜びが満ちるのを感じた。それくらいに最高の歌い出し。「まさにそれだよ!!!!」とヒザを打った。他でもない藤原基央がそう歌ってくれる説得力よ!!!!!最高だぜ!!!!とにかくこんなにも肯定的な楽曲を歌うBUMPが新鮮過ぎてなんかもう感動とか驚きとか、とにかくさまざまな思いがグワーっと体中を駆け巡った。

かわいらしいメロディと超ポジティヴな歌詞、まじでBUMP史上最強の全肯定ソングだだ。個人的には〈いつの日か 抜け殻になったら 待ち合わせしようよ〉という歌詞が最高にロマンチックで好きです。あーーーマジ最高。(ロッテのCMを見直してみたら、冒頭の〈君と会った時〜〉部分もバッチリ収録されていてたまげた。CMで見たときに何故引っかからなかったのだろう……)

 


14. 流れ星の正体

遥か昔に藤原基央による弾き語り音源がオフィシャルサイトで期間限定公開され、ようやくフルで聴くことができた。この楽曲は、彼が『B-PASS』という雑誌で連載していたコーナー『fujiki』が連載終了することに際し生まれた詞をもとに制作された、という背景を持っている。そのため1番部分は完全にfujiki読者に向けてあてた内容になっている。そして2番になると、その対象はBUMPリスナーへと広がりを見せる。当時、雑誌上でfujiki最終回に寄せて書かれた藤原直筆の歌詞を読んだ者(わたしだ)は1番の歌詞で涙を流し、2番を聴いて嗚咽しただろう。もうなんか愛がすごい。リスナーへの愛がすごい。リスナーに届けようという意識がすごい。それがダイレクトにビシバシ伝わってくる。あまりにもダイレクト過ぎて「エーン」と泣きたくなってくる。〈間に合うように〉とか〈気づいてほしい〉とか決して押し付けがましくない、それでもそっと寄り添って肯定してくれるBUMP楽曲の世界観が表れまくっているワードチョイス最高。

最初からずーっとアコギ1本での弾き語り形式をとっているのに、最後の〈君が未来に零す涙が 地球に吸い込まれて消える前に〉から急にバンドアレンジになっているのも、あまりにも出来すぎている。1番から続く藤原基央の比較的パーソナルな想いが、サウンドの転換とともに見事にバンド全体への意思へと変化するのだ。見事すぎるだろ!!!?そんでもって最後の最後に〈お互いに あの頃と違っていても 必ず探し出せる 僕らには関係ない事 飛んでいけ 君の空まで 生まれた全ての力で輝け〉と力強く歌い上げる。20年以上のキャリアを持つバンドだからこその説得力だ。お見事過ぎる。アルバムの最後にこの歌詞を持ってくるなんて……BUMP最高、のひと言に尽きる。

 

 

以上がアルバム全14曲の感想です。

何度も繰り返し聴いたはずの既発曲も、アルバムを通して聴くことで今までと違った印象を受けたり、楽曲の持つ世界観がより強烈に感じられたり、改めて『アルバム』という形態で聴くことの面白さを実感した。それが何よりも収穫だと思う。

 

 

 

余談。

今回のアルバム、実はアートワークにもめちゃくちゃ感動したので、書いておきます。

これ、すごくない?アルバムそれぞれが異なる色をしていて、重ねるとまるでオーロラのような色の変化を楽しめるという試み。マクロの中のミクロを意識させるアートワークに、BUMPのライブ演出でも定番となりつつある光の演出と通じるものを感じた。

ここ数年、BUMPのライブでは光るリストバンドが観客に配られ、随所でそれらの光を使った演出が見受けられる。彼らは事あるごとに、それらの光がリスナーひとりひとりを意識させるアイテムになっている、といった趣旨のことを語っている。つまり、会場全体で観てしまえば『光の演出』というひと言で言い表せてしまえる現象も、その先にはそれぞれのリスナーがいる、ということだ。同じように、店頭に重ねられたCDアルバムの束にも、その先にそれぞれのリスナーがいる。アルバムの色を変えることで、その「ひとりひとり」をより浮き彫りにしたのかなー、なんて思ったりしたのです。

 

こういった音源とは別のフィールドでの表現ができるのもフィジカルの強みだ。あと、単純に自分の好きなアーティストの作品がCDショップにデカデカと展開されている光景ってやっぱり嬉しいんだよなぁ……。

 

というわけでいよいよ今週末からツアーが始まります。いまいち実感がわかなかったけどCDを手にした瞬間、急にドドドッと実感が湧いて吐きそうになったのは言うまでもありません。ツアーやライブが始まることを実感したときの、あの緊張感は何なのでしょうか。当事者でも何でもないのにめちゃくちゃ緊張してしまうんだよなー。いつまで経っても慣れないものです。

 

 

おわり。

 

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The Birthday『VIVIAN KILLERS TOUR2019』横浜ベイホール公演感想

The Birthday VIVIAN KILLERS TOUR2019


ハッピーニューエラ!!!!!

ということで令和1発目の更新もThe Birthdayのライブの感想です。

セットリスト等も記載するのでネタバレ回避ガチ勢の皆さんはご注意ください。

 

 

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The Birthday『VIVIAN KILLERS』全12曲感想

 

 

昨日(2019.5.11)は「夏過ぎでは!!?」と驚くぐらいの陽気のなか横浜ベイホールまで行ってきた。The Birthdayのツアー初日のために。

去年の今頃、突然チバユウスケ沼にドボンし、何だかんだと足を運んできたが、ライブハウスでの彼らのワンマン公演を目にするのは今回が初めてだった。というかライブハウス自体、The Birthday界隈のライブに行くようになって初めて足を運ぶようになった場所なのでちょっぴりビビっていた。なんかライブハウスの客って怖そうじゃないですか(超偏見)。

 

さて会場となった横浜ベイホールは『元町・中華街』駅から徒歩で15〜20分くらい。海沿いに走る大通りから、脇道に入って少しのところにある。看板も色使いがかわいらしくて、ミニシアター系の映画に登場しそうな雰囲気を醸し出していた。

当日はライブハウス2階にあるレストランで結婚式が催されていた。スカルマークと親和性の高いバンドのライブが行われる同じ場所で結婚式が催されているというギャップがなかなか良かった。会場BGMでオザケンの『ラブリー』が流れていたりするのも含めて。

わたしの整理番号はB40番代。発券当初は「なかなかの良番かもしれない……」とドキドキしていたのだが、実際は全くそんなことはなく、むしろ悪いほうだったようだ。人生なんてそんなもんですよね。

 

 

17時半過ぎにいよいよ入場。会場内1階フロアには左右に魔の柱があり、それを避けるようにポジショニングを取ることに必死だった。前方エリアはそこそこ埋まってきていて中央エリアに至っては1階フロアはほぼ満員。流れに身を任せるまま進んでいたらいつの間にか上手側の前方に流されていたので、魔の柱に注意を払いつつ上手から下手まで見通せる場所を本日の居場所と決めた。ここならチバユウスケへの視界も良好である。ライブがはじまるとわたしの視線は終始チバユウスケにロックオン状態となるので、彼への見通しの良さはライブを観る上での最重要課題である。

 

いつも通り、オープニングSEである『16candles』が響き渡るといよいよ『Vivian Killers』ツアー初日の幕開けだ。

 

セットリストはこちら(今回もインターネットの海から拝借しました)。

2019.5.11 @横浜ベイホール

01. THIRSTY BLUE HEAVEN

02. LOVE IN THE SKY WITH DOROTHY

03. THE ANSWER

04. FUGITIVE

05. VICIOUS

06. POP CORN

07. DISTORTION

08. 青空

09. DIABLO ~HASHIKA~

10. KISS ME MAGGIE

11. Dusty Boy Dusty Girl

12. 星降る夜に

13. BABY YOU CAN

14. SUMMER NIGHT

15. FLOWER

16. OH BABY!

Ec.01

17. DISKO

18. くそったれの世界

Ec.02

19. SATURDAY NIGHT KILLER KISS

20. READY STEADY GO

 さてここからは例のごとく1曲1曲の記憶をほじくり返しながら書いていきます。

 

01. THIRSTY BLUE HEAVEN

まさかの1曲め。驚いた。アルバム『VIVIAN KILLES』の中でもお気に入りの1曲。イントロから本当に美しくて大好きな曲なのに、まさか1曲めとは思っていなかったので演奏中はやや呆然としながら聴いていた。この曲の〈コーヒーシュガーが溶けていくように肯定しよう この世界を〉って一節があまりにもチバユウスケ過ぎて大好きで、演奏中もこの部分を歌うチバの姿にグッときた。マジで肯定してくれるチバユウスケ最高です。チバが肯定するならわたしも世界を肯定するよ。

歌詞の世界観を表現したような青と白の照明に照らされるチバはあまりにも美しかったです、本当に。彼の横顔の美しさはピカイチだ!!!

 

02. LOVE IN THE SKY WITH DOROTHY

チバユウスケの巻き舌炸裂ソング。サビ前の〈This is MONUKE NO KARA〉の大合唱がとても楽しかったなー。「いま、わたしはライブに来ているのだ!!!」と強く実感する瞬間。チバがオーディエンスを煽るときにやる、手を下から上に仰いでこっち来いよ的な仕草がとてもカッコ良い。

 

03. THE ANSWER

やーーーっぱり超絶カッコいいんですよ『THE ANSWER』という曲は。音源で聴いてもその度に「カッコよ〜〜〜〜〜〜」と脳みそ溶けるのだけど、ライブになるとその威力は無限大。イントロのギターから超絶カッコよくて「やややややば〜〜すぎ〜〜〜」と膝から崩れるかと思った。何だあのカッコよさ、どういうこと???チバの歌はもちろんだけど、ギターもベースもとにかくめちゃくちゃカッコいい、隙がない。メロディアスなベースラインも、随所に散りばめられた印象的なギターフレーズもマジでカッコいいの極みすぎる。大好き!優勝!!!!!聴くたびに威力を増していってるバケモノソングです。

 

『THE ANSWER』終わりでチバが唐突に「The Birthday!横浜ベイホール!!」て叫んでそれがめちゃくちゃカッコ良かったし、あまりにも突然で虚を突かれた感あった。

わたし、チバの「The Birthday」の言い方がめちゃくちゃ好きなんですよ。「The」から「Birthday」までの間隔がとても短くて、音としては「ざ ばーすでー」というよりは「だばーすでー」って感じの言い方するんですけど。頼む伝わってくれ!!!!!なのでそれを生で聴けてそれはそれは嬉しかったです。

 

04. FUGITIVE

沼歴1年未満のド新規くそオタクなのでまったく聴いたこともない曲だった。

終演後ソッコーでダウンロードしました。いま、セトリ通りに並べたプレイリスト(バンドオタクあるある)聴き返しながら後半の転調後がめちゃくちゃカッコ良くてブッたまげている。ライブ中も「うをををを、なんじゃこの気だるさ100%みたいな退廃的な曲調!ヤバイ最高!!!!」と密かにぶち上がっていたことを思い出しました。

 

05. VICIOUS

目ん玉ひん剥いて歌うチバユウスケ最高にカッコ良かった!!!!あんなに目ん玉ひん剥いて歌ってたっけ、と驚くくらい印象的で……なんていうかその……あの眼力で人間を撃ち殺せるのではないか(褒め言葉です)。『VICIOUS』はチバが「カッコ良くて大好きな曲」と言っていたこともあり、ライブで聴くたびに「いま、チバは自身が大好きな曲を演奏しているんだな」と、至極当たり前の感想を抱いてしまう。

 

06. POP CORN

勢いがあってブチ上がったー!〈たぶん天国さ〉とか〈忘れるを忘れないで〉とかキラーフレーズ頻発なのにあっという間に終わっていくからマジで嵐のような怒涛の一曲。最後にボソッと呟く〈JUST POP CORN〉の一言が激シブ過ぎた。

 

07. DISTORTION

こちらも初聴きの曲だった。にも関わらずめちゃくちゃ印象に残っているのは曲の世界観と照明の演出があまりにもハマっていたからだと思う。〈残像を見てた〉という歌い出しからしばらくはチバにピンスポが当てられており、その中で歌う彼はまるでモノクロ映画のワンシーンみたいな美しさで「優勝!!!!!!」と歓喜した。チバユウスケってとてもシャープな造形の顔面をお持ちなので(当社比)、あの顔面にどこか一方から強い光を当てるとそれはそれは芸術品のような美しさの陰影ができあがるのですよ。それが途轍もなく美しくて、息をのむ美しさって多分これです。今回のライブでもっとも美しいチバユウスケはこの瞬間のチバユウスケでした、間違いなく優勝。

音楽的な感想でいえば、ギターの刻むリズムフレーズ的な音が渋くてカッコ良かった。途中からメロディアスな曲調に変わるのもとても好み。こちらも終演後にダウンロードしたのでこれから何回も聴き込んでいこうと思う。エフェクトかかる部分も超絶カッコ良いのですよ……。

 

08. 青空

イントロカッコ良いな!と改めて強く思った。とにかくフジイケンジのギラーがハチャメチャにカッコ良い。『青空』のイントロが始まった瞬間に会場内の熱がぐっと増した気がしたのは、わたしがこの曲を特別視してしまっているからだろうか。なぜか『青空』という曲には、ピリッとしつつも気持ちが高まる、みたいな雰囲気を生み出す力があると思うんだよなー。イントロ終わりでチバが唐突に雄叫びを上げてて、この曲のこのタイミングでの雄叫びは初めてだったので驚いた。でもとてもカッコ良かった。予定外の叫びはライブ感あって観てる側も気持ちが高まるよね。あとサビ前のドラムがめちゃくちゃカッコ良いことに気づいた。斜め前の男性がサビになった途端に祈るように両手を組んで掲げてて「きっと彼にとって特別な曲なのだろうな」とぐっと来た。“それぞれの曲が様々な人の特別な一曲になっている”ということを意識すると、あの空間がとても尊い空気に包まれているような気持ちになれるので、ライブ中イライラした時の処世術としていいかもしれない。とはいえ演者の歌声をかき消すように歌っちゃう人はゴメンだぜ!!!!今回はそんな不幸に見舞われなかったけど。

 

09. DIABLO ~HASHIKA~

この日、唯一、乙女歓声(キャー!!!的な黄色い声)を上げてしまったのがチバユウスケから放たれた〈はしかみてぇな愛でもいいだろ別に〉でした。ぶっちゃけCDで聴いていたときは何とも思ってなかったのに、ライブで聴いたら腰から砕けた。久しぶりにチバのヤバさに撃ち抜かれた。常日頃からライブ時のチバユウスケのヤバさは常軌を逸していると分かっていたつもりだったけど、マジでハンドマイクで〈はしかみてぇな愛でもいいだろ別に〉ってボソッと呟くチバユウスケのヤバさは異常でした。あまりのヤバさに\メーデーメーデー!!!/って叫び出そうかと思った。あんなの真正面からまともに食らったら回復するのに丸一日掛かるのでは?危険物すぎる。映像込みであと10000回くらいおかわりしたい。

マージーで!!!!ほんっっっっっとうに激ヤバだったんだよ!!!!!!!!!

 

10. KISS ME MAGGIE

ギターリフカッコ良かったなぁ……。〈ほんの2秒だけ先の〉部分で、ハンドサインしながら歌うチバユウスケがハチャメチャにカッコ良かったので、また見たい。なぜか〈4時5時の違いと7時9時の違い〉部分に引っかかりを覚えてしまい「この歌詞が意味するところは????」と歌詞考察厨が暴走しかけたが、すんでのところで踏みとどまった。チバの歌詞は随所に独特の言い回しが散りばめられているので、ライブ中に歌詞考察なんか始めたらあっという間に置いてきぼりになってしまう。

 

11. Dusty Boy Dusty Girl

サビの〈Dusty Boy Dusty Girl〉部分の大合唱、良かった。アルバムリリースからツアー初日まで結構な間隔があったので、新曲であっても観客との一体感がすんなりといっててとても楽しかったなー。みんなアルバムをしっかり聴き込んできたのね、とファンの熱量を感じた。

 

12. 星降る夜に

この曲も照明が良かった。穏やかでキレイな曲にとてもあっていてゴスペルチックな厳かな雰囲気を醸し出していた。特に〈ルラララリララリララルラララ〉の部分は、その歌声の美しさに衝撃を受けた。「ラ」「リ」「ル」の3文字だけなのにこんなにも美しく響かせる声を持っているなんてチバユウスケってめちゃくちゃ歌うまいじゃん!!!!と何様目線だよ的な感動を覚えたのです。とてもシンプルなフレーズだからこそチバ個人が持つ歌唱力がより浮き彫りになっていたのかもしれない。例えるなら無垢な歌声って感じ。

 

13. BABY YOU CAN

この瞬間ほど「今日が誕生日ならどれほど幸せだっただろう」と思える瞬間もなかなかないだろう。「俺達はまだ!」て煽りに〈何もしてねぇよ〉って応える観客を嬉しそうに眺めるチバユウスケの表情が忘れられない。最後が〈月に石拾いに行こうぜ〉で終わるのがあまりにもチバユウスケで「あまりにもチバユウスケ過ぎる〜〜〜〜」とエモの海に突き落とされた。『BABY YOU CAN』に青春性を感じるのはわたしだけだろうか……。

 

14. SUMMER NIGHT

 イントロからご機嫌ソング感丸出しで「ライブ映えするなぁ」と改めて思った。もうとにかく会場全体が楽しくて仕方ない!!!!ってムードに包まれてマジでハッピー空間。それぞれが音に身を任せてユラユラ揺れてて最高。〈誰かのサマーナイト〉を〈ヨコハマサマーナイト〉って歌詞変えしてくれたのもライブ感あって嬉しかったな。ところで〈閃光花火5秒で落ちた〉って歌詞めちゃくちゃキュートでは????どんな人生送れば50歳で〈閃光花火5秒で落ちた〉ってキュートな歌詞が書けるようになるんだよ最高だな。

 

15. FLOWER

はいはいはいライブで演る『FLOWER』大好き芸人のわたしが通りますよーーー!!!!もうね、ライブで聴くたびに「たたた多幸感〜〜〜〜〜〜」と感情の渦に飲み込まれて涙腺がみるみる崩壊してしまう。『FLOWER』演奏中、主にフジイケンジの〈真っ赤なRADIO〉部分に於いてのチバユウスケってめちゃくちゃ笑顔でギター弾いてるんですよ。そんでそれに合わせて観客もめちゃくちゃノリノリで〈真っ赤なRADIO〉って歌うんですけど。拳振り上げながら。それがもう最っっっ高にハッピー空間過ぎてマジで桃源郷かってくらいハッピー過ぎて、その様子にわたしは軽率に泣きました。あんなにもノリノリで明るくポップな曲なのに、どうしてこんなに泣いてしまうのか……。とにかくポジティブ過ぎて泣く。意味わからん。あまりにもハッピー過ぎる空間が眼前に広がってて、その光景を処理できなくなって脳の感情を操る部分がバグるのかもしれない。たぶんね〈忘れないで君が思うほどこの世界はそれほど腐ってはない〉ってフレーズもめちゃくちゃ刺さるから余計に泣けるのかもしれないなぁ……。はぁほんとうに好き。世界を肯定してくれるチバユウスケほんとうに好き。最高。

 

17. OH BABY!

『FLOWER』から『OH BABY!』への流れ、ハッピーが留まることを知らなすぎて溺れ死ぬかと思った。それぐらい「楽しい!!!!」って感情しか沸かなかった。「楽しい楽しい」って思いながら踊り狂っていた記憶しかない。めちゃくちゃ笑顔だったと思う、わたし。アルバムを聴いたときにも思ったけど締めが『OH BABY!』で終わるのって素晴らしい構成ではないですか?わたしは最後のリズム変調してからのロマンティックな展開がめちゃくちゃ大好きなので、最後にその余韻にどっぷり浸れたのがとっても幸せだった。

 

ここで本編は終了。メンバーが捌けて早々にアンコールを求める拍手。 

 

Ec.01

数分後、メンバー再登場。案の定、バドワイザー片手のチバ。ブレてない。フジイケンジのTシャツが可愛かった。そしてその可愛いTシャツがとてもよく似合っていたフジイケンジも可愛かった。

 

18. DISKO

ハンドマイクチバユウスケから放たれる〈くそメタルババァ〉の破壊力よ……。ステージぎりぎりまで出てきて客に向かって〈くそメタルババァがよ!!!!〉って吐き捨てるチバユウスケがまるでケンカ売ってるみたいでテンションがブチ上がってしまった。いや、ご本人にそんなつもりは微塵もないでしょうが。「己のファンを煽り倒すやんけーーー!!!!」と妄想が捗って脳内麻薬がドバドバ放出された。たしか、この時のチバも目ん玉ひん剥いてた気がする。

 

19. くそったれの世界

あー、チバユウスケがハンドマイク片手にステージギリギリまで出てきたってことは……マイクを掲げたってことは……!!!!とドキドキしていたら〈とんでもない歌が〉ってアカペラで歌い出したので歓喜と興奮で心臓飛び出すかと思った。あのアカペラ歌い出しの雰囲気ってとても独特だよね。まるで神が下界の民に号令をかけてるみたいで、神々しさすらおぼえる。ここまでほぼチバユウスケしか観ていなかったので「アカン、全員の姿を目に焼き付けないと!!!!」と急に焦りを感じて下手のヒライハルキに目を向けたらリズムに乗りまくって左右に身体を揺らしながらベース掻き鳴らしていたので「すすすす好きーーーーーー」となりました。わたし、全身でリズム取りながらベース弾き倒すヒライハルキが最高に好きで、特に『くそったれの世界』はそれが顕著な気がします。あくまで主観ですが……。〈I LOVE YOU は最強〉って歌詞が最強すぎて心も身体も丸ごと持っていかれた。どこに?って感じだけど、とにかく丸ごと持っていかれた感あった。ほんとうにいい曲だなぁ……。愛があるよ、愛が。『DISKO』といい『くそったれの世界』といい、チバの〈くそ〉には愛がある。

そういえば途中〈俺の友達〉部分の歌詞飛ばしてその後にテヘペロ気味に〈正直だっただけさ〉って歌うもんだから「あまりにも今の状況過ぎでは???」とツボってしまった。正直者のチバユウスケさん……。

 

 

Ec.02

チバユウスケ、クハタカズユキ、ヒライハルキ3人揃って咥えタバコで登場して「ガラが悪い!!!!(最高)」とテンションぶち上がりました。咥えタバコのチバユウスケなんてマジで完全にマフィアじゃん!!!って見た目なので、わたしが穢れを知らない純粋無垢なキッズだったらきっと恐怖で泣いてしまう。でもめちゃくちゃカッコいいんだよ!!!!!いま、この瞬間を、そのままポスターにして売ってくれ!!!!と何度思ったことか。ダブルアンコールの登場シーンだけで、そんな瞬間が何度もあった。

 

20. SATURDAY NIGHT KILLER KISS

土曜日だしもしかしたら……て思ってたら「今日何曜日?」ってフリからのこれ、100点過ぎでしょ。興奮のあまり憶えてないよ。とにかく終始笑顔で踊り狂っていた記憶しかない。とんでもなく楽しかった気がするので、それでよし!

 

21. READY STEADY GO

この曲の記憶もぼんやりしかないんだよなー。もうテンションが振り切れていたので。〈うすいリンゴジュースを許せない俺は〉を聴きながら「わたしもうすいリンゴジュースは許せないなぁ……」と思ったことははっきりと覚えているのだけど……。まぁでも楽しかった気がするので、それでよし(2回め)!!!

 

最後、ステージ去り際にチバが「また会おう」って言ってた気がする。とはいえ、記憶力に関しては自信がないので不確かだけど……。でも何となくそんなニュアンスのひと言を残してて、それがツアーが始まった感あって、とても良かったです。

 

 

雑感。

MCで「アラガッキー」発言が飛び出したこととか、ハンドマイクで歌うさまが相変わらずセクシャル過ぎてヤバかったこととか、覚えていることは色々あるのに、それがどの曲のどこでっていう時系列みたいなものはボンヤリしている。印象的な表情だったり場面が断片的に脳裏に焼き付いてる…みたいな感じ。それらの熱がなかなか冷めないので、一晩経っても急に脳内に浮かび上がってフワフワしてしまう。

とにかくわたしにとってのThe Birthdayライブハウス初ワンマンは「カッコ良い」と「ヤバい」の応酬でした。

ほんっっっとうにカッコ良いバンドだよ、The Birthday!!!!

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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The Birthday『VIVIAN KILLERS』全12曲感想

VIVIAN KILLERS(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)

The Birthday 10枚目のオリジナルアルバム『VIVIAN KILLERS』がリリースされた。

相変わらずハチャメチャにかっこ良く、最高にロックン・ロールな作品だった。

 

 

 

今回のアルバムリリースに合わせて、ボーカルであるチバユウスケを中心にかなりの雑誌等でプロモーション活動がなされている。その多くの場所で、今回のアルバムは『若々しい』的な表現を用いられて紹介されている。特に意識もせずそれらのワードを目にして「いかにも音楽ライターが使いそうなありふれた表現だな……」とか思っていたのだけど(音楽素人がエラそうに何を言うかって感じですが)、なるほどあながち間違いでもないかもな、と考えを改めた。

全12曲を聴き終えた今、たしかに今回のアルバムには何だかみずみずしい青春性みたいなものを感じたからだ。ロックン・ロールを奏でることが楽しくて仕方ない、ただただ楽しんで音楽制作を行った結果の全12曲。そんな若々しくみずみずしい彼らの衝動がそのままパッケージされたような高揚感を強く感じた。もちろんチバ自身は先述のインタビュー内で生みの苦しみについても語っていたのだけど……。とは言っても、やはりわたしは音楽に関してはズブの素人なので、今回も各曲を聴いて自分が感じたことや思ったことをそのまま記していこうと思う。

ちなみに本アルバムリリース前から今回のエントリーを書くことを決めていたので、事前にラジオ等で解禁された収録曲たちをできる限り耳に入れないようにしていた。何の先入観も持たずに、アルバムを通して聴いたときのファーストインパクトを大切にしたかったからだ。熱烈なThe Birthdayファンの皆さまにおかれましては「このくそ素人がよ 偉そうなことをぬかしてよ」くらいのやさしさを持って読んでいただけると嬉しいです。ということでさっそく始めます。

 

01.LOVE IN THE SKY WITH DOROTHY

実はアルバム初試聴前に彼らがプロモーション活動の一環として出演していたラジオ番組を聴いていたら、ちょうどこの曲がオンエアされるという不運に見舞われたのだが、そんなアンラッキーなんてどうでも良くなるほどにイントロからめちゃくちゃかっこ良くて「カッコよ!!!?!?!???!??!!!!」とパニクった一曲。イントロからバチバチのロックナンバーでぶち上がること間違いなし。この曲を一曲目に持ってきたことで本作のコンセプトみたいなものが分かりやすく浮き彫りになっているような気がする。マジで最高にロック。イントロのギターがね、もう最ッ高に最高ですよね……(語彙力とは)。途中のギターソロもバチクソかっこ良く、ギターソロ大好き芸人の血が騒ぎます。最後、〈LOVE IN THE SKY WITH DOROTHY〉を連呼するのだが、ハモで入っている低音ボイスがこれまた最高にかっこ良いです。


02.KISS ME MAGGIE

「ッカーーーー!!!!!シャレオツ!!!!!」

それが第一印象でした。イントロのギター、何なんだこれ。「シャレオツとはこのことよ!」と言わんばかりのシャレオツ感。リズミカルなギターとメロディアスなベースが最高にオシャレな一曲。オシャレなカクテルでも飲みながらユラユラ揺れながら聴きたいなぁ……。オシャレなカクテルって何やねんって感じですが。

ロディアスなベースが好きな人には、この曲は堪らないのではなかろうか。楽曲全体から大人の余裕と色気みたいなものがドバドバ溢れている気がする。たぶん、この曲を演奏するときのヒライハルキはオトコの色気の権化みたいな感じだと思う(なんのこっちゃ)。きっと観客の多くを、その色気で腰砕けにすることでしょう。わたしは彼が身体をユラユラさせながらベースを弾く姿がとても好きです。リズムに身を任せて作品の世界にどっぷり浸かりながら演奏してる感があって、見るたびに素敵だなぁと思います。

この曲、最後の終わり方がとても演劇チックなサウンドで、それも含め作品の世界観が強烈に感じられる仕上がりになっている気がする。


03.青空 (VIVIAN KILLERS ver.)

アルバム全体を通しては『みずみずしい若々しさ』みたいなものを強く感じるのだけど、そんな中で、間違いなくチバユウスケが長いキャリアを持つアーティストなんだよな…ということを再認識させられる一曲。これは10代や20代の人間には書けない歌詞だよな、と思う。いや、もしかしたら書ける人もいるのかも知れないけれど、その説得力には大きな差を生むだろう。やはり彼のキャリアを考えるときにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのことを想ってしまう人はかなりの人数いて、もしかしたら彼自身にその気はないのかも知れないが、この曲にはそれらに想いを巡らせてしまうようなキラーフレーズが多く存在する。『青空』という非常にポジティブなイメージを持つタイトルに反して、重いサウンドで始まり、それでもBメロではリスナーに呼び掛けるような言葉を並べ、サビでは未来に目を向けることを強く歌う。……最高やん。チバユウスケが〈お前の未来はきっと青空だって言ってやるよ〉と歌ってくれることの意味の大きさ。ここ最近彼らのファンになったばかりのド新規であるわたしには受け止めきれないほどである。

ところで本エントリーを書きながらリピートしまくっている中で気付いたのだが、ラストの大サビ前に入る高音のギターフレーズが吐くほどかっこ良いのでぜひそこら辺を意識して聴いてほしい。吐くほどかっこ良いです、マジで。


04.POP CORN

初っ端から勢いがすごい。実際のところはどうなのか知ることはできないけれど、思いついた勢いのままアッという間に作詞作曲され、その勢いのままにレコーディングしたのでは?と思えるくらい最初から最後までとてつもない勢いで終わっていく。そんな中で、いかにもチバユウスケっぽいワードセンスが炸裂している歌詞がとても良い。個人的には〈忘れるを忘れないで〉という歌詞が強烈で、初めて歌詞カードで目にしたときにはドキッとした。〈忘れるを忘れないで〉、強すぎる……。


05.Dusty Boy Dusty Girl

「どこか懐かしくセンチメンタルな気分にさせるイントロだな」とか思いながら聴いていたら歌い出し一発目に〈センチメンタル裏切り〉と歌われて「ウソだろ!?」と思わず声に出ていた。まんまと踊らされてしまった感。こんな風にアーティスト側の思惑がサウンドとして表現されている作品に出会うたびに「やっぱりプロってすごいなぁ……」と感動せずにはいられない。きっと彼らのように音楽を生業にしているような人たちは、こんな風に素人であるわたしが気付きもしないトリックを作品のそこかしこに仕掛けていて、それらの一端に触れられたような喜びを感じられるからだ。


06.THE ANSWER

アルバムとして聴いたとき、この曲のかっこ良さが群を抜いていて驚いた。イントロからビリビリくる感じ、最高だ。こんなにも『痺れる』という表現がピッタリくる曲だったのか……。歌詞カードを見ると、そのボリュームの少なさにも驚いた。言葉数としてはとても少ない構成なのに、こんなにもドラマチックな楽曲になるのか。音楽ってすごい。

そもそもイントロのギターリフから凄まじくかっこ良くて、ガナるような歌い出しからベースとの掛け合いのような構成になってくるところもめちゃくちゃかっこ良い。サビのメロディアスなベースも大好きだ。というか、わたしはどうやら『ベースがメロディっぽいラインを奏でる』という構成がツボである、ということに今さら気付いた。センテンスとセンテンスの間を埋めるように入ってくるギラーフレーズも美しくて好きだ。そうか、この曲はアングラっぽい怪しさを醸し出す楽曲なのに、ベースもギターもとても美しいメロディを奏でている楽曲だったのか……。だからこんなにも強いのかもしれない。すごく練りに練られた感がある気がする。めちゃくちゃ手が掛けられている、と言ったら良いのか。いや、専門的なことは分からないのだけど、たとえばロックに対する衝動みたいなものをパッケージしたような印象の曲が多い『VIVIAN KILLERS』というアルバムの中で、『THE ANSWER』はそれらとは少し異なる立ち位置というか。とにかくThe Birthdayの生み出す楽曲の幅の広さみたいなものを強く感じる不思議な曲だ。

……だめだ、考えすぎて何が何だか分からなくなってきました。

 

07.DISKO

〈このくそメタルババァがよ〉。最高の歌い出しである。

それに続く歌詞が〈そのうちお前をやってやる〉で結ばれている。〈殺ってやる〉と書かないだけマシかな、とか思っていたらサビに入った瞬間〈KILL AT THE DISKO〉と歌っていて笑ってしまった。多分だけど、この曲のレコーディングはきっと楽しかったに違いない。サビの〈KILL AT THE DISKO〉の部分は、ライブだったら観客全員で叫びたい部分である。


08.THIRSTY BLUE HEAVEN

めっちゃくちゃ好きな曲だ!!!!もうイントロから最高に好きだ。チバユウスケってあんなにガラ悪いのに、ときどき途轍もなくロマンチックな楽曲を生み出すでお馴染みじゃないですか。わたしは彼のその純粋さみたいな部分にどうしようもなく惹かれてしまうのだ。そんでもって、『VIVIAN KILLERS』に於けるそのロマンチック要素を担うのがまさにこの曲だと思っている。あまりにも美しい曲で、ライブで聴いたらその美しさに泣いてしまう気がする。特に大好きなフレーズが〈コーヒーシュガーが 溶けていくように 肯定しよう この世界を〉の部分だ。こんなにもはっきりと言い切ってしまうだなんて……。軽く衝撃を受けた。〈シュガー〉ではなく〈コーヒーシュガー〉としたワードセンスも、『天国』をBLUEで表現するところも途轍もなくチバユウスケだなぁ、と思う。そして〈そこには歌が〉と歌うチバユウスケは、やっぱり音楽が大好きなんだなぁとも思った。あーーーーーーーー、、、、本当に最高だ。


09.FLOWER (VIVIAN KILLERS ver.)

ライブで聴いたときから散々思っていたことだけど、やっぱり今回も思った。この曲はポジティブな空気で溢れている。聴くだけで無条件に前を向きたくなるような曲があって、『FLOWER』は間違いなくそちら側の曲だ。それはフジイケンジによる〈真っ赤なRADIO〉部分の繰り返しに起因するのかも知れないし、ライブで今作を演奏しているときのチバがあまりにも楽しそうで、その光景が未だに目に焼き付いているからかもしれない。

わたしはチバユウスケの歌詞に多く見受けられる『あるがままを受け入れて、それでも未来を夢見る姿勢』みたいなものが好きだ。この曲でも〈忘れないで 君が思うほど この世界は それほど腐ってはない〉と歌っている。普段、あんなに治安の悪いことを口にするような彼が、こんなにも世界を肯定してくれるって、なんかもうそれだけで信じられる気がする。そんな曲に『FLOWER』なんていう“生命力の象徴”みたいなタイトルを付けちゃうところも粋だなぁ……。


10.星降る夜に

詞の破壊力がヤバイ。こんなの卑怯だ。

たとえば音楽が 空にいくら吸い込まれようとも

止むことはないと 思えたよ君の声が聞こえる

いやいやいやズルくないですか?チバユウスケがこの詞を歌うのズルいでしょ。この曲も彼のロマンチックが溢れ出ていて、あまりの少女っぽさに脳みそ溶けそうになる。タイトルそのまま、星が綺麗な静かな夜に聴きたい曲です。


11.DIABLO ~HASHIKA~

全体としてセリフ調の歌い方が印象的な一曲。〈ベイビー〉というフレーズをこんなにもかっこ良く歌えるアーティストもなかなかいないだろうなぁ、と思う。激シブである。ところでチバユウスケ、意外と星座占いとか気にする質(たち)なのだろうか……。


12.OH BABY!

いやぁいいなぁ、この爽快感!!

実は本エントリーを書く際、感想を書くあいだは対象となるその一曲のみを延々リピートする、といった手法をとっていたのだけど、11曲めの『 DIABLO ~HASHIKA~』の感想を書き終えて『OH BABY!』を流し出した時の爽快感ったらない。なんて爽やかなんだ!すごいな、この爽やかさ。まさしく〈闇は晴れた〉って表現がピッタリくるようなスコーンとした爽快な抜け感がある。

最後、リズムが変調し〈OH BABY!〉を繰り返す部分が、とても好きです。なんだろうなぁ……とてもドラマチックで、そのうえ可愛らしさみたいなものも同時に感じる。きっとライブでは観客に促すんだろうな、ということも容易に想像できる。

どこかのインタビューで、最後が『OH BABY!』で締めくくられることでアルバム全体の印象がすごく肯定的になる、みたいなことを読んだ気がするのだけど(凄まじいうろ覚え感)、たしかにその通りかも知れない。この楽曲で締められることで、何だかハッピーな余韻に浸っていられる気がするのだ。

 

 

 

まとめ。

ここ最近、自らのキャリアを振り返るようなインタビューが多いチバユウスケ。そのどれでも彼の発言はとても前向きだ。とにかく精力的に音楽制作を行っているらしい。素晴らしいことだし、とても喜ばしいことだ。そんな彼らの姿勢が、今回のアルバムが持つ若々しさやみずみずしさにつながっているのかも知れない。50歳を迎え、ときに「あと20年位かもなぁ……」なんて発言もしているチバユウスケに思うことは、とにかく楽しんで音楽を作り続けてほしいということだ。

間もなくThe Birthdayはツアーに突入する。アルバム収録曲がどんな風に演奏されるのか、今からとても楽しみだ。ライブで聴いたらガラッと印象が変わる楽曲もきっとあるだろう。

とんでもない歌が 鳴り響く予感がするぜ!!!!

 

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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日記_清水ミチコのライブ、フェルメール展・ムンク展のこと

清水ミチコライブ

2019年が始まりあっという間に1ヶ月が過ぎてしまった。今回は、特に何かひとつのことにしぼらずに、なんとなく書いておきたい(残しておきたい)アレコレについてのエントリーです。

 

・『清水ミチコ・森山良子 初夢フェスin武道館 ~ライブでアラモード~』に行った

2019年1月2日に念願の清水ミチコのライブに行ってきた。年末年始の恒例行事である彼女のライブには数年前から行ってみたいと思っていて、ついにそれが叶った。今年のライブ初めがまさかの清水ミチコとは……。自分でもびっくりである。

さて、今回のライブは彼女がレギュラー出演しているWOWOWトーク番組とのコラボ?的な企画だったそうで、同番組に同じくレギュラー出演している森山良子との2人編成でのライブイベントであった。他にも一青窈藤井隆椿鬼奴森三中・黒沢かずこ等がゲスト出演し、バラエティに富んだ濃い時間を過ごした。

2018年大晦日、日本中にエンタメの素晴らしさを魅せつけたユーミンの紅白ものまねを相変わらずの高クオリティで年明け早々に披露する清水ミチコはやっぱりプロフェッショナルですごかった。そして森山良子があんなにもチャーミングでおかしな人だとは思わなかった。彼女は、天然というよりもおかしな人といったほうがピッタリくるくらい不思議な尺度で生きている人であった。『さとうきび畑の唄』をあんなにも情感たっぷりに歌い上げる人なのに、MCの節々からはどこか世間を冷めた視点で眺めている、そんなふうに感じた。今までの人生でいろいろと経験してきたのだろうな……ということが端々から感じられる、そんな彼女の発言はどれも面白いのだけれど、反面、常にわたし自身のやましい部分を見透かされているのではなかろうか、という怖ささえ感じた。とにかく不思議な感覚だった。

あとはやっぱり椿鬼奴の『You Give Love A Bad Name(Bon Jovi)』を聴けたのも嬉しかった。わたしはやっこさんが歌うYou Give Love A Bad Nameが大好きだ。何がそんなに好きなのかは自分でも良く分からないのだけど、彼女が歌うYou Give Love A Bad Nameはわたしを元気にしてくれる。おそらく、やっこさん自身が自分にとことん酔いしれてたいそう気持ちよさそうに歌っているからかも知れない。とにかくこれからも彼女にはYou Give Love A Bad Nameを歌い続けていってほしい。

とにもかくにもお正月らしさあふれる穏やかでポジティヴな雰囲気に包まれた心地よい時間を過ごし、とても充実したライブ初めとなった。やっぱり清水ミチコはおもしろいなぁ。

 

 

・『フェルメール展』『ムンク展』を1日で鑑賞した

東京都美術館『ムンク展』

ムンク展』会場となった東京都美術館。門松が正月感あって良い。

 

1月4日、上野で開催されていた『フェルメール展』と『ムンク展』に行ってきた。ご存知の方も多いかと思われるが『フェルメール展』は事前に日時指定券を購入する予約制であった。わたしはフェルメールの作品にはそこまで明るくない。作品名を聞いてパッと思い浮かべられるのも『真珠の首飾りの少女』くらいだ。しかし、高校時代は美術を専攻していたわたしである。会期スタートとともに多くのメディアで取り上げられ話題となっていた本展。その錚々たる作品群を実際に見ようと思ったら、何百万も掛けて世界中の美術館を巡回しないと見られないらしい。それをたった2500円*1(音声ガイド付き)で見られるというのだ。そんなビッグチャンスを逃す手はない。「これは見ておいたほうが良さそうだよな……」と思えた。

ということで年末のうちにチケットを確保。事前の調べで朝イチと夕方以降の時間が比較的空いているという情報をキャッチし、さらに年明け早々に美術館に足を運ぶ人なんて少ないであろうという根拠ゼロの憶測のもと、1月4日の11時からの回を選んだ。結果的にこの選択は正しく、鑑賞中はそこまでの混雑に襲われることもなかった。しかし混雑状況ばかりを事前リサーチし、美術展自体の概要を把握していなかったため「次の時間割の人たちが追いつく前にすべてを見終わらなければ……」と、それなりに巻き気味で鑑賞した結果、まさかの40分ほどですべての展示作品を見終わってしまったのである。実は、本展は総展示数48点(時期により上下する)という比較的ミニマムな構成の美術展だった。たとえば、同時期に同じく上野で開催されていた『ルーベンス展』は展示作品数約70点、フェルメール展後に足を運んだ『ムンク展』なんか約100展も展示されていた。それに比べるとフェルメール展がいかにミニマムな構成だったかが伺える。そもそもフェルメール自身が、多産の画家ではなかったという点も大きな要因なのかも知れない。

とはいえ、展示内容自体はとても良かった。わたしは以前にも書いたのだが、抽象的な作品よりは写実的な作品を好む傾向にある。わたし達が普段の暮らしで目にする風景や瞬間を、どれだけリアルにキャンバスの上に表現するか。その行為に人間のチャレンジングな精神だったり、アーティスト自身の力量を分かりやすく感じ取れる気がして、シンプルに「すげぇなぁ……」と感動できるからだ。なので写実的な作品が比較的多い本展は、わたしの肌にあっていたように思う。特に感動したのが、第4章「命なきものの美:静物画」に展示されていたヤン・ウェーニクス『野ウサギと狩りの獲物』である。野ウサギの毛並みがあまりにもリアルでしばらくのあいだ見入ってしまった。ありきたりな感想であるが、本当に、まるでそこに野ウサギが吊るされているようなリアリティであった。そうしてフェルメールと同時代に生まれた芸術作品群を鑑賞し、いよいよ最後に彼自身の作品が展示されたゾーンに到着。残念ながら年末年始は展示作品数が通常時より少なく(事前リサーチで気付いていなかった)なっていたのだが、有名な『牛乳を注ぐ女』を鑑賞することができたので満足だ。彼の作品は右側に窓を配し、そこから入り込む自然光が浮かび上がらせる人々の服装だったり表情だったりを繊細に描き出した作品が多い。学生時代、美術の担当教諭が頻繁に「絵を描くときは自然光のもとで描きなさい。自然光が物を一番美しく見せるのだから」といった趣旨のことを言っていたのだが、その意味するところが改めて理解できた気がする。

 

さてフェルメール展をわずか40分あまりで見終わってしまったわたしは、その後、以前から気になっていた『ムンク展』にも足を運んでみることにした。普段、美術展を見終わると鑑賞した作品群のエネルギーを浴びた脳内が疲弊しきっているのだが、せっかく上野まで来たのだし、ムンク展示体の会期終了も迫っていたし、年始の影響でフェルメール展同様にムンク展も空いているかも知れないし……何よりフェルメール展だけではやや物足りない感があったので。こういうときは勢いが大切である。

 

東京都美術館で開催されていた『ムンク展』は激混みであった。彼の代表作である『叫び』が展示されているということもあり、その混雑は当たり前といえば当たり前なのだが、まさか入場までに30分近くも並ぶことになるとは思わなかった。フェルメールとは反対に、ムンクという人は非常に多産の芸術家であった。美術展といえば、多くの場合『○○○展』と特定の芸術家の名前を冠していても、展示作品の何割かは同時期に活躍した別の芸術家だったりの作品を展示しているものなのだが、ムンク展に於いては約100点のすべてが彼自身の作品である。すごくない??????わたしはまず、そのことに衝撃を受けたよ……。

彼の作品は、その時々の彼自身が置かれている状況だったり心情だったりを感じさせるものが多く、それらの変遷がとても興味深かった。 

多くの展示作品の中で、お気に入りの作品を数点見つけたので挙げてみようと思う。

まず『ブローチ、エヴァ・ムドッチ』という作品。これはムンクが当時交際していた恋人ムドッチを白と黒だけで描いたものだ。「キレイな作品だな」というのがこの作品を目にしたときの一番の感想だった。ムドッチに対するムンクの愛が伝わってくるようでとても美しかった。

ふたつめは『青いエプロンをつけた二人の少女』という作品だ。この作品はとにかく色使いが可愛い。橙色を背景に青いエプロンをつけた二人の少女が並んだ様子を正面から描いているのだが、その明るくポップな色使いが少女の可愛らしさをそのまま表現しているようで見ているこちらまで笑顔になってしまうようであった。あまりにも可愛くて気に入ったので、この作品をモチーフにしたグッズがあれば記念に買って帰ろうかとも思ったのだが残念なことに売り切れていた。やっぱりあの作品は多くの人の心を掴んでいたのだな……と無理やり自分を納得させた。はぁ、可愛かったなぁ……。

 

そういえば本展の最大の売りである『叫び』であるが、その展示方法がなかなかおもしろかった。もちろん、最大の目玉作品である『叫び』であるから、その前には多くの人だかりができていたのだが、よく見ると作品の前に列を作って歩きながら鑑賞する人と、その列より後方から立ち止まって鑑賞する人だかりができていた。

これは、作品を間近で鑑賞したい勢と、遠くからでも構わないからじっくり鑑賞したい勢とを区別することで場内の人の流れを少しでもスムーズにする取り組みだったようなのだが、これがなかなか良かったように思う。『叫び』のような有名作品が展示されている場合、あまりにも人気で人だかりができてしまうことも多く、泣く泣く鑑賞を諦める人もいるだろう……。少なくとも過去にわたしは何度かそういった経験をしてきた。もちろん、根気強く待っていればいいのだけど、そこまで待てないわたしのような人間にとって『叫び』のような展示スタイルはとても良かった。間近で作品を見たい人はあらかじめ間近で見る人ゾーンの待機列に並ぶ必要がある。そうなると必然的に作品の前に起こりがちな混雑を和らげてくれるのだ。そして、作品との物理的な距離感にそこまでのこだわりがない人にとっては、それなりに許容できる程度の混雑の中、有名作品をじっくり鑑賞することができる。限られた時間とスペースの中で、より多くの人が満足できる空間を作ろうという取り組みだったように感じた。

 

 

 

そんなこんなで年明け早々、なかなか充実の日々を過ごしている2019年。今年も興味があるイベントには軽率に足を運んでいこうと思う。

 

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*1:当日券は2700円

CDJ 18/19(2018.12.28公演)EARTH STAGE 感想

COUNT DOWN JAPAN1819


明けましておめでとうございます。

今年も好きなことについて、好きなように書いていきたいと思っています、どうぞよろしくお願いします。

 

 

ところで、弊社の仕事納めは12/28(金)でした。にも関わらず、入社1年未満の身でありながら、わたしはその日仕事を休みました(もちろん事前に申告したうえで休暇を取得した)。何故かって。そんなもの答えは簡単だ。我が愛すべきバンドことBUMP OF CHICKENの皆さんが幕張メッセで開催された年末恒例の音楽フェス『COUNT DOWN JAPAN 18/19』に出演したからです。

 

ということで、わたしにとってもBUMPが同フェスに出演した2015年以来のCDJ。ライブ当日からはだいぶ経ってしまいましたが、だからといって何も書かずにいたらいつかぜったい後悔することになりそうなので、今さらですが感想を書いておきます。正月休みもたっぷりあって「ブログもできる限りたくさん書くぞー!」と思っていた2018年末のわたしは何処へ……。蓋を開けてみたら結局1本しか書けてねーじゃねーか!!!という自身への反省も含め、半ば、意地の更新です。

 

 

当日のこと。

BUMPの出演はEARTH STAGE(最も収容キャパが大きいステージ)のトリであった。わたしはBUMPの出演が発表されチケットを確保した段階になっても、彼ら以外の出演者をほぼ把握しておらず「当日もBUMPさえ見られればいっか」くらいのゆるゆるテンションで臨むつもりでいた。しかし、いざチケットが手元に届くと「せっかくなんだし出演者くらい見ておいたほうがいいよな……」と考えを改め、サイトをチラッと覗いてみた(ちなみにこちらがタイテになります)。何ということでしょう……。スカパラがいるではないか。スカパラといえば、今年(2018年)のap bank fesで個人的優勝アクトをブッかました最高ブチアゲバンドである。これは観るっきゃない!!!!他にも過ぎ去りし青春時代に『AM11:00』が激ハヤリしたHYや、H.I.SのCMで聴いて以来ちょこっと気になっていた雨のパレード、最近SNSで頻繁に評判を目にするKing Gnuもいる。これはきっちり予定を経てればなかなか充実の1日になるのでは……?

ということで急きょタイムテーブルをやんわり固め(とはいえあくまで「やんわり」)、当日を迎えた。

 

さて、当日の朝である。開演時間である12時前到着を目指し、準備をしながら何気なく『あさイチ』を見ていると、そこには岡崎体育の姿があった。わたしは今期の朝ドラ『まんぷく』を視聴しており、彼に対してもそれなりに好意的な印象を抱いていた。あさイチでの岡崎体育は、華丸大吉の2人や、一緒にゲスト出演していた大谷亮平とにこやかに談笑し、とても感じのいい青年であった。「岡崎体育、いいヤツじゃん」という感想を抱き、幕張エッセへと出発したのであった。

 

予定通り、12時前に会場に到着。クロークに荷物を預け、何だかんだ12時を過ぎてしまったが特に焦ることもなくフェス会場へと向かう。基本的に「BUMPさえ観られればあとはまぁ……臨機応変に!」という心持ちでいたため、各ステージの出演者に関してもぼんやりとしか覚えていない。「たしか一発目にHYが出演するんだよな……今からでも最後20分くらいは観られるかも」と思い、EARTH STAGEへと歩を進めた。お気づきだろうか……。すでにわたしはその日ひとつめのミスを犯していた。HYが出演するのはEARTH STAGEではない。EARTH STAGEとは正反対に位置するGARAXY STAGEである。わたしがそのことに気付いたのはEARTH STAGEに到着し、欅坂46の姿を目にした時だった(遅い)。間違いに気付いたわたしは、即座にEARTHからGALAXYへと移動しようと通路に戻った。しかし、時すでに遅し。彼らの出演時間は残り10分くらい。今から向かっても多分ギリギリ間に合わない。その瞬間、わたしのヤル気は一気に0になった。

 

あぁ、面倒くさい。全てが面倒くさくなってしまった。

 

しばし途方に暮れ、そのまま目的もなく通路をウロウロし、過去のCDJ出演者によるサイン入りフラッグを見るなどして十数分を過ごした。『CDJ15/16』出演時のBUMPのサインのお蔭で少しばかりヤル気を回復することができ、改めてタイムテーブルを確認する。そこには『岡崎体育』の文字があった。そうなのだ、今朝、あさイチに出演していた岡崎体育は、どうやらその足で幕張メッセに来ていたのだった。それならここは岡崎体育を観に行こう!と一気にテンションを持ち直し、先ほど後にしたばかりのEARTH STAGEへと戻ることにした。こうしてようやくわたしの『COUNT DOWN JAPAN 18/19』が幕を開けたのであった。

 

ちなみにここまでは前フリであり、ここからが今回のエントリーの本題です(相変わらず本題への導入が長い)。ここからは例によって、当日観たアーティストについて感想を書いていこうと思う。

 

・岡崎 体育

わたしの『岡崎体育』に関する知識は、今でも実家に住んでいることと、2019年の体育の日にさいたまスーパーアリーナでの公演が決定しているということぐらいであった。彼の楽曲に関しては、何となく聴いたことがあるかなぁ……程度のもので、1曲まるまる耳にしたことはない。彼はときどきBUMPに関してのツイートをしているので、きっとBUMPファンなのであろう。それだけで彼への好感度は3割増しだ。

リハに登場した岡崎体育は、いきなりBUMPの『天体観測』を歌い、それどころかサビを客に歌わせ、想像通りの“おもしろい兄ちゃん”といった感じだった。あさイチでの好印象を裏切らない感じの良さ。一気に好感度アップだ。「岡崎体育、わたしは今朝のあさイチも見ましたよ……」と完全に身内的な感情を抱きながらリハを見守った。

本編は軽快なMCを交えてのステージで、ミュージシャンというよりは限りなく芸人寄りのミュージシャンといった感じだった。中でもパペットのてっくんとのデュエットである『FRIENDS』のパフォーマンスはロックフェスとは思えない癒し空間を演出していた。個人的には同曲の〈「おいおい、それは言わないお約束」「はは、いけねっ!言わないお約束」〉部分のてっくんと体育くんとのやりとりは、何度目にしてもほんわかしてしまった。最終的には金の話というオチもあるのだが、それでも何だかとても良かった。同じくてっくんが歌う『キャラクター』という曲も最後の最後にオチがあり大いに笑った。

また、『鴨川等間隔』という曲はわたしが抱いていた岡崎体育のアーティスト像をいい意味で裏切る曲であり、「岡崎体育ってこんな感じの曲も作っていたのか……」と驚いた。ぶっちゃけイロモノアーティストだと思っていたので「申し訳なかった!」と反省した。やっぱり人気のあるものには多面的な魅力があるものなんだなぁ……

彼のさいたまスーパーアリーナ公演へのアツい想いは、以前、彼のブログでも目にしていたので、そのアツさを直に感じたときにはグッときた。

岡崎体育、確かにブサイクだったけどかっこ良かったぞ!!!!

 

 

さて、岡崎体育を観るにあたりEARTH STAGEへ足を踏み入れた訳であるが、リハが始まる前であったこともあり場内はそこまで混雑していなかった。この手のフェスに足を運んだ方ならご存知かもしれないが、実はこれ系のフェスで前方エリアに切り込むことは実はそれほど難しくはない……と、個人的には思っている。

さすがにセンターブロックでの前方エリアはそこそこの気合が必要かもしれないが、左右のブロックであれば前方エリアへも気軽に切り込んでいける。なので、わたしも人々のあいだを進んで、そこそこの前方エリアを確保することができた。「お、案外すんなり前に来てしまったぞ」と、すっかりその気になってしまったわたしは「このまま徐々に進んでいけばBUMPまでに最前に行けるのでは……」と思ってしまった。思ってしまったが最後、その欲望を止めることは難しい。こうして、その日、わたしは19:30からのBUMP OF CHICKEN出演までをEARTH STAGE1本で過ごすと決めたのであった。

 

 

ヤバイTシャツ屋さん

バンド名がインパクト抜群の通称『ヤバT』。以前、たまたま行ったネイルサロンで彼らの楽曲『ハッピーウェディング前ソング』のMVを目にしたことがある。お祭り感あふれる映像も去ることながら、強烈な印象を残したのはその明け透けな歌詞だった。〈入籍してみたらええやん 多分2年以内に別れると心のどこかで思っているけど秘密にしておくね〉。最高過ぎる。もしもわたしが参列した披露宴でこの曲を流されたら、その瞬間、全力でその夫婦の幸せを願ってしまうだろう。ここまでぶっちゃけた歌詞はあまりにも新鮮で、あの時に受けた衝撃は今でもハッキリと覚えている。

さて、そんな彼らのパフォーマンス。めっちゃくちゃに盛り上がってました。ヤバT、めっちゃくちゃに若者に人気があるバンドだった。人気あるんだろうなぁ……とは思っていたけどあんなにも人気があるとは思っていなかったのでビビった。もうすごい、あっちもこっちも客がノリノリにノリまくってる。勢いのあるバンドってこういうことかー!!!!!って思うぐらいに圧倒的に盛り上がっていた。すごいわー……途中、機材トラブルなんかもあってヒヤッとする瞬間もあったけど、そんなの気にならないくらいに盛り上がっていたと思う。オーディエンスを巻き込んで味方にしてるライブだなぁ……と何だか感動してしまった。いやーすごかった。あと紅一点のありぼぼさんが、ステージを縦横無尽に走り回っていて可愛かった。最後に念願の『ハッピーウェディング前ソング』を聴けたのはめちゃくちゃ嬉しかったです。

 

▼最高の『ハッピーウェディング前ソング』MV

 

 

東京スカパラダイスオーケストラ

最ッッッッ高だったぜスカパラ!!!!!!!!!

もう最初から最後までノリノリで踊り倒した。実はヤバT終わりで幸運にも上手エリアの最前列をゲットでき、遮るものは何もない視界良好状態でスカパラを楽しむという、マジで最高すぎる時間を体験できたのだ。隣りにいらっしゃった女性(わたしと同じボッチでの参加と思われる)はスカパラ目当ての方だったようでノリノリで踊っていらっしゃった。そんな彼女に触発され、こちらもノリノリで楽しむことができた。やはり、ライブでの周りの環境は重要である。そんでもってやっぱり『銀河と迷路』はどうしたって嬉しくなっちゃうよね~。あの曲が主題歌だったドラマが大好きだったんだよ……。そんでもってこれも毎度思うことだけどドラム叩きながらステキ笑顔で歌う茂木さんマジですごい。人間技じゃねーよあんなん。どんな仕組みでどうなっているんだろうか、あの身体。本当にすごい。

あと、これは今回のライブを観て発見したことなのですが、ギターの加藤隆志がハチャメチャにセクシーギタリストであった。汗ダラッダラでギターを弾き狂ってる様が最高にカッコ良かった。あんなん惚れるわ。危険危険。ギターのボディが今までのキャリアを感じさせるような傷み方してるのも個人的には爆アゲポイントだったのだけど、果たして理解されるだろうか。ちょっとダメージ受けてる楽器弾いてるバンドマンってカッコいいよね。

やっぱりスカパラは一度ワンマン行ってみたいと改めて思った。

 

 

Mrs. GREEN APPLE

先述の『ヤバT』に続き「人気あるんだろうなぁ……とは思っていたけどあんなにも人気あるとは思っていなかったのでビビった」シリーズ(長い)。めっちゃくちゃ人気あるんだなぁ……。後ろにいた若者女子がキャーキャー言ってて凄かった。ライトセーバー的な光る棒が何本も立てられたステージは、何やらオッシャレ~な雰囲気で素敵だった。ドラムスの山中綾華が光るドラムスティックを使っていて、それがステージ上に立てられた光る棒と同じオレンジ色の光を放つタイプのやつでチームラボ感が凄かった。

それにしてもボーカルの大森元貴、めちゃくちゃ歌うまかったわー。めちゃくちゃキレイに伸びるハイトーン最高だった。あれだけスーーーーッと高音出たら気持ちいだろうなぁ。彼はきっとマイケル・ジャクソンを歌ったらめちゃくちゃハマると思いますがどうですか?なぜか強くそう思う。彼らのパフォーマンス中もフロア全体が踊りまくってた感ありました。特別興味なくても、そのバンド名を耳にするくらい勢いあるバンドって、当たり前だけどパフォーマンスからも『いま、俺たち勢いありまっせ!!!』感がすごい。説得力があるパフォーマンスだった。これはもうめちゃくちゃ申し訳ないことなのだけど、実は彼らに対して「何だよオシャレぶったバンド名でいけすかねぇ」とか特に理由もなく何となく食わず嫌いで避けてたんだけど、ライブを観て心の底から過去の自分を恥じました。あれはすごいわ。あんな強烈な歌声を生で聴いたら、そりゃスゲーわ!!!ってなるよ。反省反省……。

 

 

スキマスイッチ

わたしの記憶が確かならば、前回参加した『CDJ15/16』ぶりのスキマスイッチ。何度聴いても『全力少年』はブチ上がってしまうなぁ。学生のころ、通学しながら聴きまくった曲なので、人生の応援歌として記憶の深い部分に刻まれている曲。CDJって若いお客さんが多いのに『全力少年』はそんな子たちもめちゃめちゃ盛り上がっていて、昭和生まれのわたくしはそんな会場の雰囲気にもグッときてしまった。世代が変わっても人々の心に何かを残し続ける曲ってあるんだな、みたいな。

あとやっぱり『奏』は強い。あのピアノのイントロが流れ始めた瞬間の、会場全体が「きた!!!」って一瞬息を飲んだように静かになって、そこから一気に場内が拍手に包まれた瞬間は鳥肌ものだった。楽曲の持つパワーを感じた。

途中、ボーカルの大橋さんがテンション上がっちゃってめちゃくちゃハードモードのコール&レスポンスを求めてきたときは「いくら何でもそれは無理だ!!!」と白旗あげそうになった。楽しくなっちゃったんだろうなぁ……。会社の飲み会で羽目を外している上司を見つめるような心境になってしまったのはわたしだけでしょうか。

 

 

BUMP OF CHICKEN

いよいよ大本命登場。スキマスイッチあたりからお客さんの量が一気に増えて、開演時間には完全に圧迫されるような状態に。やっぱり人気あるんだなー。わたしはどちらかというと身長が高いので、密集地帯でもどうにかできるけど、身長150cm台の人にとってはしんどいだろうなぁ。ステージも見えないだろうし。たまたま隣りになった女性(先ほどのスカパラ女性とは反対側にいた)が全身BUMPグッズで、さらに恐らくボッチ参戦と見受けられたので、持ち前のコミュニケーション能力を発揮して「BUMP目当てなんですか?」と話しかけ、開演までの時間を楽しく過ごすことができた。どうやら彼女は大学生で、ギターの増川弘明のファンらしい。わたし達がいたエリアは上手側の最前列で、増川弘明ファンである彼女にとっては最高の場所であっただろう。彼女に「ヒロ推しですか?」と聞かれ、予想もしない問いかけに「いやぁ……はははっ」という良く分からない返答をしてしまった。ミスチルに於いてはナカケー目当てに上手側を自分的良席としているけど、BUMPに於いてはその概念はなかった。とはいえ、ひとたび彼らが登場してしまえば、その多くの時間を藤原基央の挙動を見つめる時間に充ててしまったので、きっとそういうことなのだろう。PONTSUKAに於いては絶対的に増川弘明推しですが。

 

さて当日のセトリです。

2018.12.28 @CDJ18/19 EARTH STAGE

01. スノースマイル
02. 望遠のマーチ
03. 記念撮影
04. 話がしたいよ
05. ギルド
06. 虹を待つ人
07. 天体観測
08. ray
Ec.01 メーデー
Ec.02 ガラスのブルース

 

 

1曲目の『スノースマイル』から度肝抜かれたーーーー!!!!!!!まさかスノースマイルを演ってくれるとは……。とはいえ、思い返してみたら前回出演のCDJ15/16でも『スノースマイル』は披露しているんだよなぁ。

藤原基央が弾くあのイントロ最高だなぁ。あのイントロのアルペジオ4音を聴くだけでブルブルッと震えがきてしまうくらい大好きなイントロだ。情景を思い浮かべられるぐらいに具体的に描かれた歌詞も大好きです。冬になると必ず聴きたくなるよね。それをライブで聴けた喜び……。幸せだなぁ。

そこからは『望遠のマーチ』『記念撮影』『話がしたいよ』と最近リリースされた曲を立て続けに3曲。『望遠のマーチ』は思っていた以上にポジティブな雰囲気をまとった曲で、今のBUMPだからこそこれだけポジティブな曲もできるんだろうなぁと思ったりした。何というか、彼ら、以前より遙かにオーディエンスを信頼してくれてる感あるじゃないですか。いや、わたしが思っているだけかもしれないけど……。まぁこの手の話題になると古参リスナーと新規リスナー間で戦争が起こるのでやめておこう(以前、この手の話題についての想いを丸ごとぶちまけたら匿名でケンカ売られた苦い過去がある*1)。あと、わたし『記念撮影』のコーラス部分がめちゃくちゃ好き。なんかいいよね、あのコーラス。『話がしたいよ』に関しては、正直なところ、まだ自分の中で消化しきれていない。もっと何度も何度も聴いていくうちに見えてくるものがある気がする。とりあえず〈ガムを紙にぺってして〉部分の歌い方がめちゃめちゃ好きです。

さて、次の曲。わたしがCDJ18/19で最もテンションがブチ上がった瞬間を迎えることになった。そう、それは『ギルド』です。いやー、誰がここで『ギルド』演奏するって予想したよ!!?!?想定外過ぎて思わず「うわぁっ!!!!?」って声に出しちゃったよ。箱根駅伝のタイアップが決まったというニュースを目にして、もしかしたら『ロストマン』ワンチャンあるかも?とか思っていたけど『ギルド』はノーマークでしたわ。こんなタイミングで聴けるなんて……。『ギルド』には特別な思い入れがあるのでめちゃめちゃに泣いてしまった。そしてシンプルに「あーーーやっぱりBUMP好きだ」と思った。そこからの『虹を待つ人』『天体観測』『ray』の流れなんてブチ上がらない訳がないだろ!!?!ってくらい最強の並び過ぎて脳みそドロドロに溶けましたわ……。最高~~~~~~~~~~!!!!!って感想しか抱けなかった。マジで幸せ過ぎる時間だった。特に『ray』なんかはもうほんとうに大好き過ぎるからな!?仮に1本のライブでrayを5回演奏されたとしても、5回ともイントロの時点で「ウギャーーー!rayだーーー!!!!」って喜びのあまり飛び跳ねられるくらいには大好きだからな!?BUMPのライブに行く目的の30%くらいはrayを聴きに行くみたいなところあるからな!?今後もrayだけはmustでやってくれ……!

わたしはベースの直井が楽しそうに演奏している姿にめっぽう弱い。彼があまりにも楽しそうに演奏しているので、それを見るたび「あぁなんて幸せな空間なんだろう……」と思って嬉しくて泣いてしまう。この日も『ray』演奏中の彼に何度泣かされたことか。ほんっとうに楽しそうに演奏するんだよなぁ……。

 

▼現時点で最新の『ray』

 

そんでもってアンコールの『メーデー』である。わたしのためのセットリストか?誰に菓子折りを贈ればいいのか。藤原基央か?そのうえまさかのダブルアンコールで『ガラスのブルース』。燃え尽きたよ……。最高の1日とはまさにこの日であった。最高の年末だ。ありがとうBUMP、ありがとうCDJ藤原基央が相変わらず最後に最高のMCを放っていったのだけど、それを一言一句思い出すことは不可能なので、どうしても気になる方がいたら各自でググってみてくれ。彼のMCは、言葉と言葉の間とか言葉尻とかが変わるだけで、その意味が大きく変わっちゃうみたいな部分が多いので、わたしの残念な記憶力では完全体でお伝えすることができないです。でも最高だったことは覚えているよ!

 

振り返ってみれば2018年はライブ初めもライブ納めもBUMP OF CHICKENでした。なんて幸せなんでしょう……。2019年もたくさんのライブに足を運べますように。いつだって事件は現場で起きているんだ。

 

▼直近のBUMP OF CHICKENライブ感想

【BUMP OF CHICKEN】PATHFINDER 10/8-9 静岡公演に行ってきました。

BUMPライブ感想_ツアーPATHFINDER 12/16 石川公演

BUMPライブ感想_PATHFINDERツアーを終えて。

 

 

そんなこんなでBUMP OF CHICKENのパフォーマンスで全てのエネルギー使い果たしたわたしは、終演後に若いお嬢さんたちのカメラマンを2組ほど務め、帰路に着いた。到着してから会場を後にするまで水しか摂取せず、フェス飯はおろか味がする飲料すら口にしなかったのだけど、後悔はない。フェスの楽しみ方は十人十色だ。わたしの場合は、どんなに事前に計画を立てていたとしても好きなバンドを目の前にすると、結局のところ「少しでも近くでその空間を味わってみたい」という欲には勝てないんだということをここ数回のフェス経験で学んだ。わたし、フェスだとどうしても前方に切り込んでしまう。盛り上がってるオーディエンスの渦中の人になりたくなってしまう欲を止められないのだ。

 

 

余談。

CDJで全てのエネルギーを使い果たしたわたしは、翌29日見事に体調を崩し、平成最後の年末はアルコールを一滴も飲まずに年を越した。そして、その時の風邪の余韻を何となく感じつつ、間もなく仕事始めを迎えようとしている。

 

今年もたっくさんライブに行くぞーーーーー!!!!!!

まずは2月にThe Birthdayを観に行きますよ~!(注:仕事を定時で終わらせられれば)

 

 

 おわり。

 

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*1:ケンカ売るならせめて反論できる形式でケンカ売ってくれ。言われっぱなしだとこっちはストレス溜まる一方だぜ!!!?

The Birthday TOUR 19 NIGHTS 2018 AUTUMN 中野サンプラザ公演感想

The Birthday 中野サンプラザ公演


ぶっちぎりで優勝だった。何がってチバユウスケ(敬称略)のカッコ良さです。

もともと感情表現に関する語彙力の乏しいわたしは「ヤバい」をとにかく多用する。いい大人がそんな言葉でしか感情の起伏をアウトプットする術を持たないなんて、やや恥ずかしいなと思っているのだが、その「ヤバい」という言葉ですらカバーしきれない領域の感情を抱いたとき、どうやらその想いを表現するにピッタリの言葉が「優勝」であることを知った日だった。

 

前回の更新でマグロック2018での衝撃のThe Birthdayライブ初体験を書き(想像以上にたくさんの方に読んでいただきとても嬉しかったです)、それに続くエントリーがまたもThe Birthdayのライブの感想という時点で、わたしの沼具合が伝わるであろう。それはもう頭から爪先までずっぽしと、チバユウスケの魅力にハマりきっているのです。

ということで今回は2018年11月29日に中野サンプラザで行われた『The Birthday TOUR 19 NIGHTS 2018 AUTUMN』最終公演の感想を書いていこうと思う。

 

▼ちなみにこれまでに書いたチバユウスケ関連の記事はこちらをご覧ください。

日記_転職・ap bank fes・ミッシェルのこととか

日記_在宅夏フェスとかカメ止めとかチバユウスケとか

The Birthdayのライブを初めて観た_『マグロック2018』感想

 

その日は定時までしっかり仕事をこなし、会場である中野サンプラザに到着したのは18時40頃。定時まで仕事をしても19時開演のライブに行けるなんて……。交通アクセスに恵まれた都内で働いていることに改めて感謝した。The Birthdayのワンマンライブは初めてだったので、そして会場である中野サンプラザ規模のホールライブに行くのも久々だったので、少しばかり緊張していた。今回に限ったことではないが、ライブ開演前ってなんであんなにも緊張するのか……。自分がステージに立つ訳でもないのに無駄に緊張してしまう。

ファンの年齢層は、やや高めといったところか。「こんな人がロックバンドのライブに来るのか」といった年齢層と思える方々も多く、改めてチバユウスケクハラカズユキのキャリアの長さに想いを馳せるなどした。好きなアーティストと同じ時代を同世代として過ごせることはどれほど幸せなことだろうか。人生に於いてそんな経験ができることを少し羨ましくも思ったりした。

 

多くのファンと同じく、会場内に貼られた今ツアーのフライヤーを撮影し、まだ時間的に余裕があったので物販エリアへ。光の速さで当初の予定を大幅に予算オーバーするグッズを購入した。ライブの物販エリアには財布の紐をガバガバにする魔法があると思う。タバコも吸わないのにライターセット(500円)まで買ってしまった……。(帰宅後、喫煙者である父へのお土産としました)

 

今回の会場である中野サンプラザは1階席と2階席からなるホールである。わたしの座席は2階席の最後列ほぼセンター(しかも右隣が通路で最高)といった場所だった。チケット発券後に印字された座席番号をサイトで確認した際には「席運わるっ!!!」と落胆したものだが、ホールということもあり、結果としては、ワンマン初体験にはなかなか素晴らしい席だった。何といってもチバユウスケを真正面に拝める席である。最高だ。

ステージ上部にはカーテンのようなものがあり、まるでオペラ劇場のような雰囲気。オペラ劇場なんて行ったことないが、とにかく何やら金持ちっぽい雰囲気の内装だった。天井からはミラーボールが吊り下げられており「もしやライブ中にあのミラーボールが回転したりするのだろうか」とワクワクした。

 

 

開演時間である19時を5分ほど過ぎて、いよいよ、その時がやってきた。

場内が暗転し、彼らの登場曲である『16 Candles』が大音量で流れる。この時点でわたしのテンションは完全に振り切れ、なんとか声が漏れないように口元をタオル(物販で買ったもの)で覆った状態で思わず「うわぁぁぁ」と声を出していた。

最後に登場したチバから放たれる存在感は、会場最後列から見ていたわたしにも十分に伝わってくるほどに圧倒的だった。何なんだあの圧倒的王者感。一種の怖さすら感じるほどに凄まじい存在感。一気に熱気を帯びる場内の雰囲気に、全身がビリビリするほどに興奮した。

 

当日のセットリストがこちらです。相変わらず残念な記憶力なので、ネットから拾ってきました。

The Birthday セットリスト@2018.11.29 中野サンプラザ

01.THE ANSWER
02.ホロスコープ
03.STAR SUGAR BOAT
04.夢とバッハとカフェインと
05.VICIOUS
06.I KNOW
07.抱きしめたい
08.さよなら最終兵器
09.愛でぬりつぶせ
10.ダンス・ナンバー
11.VINCENT SAID
12.24時
13.TWENTY FOUR
14.なぜか今日は
15.1977
16.FLOWER
17.青空
Ec.1
木枯らし6号
涙がこぼれそう
Ec.2
くそったれの世界

 

さて、ここからは全曲事細かに感想を書き連ねていこうと思う。相当な文字量とウザいくらいの熱量になってしまいそうだけど、どの瞬間も端折るのが惜しいほどに優勝だったので、あの感覚をどうしても書き残しておきたいのです。

 

 

01.THE ANSWER

チバがギターを掻き鳴らした瞬間の、あのゾワゾワとした感覚は、いま思い出してもニヤニヤしてしまう。めちゃくちゃにカッコ良かった。なんていうかもう本当に腹の底から「ウオオオオオオオオオオッッ」て叫び出したいほどの興奮。ついに念願のThe Birthdayワンマンライブの始まりである。

 

02.ホロスコープ

わたしは『ホロスコープ』の冒頭の歌詞がとても好きだ。

《少年とナイフの相性は めちゃくちゃバツグンで120》

歌詞自体は文章としてまだ続いていくのだけど、この冒頭のワンフレーズのカッコ良さは異常である。実は、毎日彼らの音楽を聴いているとはいえ、まだまだ曲とタイトルがリンクしきれていない。そんな感じなので、チバが先述した冒頭部分を歌いだした瞬間に「これは歌い出しが最高のやつだ!!!!」とそのまんまやないか的な感情を抱き、テンション爆アゲだった。この歌い出し、素晴らしくないですか?めちゃくちゃカッコ良い。何がそんなにわたしの心にクリティカルヒットしているのか、冷静に考えてみてもサッパリ分からないのだけど、とにかくこの歌い出しが途轍もなく好きです。めちゃくちゃにチバユウスケな詞だと思う。

 

03.STAR SUGAR BOAT

最新シングル『青空』に収録されている本作。ライブで演奏される光景を目の当たりにして、底抜けにポジティブな空気をまとった曲だと思い至った。この曲が演奏されだした頃から、会場内の熱量が一気に上がったように感じる。それはもう最後列から場内のオーディエンスを見ていてもハッキリと分かるくらいに感じ取れた。サビに差し掛かった瞬間、両手を突き上げる客の多いこと多いこと。分かる、分かるぞ。あの瞬間を最後列で見ていたわたしにはとても良く分かる。この曲には、沸き上がった衝動を行動に移させる魔法があったよな……。

 

04.夢とバッハとカフェインと

タイトルのインパクトが強い。一度耳にしたら忘れないだろってくらいタイトル勝ちの1曲。『夢とバッハとカフェインと』というタイトルは、彼が今まで生み出した楽曲の中でも上位に食い込めるほどにタイトルそのものから溢れ出るチバユスウケ感が凄まじいと思うのですが、どうですか?サビ終わりのヒライハルキによるベースソロ(というのだろうか)がハチャメチャにセクシーで堪らなかった。

The Birthdayというバンドはとにかく色気が凄まじいバンドである。初めて彼らのパフォーマンスを目にすると、それはもうヤバいくらいの色気に「エッロ……」と呟かずにはいられないほどに。今回も事あるごとに「エッロ……」と思ったのだが、本日最初の「エッロ……」ポイントは『夢とバッハとカフェインと』に於けるヒライのベースだったように思う。たぶん。

 

05.VICIOUS

以前からチバが「好きだ」と公言していた曲である。「チバが好きだと言っていた曲だぁー」と思いながら聴いていたらあっという間に終わっていたという印象しか残っていない。おそらく、当時のわたしはここまでの出来事に頭がキャパオーバーを起こし、軽く思考停止状態に陥っていたと思われる。残念すぎる。

 

06.I KNOW

めっっっっちゃくちゃにカッコ良かったんですけども!!!!CD音源で聴いていたときはそれほど印象に残っていなかったのに、ライブで聴いて一気に撃ち抜かれた。これぞライブマジックである。イントロから最高。優勝すぎた。チバとフジイケンジが向き合ってギターをかき鳴らすイントロは「なんじゃこりゃ!!!!」ってくらいに激シブ過ぎて脳ミソドロドロに溶けた。やっぱりバンド音楽を愛する者(わたしだ)にとってギターの音ってヤバい効果を生み出す劇薬だよな、と痛感した。もうなんか全身の血が沸騰したんじゃないかってくらいに一気に高まるあの感じ、最高でした。サビ部分で印象的なギターフレーズが入ってくるんだけどそれがもう本当に大好き。言葉で伝えられないからみんな聴いてくれ!!!!!!頼む!!!!!(動画再生開始1:25ぐらいから該当部分)

あと最後にチバが《I KNOW I KNOW》って歌うでもなく呟くんだけど、この世界であんなにもカッコ良く「アイノー アイノー」と言う男をわたしは知らない。

 

07.抱きしめたい

The Birthdayマイベスト10』というプレイリストを作ったら間違いなく選曲するであろう大好きな曲だ。いつかライブで聴きたいなぁ……と願っていたのだが、こんなにも早く叶ってしまうなんて。まさかここはユートピア

あまりの感激はもちろん、楽曲そのものの世界観も相まってめちゃくちゃに泣いてしまった。チバユウスケは多くの曲で『愛』を歌っている人だけど、こんなにもダイレクトにそれを歌われたら、そんなもん泣くに決まっている。言葉選びのひとつひとつが途轍もなくチバっぽくて、すごく好きだ。はぁ……思い出しても涙が出てきてしまう。楽曲の持つパワーが凄まじい。「それじゃ丸ごとよろしく!」って思ってしまえるくらいに頼もしい『愛』である。カッコ良いなぁほんとに……。

 

08.さよなら最終兵器

今回のライブで最も素晴らしいなぁと感じた演出は『さよなら最終兵器』のイントロでステージ後方に張ってあったスクリーンカーテンが落ち、デカデカとバンドロゴが登場したあの瞬間だった。タイミングが優勝ですよ。あまりのタイミングの素晴らしさに鳥肌が立つのが自分でも分かった。カッコ良すぎて笑いだしてしまうほどにすべてが完ぺき。優勝。

そんでもってこの曲である。テンション上げるな!っていうほうが無理。心の底から「たたた、たのしいぃ〜〜〜〜〜〜〜」って感じ。「オレはいまこの瞬間を生きてるんだ!」感が凄かった。チバが《お前に会えて良かったよ 心底 訳聞かれても 答えらんないけど》と歌った瞬間、今までのチバ体験が一気に頭を駆け巡り「わたしもチバに出会えて良かったよぉぉ」とおいおい泣いてしまった。心の底から「好きだ!」と思えるカルチャーとの出会いは本当に貴重だ。今年の春にチバユウスケというアーティストを知ることができたのは、いま思い返してみても本当に偶然の出来事だった。良かったよなぁチバユウスケの存在に気づけて。わたしはとてもラッキーだった。ありがとうチバユウスケ、ありがとう世界(思考が飛躍)。

ちなみに『さよなら最終兵器』初回盤のCDジャケットが数あるThe Birthday作品のCDジャケットの中で1番好きかもしれない。めちゃくちゃカッコ良い。

 

09.愛でぬりつぶせ

この曲も大・大・大・大好きな曲である。『抱きしめたい』『さよなら最終兵器』『愛でぬりつぶせ』の3曲は、この日のハイライトと言っても過言ではないくらいに堪らない並びだった。こんなにも立て続けに好きな曲を演奏されたら、あまりの喜びに窒息して死ぬ。それくらいに最高の並びだ。この曲もねぇ、歌詞がいいんですよ。四の五の言わずにかましてやれ感がめちゃくちゃカッコ良い。

チバユウスケは独特の世界観を持つ歌詞を生み出すことで多くの人々の心を奪い続けている。その魅力のひとつに『かわいらしさ』があると、わたしは常々思っている。彼はどちらかというと、いや、どちらかと言わなくてもガラが悪いほうのアーティストに分類されると思うのだけど、めちゃくちゃにロマンチックでかわいらしい歌詞を書くんですよ。この『愛でぬりつぶせ』の冒頭、《あの娘の肌に 俺の身体を こすり合わせて 地球の地図を ぬりかえるのさ》もめちゃくちゃにロマンチックでかわいらしい。どうしたらこんなにもかわいらしい歌詞が書けるのか……。あんなにガラが悪いのに愛する人への想いをこんな風に表現してしまうんだもんなぁ……(褒めてる)。

そして続くサビの歌詞も最高。《グチってばっかいねぇで 愛でぬりつぶせ》。強い、強すぎる。パワーワードすぎる。シンプルに「そうだよな、グチってばっかいちゃダメだよな」と思えた。

 

10.ダンス・ナンバー

ステージ上部にミラーボールが登場し、パリピ感があった。レインボーカラーの照明がガンガンに照らされる中でこの曲を歌いながら踊りまくるチバユウスケは圧倒的にセクシーダイナマイツだった。なぜチバのダンスはあんなにも色気があるのか。身のこなしがゆったりとしていて、腕をヒラヒラさせて、妙に艶っぽい。本日何度めかの「エッロ……」ポイントである。

 

余談だけど、今回のライブは本当に照明が素晴らしかった。『さよなら最終兵器』でバンドロゴが登場するまではメンバーの背面のスクリーンカーテンに、ことあるごとに彼らのシルエットが映し出される演出がなされ、それがあまりにも美しかった。あまりにも美しくて映画を観ているような錯覚に陥るほどに完成された世界観だった。他にも随所で左右それぞれから赤色と青色の照明で照らす演出が多用されていて、赤と青のダブルカラーで浮き上がるメンバーの姿はそれはもうカッコ良さが天井突き破っていた。世の中のすべてのバンドがライブの際に赤と青の照明を使うべきだ。

 

11.VINCENT SAID / 12.24時 / 13.TWENTY FOUR

この3曲については敢えてまとめて感想を書く。 なぜかって、それはもうこの3曲を演るチバユウスケがあまりにもセクシー過ぎたからである。何なんだあれ。色気の塊だった。観ているこっちが酔ってしまうくらいに色気がダダ漏れしていた。特に『24時』はヤバい。フジロックの配信を観たときも、マグロックで観たときも感じたことだけど『24時』を歌うチバから溢れる色気は異常だ。色気っていうか、もうエロ。エロですよあんなもん!!!年齢制限つけなきゃってくらい、そのまんまエロ。ハンドマイクのチバユウスケ、強すぎた。そんでもって続く『TWENTY FOUR』。ノリノリのチバユウスケ。ノリノリのわたし。ノリノリ過ぎて記憶が曖昧である。なんか《TWENTY FOUR オウ オウ》みたいな余韻を残した歌い方がめちゃくちゃカッコ良くて「カッケー!!!」と思ったことしか覚えていない。

 

14.なぜか今日は

あーーーーーーこれもヤバい。大好きだ。『愛でぬりつぶせ』同様に冒頭の歌い出しから最高すぎる。イントロが鳴り出した瞬間「ギャーーーーーー!!!」って感じでした。『なぜか今日は』を聴くたびに、月並みだけど「平和な世の中がいいよなぁ……」と思わずにはいられない。あと、個人的には新宿が登場するのも胸アツポイントである。都内で働く我が身にとって、今、もっともお世話になっている街は新宿だ。新宿いいよね……。

 

15.1977

この曲は、パンクロックへのオマージュ作品だとかつてどこかで目にしたことがある。だからだろうか。この曲を歌うときのチバは本当に幸せそうだ。観ているこちらまで笑顔になってしまうくらい本当に幸せそうに楽しそうに演奏し、歌う。チバがロックに出会えた喜びを楽曲を通じて会場全体にシェアしているような、そんなピースフルな時間が『1977』演奏中の中野サンプラザホールには漂っていた。それがほんとうにどうしようもなく幸せな時間で、楽曲自体は明るい曲なのに、泣けた。とにかくいろいろなことに感謝したくなるようなそんな幸せな数分間だった。ありがとうチバユウスケ、ありがとう世界(2回め)。

 

17.FLOWER

よっ!待ってました!!ボーカリスト フジイケンジの登場である。

彼が《真っ赤なRADIO》と歌いだした瞬間の、会場に溢れる「いいぞいいぞウチの子」感。そんなフジイを嬉しそうに笑顔で見つめるチバも印象的だった。いや、最後列なので、その表情までハッキリとは見えなかったのだけど、でもきっとあの瞬間のチバは間違いなく笑顔だっただろう。《忘れないで 君が思うほど この世界は それほど腐ってはない》とチバユスウケが歌うことの意味をしみじみと考えてしまい「あぁ、いい曲だな……」と改めて思った。歌詞の重みよ……。

 

18.青空

チバユウスケというアーティストが、どんなキャリアを重ねてきたのか。それを知っている人間にとって、彼が《悲しみはもう 捨てていいよ》と歌うことの意味はあまりにも大きい。それはもう泣くなっていうほうが無理である。当時をオンタイムで経験していないわたしでさえこのザマなので、当時を経験してきた長年のファンにとってその衝撃はあまりにも大きすぎたのではなかろうか……。そんなことを思ってしまった。

彼の楽曲には「青」という色が数多く登場する。未来だったり希望だったりを思わせるメタファーとして登場することがとても多い。それらの楽曲を歌うときのチバの脳内にはどんな「青」が広がっているのか……。学生時代から美術を学んできた身としては、そんなことにも想いを馳せた。

あと『青空』を演奏しているときのヒライハルキの色気が凄まじかったことも忘れずに記しておこう。わたし『青空』のベースラインがめちゃくちゃに好きです。

 

 

ここで本編は終了。少しのブレイクタイムを挟み、アンコールへと突入した。

 

Ec1.木枯らし6号 

演奏前のMCで「そろそろ吹くころかと思ってたのにテレビで今年は吹かないとか言いやがってよぉ」みたいな悪態をついてからの歌い出し。さすがである。とにかくご機嫌に歌うチバ、最高である。

 

Ec2.涙がこぼれそう

ついに聴くことができた念願の1曲。ついに念願の「今日は◯◯でお前らと一緒だ!」を聴くことができた。嬉しい。歌い出しで客席を煽るチバも、途中でコーラスを煽るチバも最高に楽しそうで、幸せそうで「この時間がもっと続けばいいのに……」と思わずにはいられなかった。戻りたい、あの時間。

 

 

ここでアンコール終了。さて帰るか、と思ったのも束の間。どこからともなくアンコールを促すクラップが。まさかのダブルアンコールである。さすがファイナル、客の気合いもハンパなかった。

 

 

Ec3.くそったれの世界

数分ののち、再度メンバーが登場。最後に登場したチバはゆったりとした足取りでドラムのクハラの後ろを通り過ぎ、ステージ上手ぎりぎりへ。片手に持ったお約束の缶ビールを高々と掲げる。その後、またゆったりとした足取りで下手へと移動し、こちらでも高々と缶ビールを掲げる。最後はセンターに立ち、缶ビールを高々と掲げる。

チバが缶ビールを掲げるたびに歓声が上がる場内。まるで王様と群衆のようだな、と思った。『王の帰還』みたいな。

沸き上がる場内に静粛を促し、マイクを通さずに《とんでもない歌が 鳴り響く予感がする》と歌い出した瞬間の圧倒的存在感よ……。マジでとんでもない。歌詞そのまんま過ぎる瞬間が目の前で繰り広げられるあの光景は、本当に堪らない。こんなにもドンピシャな作品を良くもまぁ作ってくれたものである。大感謝だ。

 

先述したとおり、チバユウスケは多くの作品で『愛』を歌ってきた。そして、なにかの媒体でメッセージを発信する際には、その多くが『with LOVE』という言葉で結ばれている。こんなにも『愛』について表現してきた人が『くそったれの世界』というタイトル曲のなかで《I LOVE YOUは最強》と歌ったら、それはもう正解以外の何物でもない。こんなにもどストレートに《I LOVE YOUは最強》と歌われたら、それはもうその通りなのだ。だから、どんなにくそったれの毎日でも、やっぱりわたしはわたしの人生を愛してあげたいなぁと思えたし、人であれ物であれ体験であれ、愛する対象をたくさん持った人間でありたいと思えた。

めちゃくちゃポエムっぽいけど、でも、それが素直な気持ちだ。グチってばっかいねえで愛でぬりつぶすのだ。

 

 

以上が、The Birthdayのワンマンライブを初めて体験した感想です。 

ここまで長々と書き連ねてきたが、やっぱりThe Birthdayというバンドの魅力をズバリ端的に表す言葉は「カッコ良い」以外にはあり得ないだろう。あれこれと言葉を並べてもやっぱり彼らに一番ピッタリとくる言葉は「カッコ良い」である。

他にも、演奏中にドラムスティックを飛ばしてしまったクハラが流れるような動作で新たなスティックを持ち直す様がめちゃくちゃに職人ぽくてカッコ良かったこととか、アンコールで登場したヒライハルキが素肌にパーカーを着ていたらしいのに最後列の席ということでまったく気づけなかったこととか、フジケンのギターで何回も痺れて「フジケン最高だーーー!!!!」って高まったこととか……。

その圧倒的なカッコ良さは、何度観ても慣れることはなさそうだ。現に、この日だって曲が終わるたびに何度「かっこよぉ……」と呟いていたことか。声に出さずにいられないほどに彼らのカッコ良さはずば抜けている。観れば分かる。

次はライブハウスで演奏する彼らを観てみたい。

 

 

チバが「中野はデカいと知っている」等、例のごとくやや謎気味のMCを放ったりもしたのだけど、それも含めチバユウスケの魅力なのでオールオッケーだ。とにかくチバユウスケはどの瞬間もめちゃくちゃカッコ良かったし、めちゃくちゃロックだった。たぶん、わたしがぼんやりと思い浮かべる『ロック』という概念を人間として描き出せば、そのままチバユウスケになるのではないかと思えるくらいに、わたしの中のロックはそのまんまチバユウスケである。

ちなみにThe Birthdayは2019年2月13日に新譜をリリースするようなので、とても楽しみだ。

 

 

最後に、ライブ終演後に放たれた公式のツイートを貼ってこのエントリーを終わりたいと思う。The Birthdayファンに激震が走った衝撃の1枚(写真2枚め)にはチバユウスケの魅力がこれでもかと集約されている(と思う)。

 

 

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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The Birthdayのライブを初めて観た_『マグロック2018』感想

マグロック2018

今年の夏前にチバユウスケというアーティストに出会い、あっという間にその魅力の虜になって早数ヶ月……。

 

▼それらの日々についてはこちらをご覧ください。

日記_転職・ap bank fes・ミッシェルのこととか

日記_在宅夏フェスとかカメ止めとかチバユウスケとか

 

そんなチバがフロントマンを務めるThe Birthdayのツアーが今月から始まる。幸いなことにツアーファイナルとなる中野サンプラザ公演のチケットをゲットしたので、それはそれは浮かれまくりで日々を過ごしていたのだが、ふと思った。果たしていきなりワンマンであの憧れのチバユウスケを目の当たりにして大丈夫だろうか……と。

「大丈夫だろうか……」とは、何がどう「大丈夫だろうか……」と不安に思ったのかというとそれはもう自分でもよく分からない。とにかく「大丈夫だろうか……」と思ったのです。もしかしたら自己防衛的な本能が働いたのかもしれません。

 

あとは単純に先述のツアーファイナルがある11月まで待てない、というのも理由のひとつだった。ここ数年は『何ごとにも終わりがある』ということや『ある日突然終わりが来ることもある』ということを実感する出来事がほんとうに多い。それはエンタメの世界でも同じである。今日、今この瞬間に愛しているバンドが明日も必ず音楽を奏で続けているかどうかなんて誰にも分からない。だからこそ、観たいライブや聴きたい音楽があれば、可能な限り足を運ぼうと思いながらここ数年は狂ったようにライブに行きまくった。

 

The Birthdayは今年の夏、あちこちのフェスに出演していた。幸運なことに今年はフジロックが生配信され、わたしも彼らのフジロックでの演奏をオンタイムで観ることができた。それは想像どおりにめちゃくちゃにカッコ良く、あまりのカッコ良さに笑っちゃうくらいカッコ良かった。そして思った。「もういっそのこと彼らが出演するフェスに行っちゃえばいいのでは?」と。

思い立ったが吉日。さっそく今からでもチケットが手に入るイベントをネットで検索した。その時点で公演前だったのが『AIR JAM』『たとえばボクらが踊ったら』『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018』そして『マグロック2018』だった。

グロック静岡県清水市で開催される。静岡ならば日帰りで行ける。しかもチケット代は7500円(ドリンク代500円別途)となんともお手頃であった。

そんなこんなで公演日1週間前にチケットを確保し、行きの新幹線を手配し、台風の心配やらなんやらありつつ当日を迎えたわけである。

 

 

・初めての『The Birthday』、初めての『チバユウスケ

それはもうめちゃくちゃにカッコ良かった。ライブ中は終始「カッコいい」と呟いていた気がする。一挙手一投足どの瞬間も見落としてはいけない!というぐらいにわたしの視線は終始チバユウスケのみに注がれていた。それぐらいに圧倒的だった。

 

当日のセットリストです(ネットで拾ってきた)。いい加減セトリぐらいは覚えていられるようになりたい。

The Birthday セットリスト@2018.10.7 マグロック

01.くそったれの世界

02.THE ANSWER

03.LOVE GOD HAND

04.カレンダーガール

05.24時

06.LOVE SHOT

07.なぜか今日は

Ec.ローリン

 

今年の夏フェスでは一曲目に『くそったれの世界』を歌うのが定番化していたので、もちろん今回のマグロックでもそうなのだろうと思い、心の準備はできていたつもりだった。「つもりだった」と書いたのは、結局、その瞬間、心の準備などまったく意味のないものだというくらいチバユウスケの存在に圧倒されてしまったからだ。マジで本当に心の準備ってなんだよ、というくらい何も準備できていなかった。

 

ここで『くそったれの世界』という作品をご存じない方にはこのMVを見てほしい。

 

 

そう。『くっそたれの世界』はチバユウスケのアカペラ始まりの曲なのだ。

考えてみてほしい。自分が大好きなアーティストの歌声を初めて生で聴く日。それが、他の何の音に重なることもなく耳に届くのだ。なんて贅沢なことだろう(おまけに歌い出しの歌詞が《とんでもない歌が 鳴り響く予感がする》なのも最高すぎる)。ここ最近、通勤のお供はチバユウスケ一色のわたしである(今週は『重力と呼吸』も同じくらい聴いてるけど)。毎朝、毎晩、毎日、それはもうオーバーでも何でもなくここ最近一番耳にしている歌声は間違いなくチバユウスケの歌声だ。それがいま、ダイレクトに耳に届いているのだ。こんなにも幸せな『初体験』はそうそうない。しかもその人物は、いま、目の前に立っている。そうなのだ、なんと幸運なことに、当日その瞬間をわたしは最前列で迎えていた。

もう一度、書こう。わたしはThe Birthdayのライブを最前列で目撃したのだ。ヤバいだろ。最前列だぞ。ライブに行ったことがある人なら必ず一度は夢見るであろう「いつか自分も最前列で推しのライブを観てみたい」という想いがまさか突然叶う日がくるなんて……。 

わたしは彼らの演奏中、ほぼ、チバユウスケとドラムのクハラカズユキを観ていた記憶しかないのだけど、いま、冷静に思い返してみて気がついた。自分の視界にはチバとクハラしか収まりきらなかったのではなかろうか、と。最前列であるがゆえに、視界がギターのフジイケンジやベースのヒライハルキまで収められずにいたのかもしれない。

 

だからもう、チバがステージに登場してギターに潤滑剤スプレーしてるところとか、ピックを投げ捨てるさまとか、あの独特のステップで踊っているときの足の動きとか身のこなし方とか、マイクのケーブルの捌き方とか…etc。とにかく彼の動作のすべてがはっきりくっきり見えたのだ。そしてクハラカズユキのカウントを取る声も、マイクを通していないその声も、ハッキリくっきり聴こえたのだ。フジイケンジがギターソロを弾いているときに俯きながらも「ニヤリ」とするチバの笑顔が見えたりもしたのだ。

あーーーーーーーーーやばい!!!!!語彙力の喪失とはまさに今だ。見て、聴いたものをただそのまま文字にすることしかできない。それに対しての自分の感情を端的に表す語彙がわたしにはまったくない。「ヤバい」としか吐き出せない。とにかくそれくらいに圧倒的だった。頭の悪い感想になってしまうが、ほんとうに、チバユウスケは存在そのものが『とてつもなくロック』であった。「じゃあロックって何ですか?」と聞かれたら、それはわたしにもよく分からないのだけど、それでもチバユウスケがめちゃくちゃにロックである、ということは自信を持って言える。彼を指して「あれがロックです」と言われれば「たしかにそうですね」と納得させることができるほどに彼は存在そのものが『とてつもなくロック』だった。

『カレンダーガール』を気持ちよさそうに歌う穏やかなチバも、『24時』を鋭利な刃物のような雰囲気をまとって歌うチバも、『LOVE SHOT』の《Rumble Rumble Rumble Rumble Cowgirl》部分を巻き舌ぎみに歌うチバも、そのどれもが今まで何度も画面越しに見てきたチバユウスケだった。思い描いていたとおりのロッカー・チバユウスケそのものだった。すごい。こんなにも思い描いていたとおりのそのまんまだったなんて……。理想的なロッカーじゃないか。

 

実は、その日、The Birthdayの前にいくつかのバンドの演奏を見ていて思ったことがある。The Birthday以外のバンドはおそらく20代から30代前半の方が大半を占めていたと思うのだけど、彼らの多くはそのアツい想いを演奏はもちろんMCというかたちでもわたしたち観客に届けてくれていた。わたしは、大変申し訳無いのだけど、今回のマグロックに出演したバンドにはそれほど詳しくなく、どのバンドも(The Birthday含め)今回初めてライブを観るという状態であった。そんな感じだったので、1発めのキュウソネコカミ(キョネンオオトリ名義での出演であったが)以外には音源もまともに聴いたことがなかった。なので彼らの演奏には新鮮な感動や刺激を覚える一方、「MCめちゃくちゃしゃべるんだな」と思った。いや、言っても、わたしが普段から頻繁に足を運んでいるMr.ChildrenBUMP OF CHICKENもそこそこMCが多いバンドなのかもしれないけど、彼らのライブに行ってるときってやっぱり自分自身もいちファンが故にいろいろと盲目じゃないですか。当事者的な立ち位置というか。でも、今回のように、楽曲を聴くのもパフォーマンスを目にするのもほぼ初めて、みたいな場にいると、良くも悪くも一歩引いた目線で感想を抱きがちになるわけだ。そういった中で「きっとこのMCのアツさが若者の共感を呼んでいるのだろうな」とか「このバンドのガチ勢だったら号泣してるのかな」とか考えてしまうわけだ。で、気づいた。そういえばチバはその手のMCを一切しないな、と。でもまぁチバは先日50歳になったし、そういうアツさみたいなものを表現する年齢はとうの昔に過ぎたのか、というとそうでもない。わたしが知る限り、チバはミッシェルの頃からその手の想いや主張みたいなものをMCで語るということをほぼしていないのだ。もしかしたら「カッコイイ曲ができたから聴いてくれ!」ぐらいのことは言っていたかもしれないが、その曲にどんな想いを込めたとかそういった類の主張はほぼしていないアーティストではなかろうか、と。それどころか、インタビューなんかでその手の話題を振られても「そう思った」とか「その時そう感じた」とか、明確な答えを出すことから敢えて避けている感もある。先日出演した音楽番組でも新曲について「歌詞を見れば言いたいことは書いてある」的なことを言っていたし……。

MCで想いを観客に伝えることがいいとか悪いとかそういう話ではなく、楽曲に込めた想いや主張を特に何も語りはしないチバユウスケも、わたしにとっては存在自体が十分に雄弁であるなぁと思えたのだ。これはもう完全にファンの欲目だろうけど、それぐらいチバユウスケはすべてが圧倒的だった。根っからのロッカー過ぎた。

そんなことを頭のすみっこで考えながら相変わらず「カッコいい」と思わず呟いたり、コール&レスポンスに応えたり、後ろからめちゃくちゃに押されて「圧死する人ってこれの何十倍の圧力で押されたりしたのだろうか…」とか考えながら『なぜか今日は』でチバが《なぜか今日は殺人なんて起こらない気がする だけど裏側には何かがある気もする でも なんか今日は でも きっと今日は》なんて歌っている姿に、めちゃくちゃ胸を打たれたりしていた。ほんとうに心の底から「平和な毎日がいいよなぁ……」と思った。

 

あっという間に7曲を歌い上げ、チバはステージから去っていった。あまりにもあっという間過ぎて「もう終わり!?」と驚いていたら観客からアンコールを求める手拍子が起こった。そうか、トリだとアンコールというものが期待できるのか!!!

拍手が続くことほんの数分、クハラカズユキがふたたび登場。登場するやいなや、ハチャメチャにカッコいいドラムソロを披露している。なにこれカッコいい!!!!!超カッコ良い!!!!!それに続くかたちでほかメンバーも再登場。案の定チバは缶ビールを片手に持っていた。

アンコール前、チバが一言何かを言って、それがめちゃくちゃにカッコ良かったのだけど、何を言っていたのかすっかり忘れた。たしか、アンコールで演った『ローリン』に絡めたことだったと思う。ニュアンス的にはロックしようぜー!的なことだった気がするけど、何しろすっかり忘れたので当てにならない。でも、そのMCにも「めちゃくちゃロックンロールだ!!!!!」と大いに感動したことだけはハッキリ覚えている。

アンコール中のチバはほんとうに楽しそうに嬉しそうに歌っていた。サビ部分で観客の合唱が起こるとほんとうに嬉しそうにニコニコしていた。その笑顔がとてもステキで「あぁいいなぁ…ほんと最高だな」としみじみ思った。やっぱり自分が好きなアーティストには楽しんで音楽を続けてほしいもんな。

 

以上が、わたしのThe Birthdayのライブ初体験の感想だ。いつにも増して内容がペラッペラだけど、とにかくチバユウスケがとてつもなくカッコ良かったということだけでも伝わっていればいいのだが……

 

余談ですが、The Birthdayは10月10日(水)に新曲『青空』をリリースしますので、どうかそちらもよろしくお願いします。

 

 

 

・マグロックというフェスについての雑感

今回、初めて足を運んだマグロック。そのコンパクトな規模感がとてもいい感じだった。フェスって何をするにもそこそこ歩かなきゃいけないし並ばなきゃいけないし、それが少なからずストレスになっている方も多いだろう。わたしは今までサマソニ1回、ロッキン2回、カウントダウンジャパン1回、ap bank fes数回に参加したことがあり、やっぱりどのフェスでもそれなりにそこそこ歩いたし並んだ。歩いたり並んだりするのが面倒だったり時間のロスを考えたりした結果、せっかくのフェス飯を諦めて同じ場所に数時間立ち続けてお目当てのバンドまでの時間を過ごしたこともある。しかし今回のマグロックに関してはそれらのストレスとはほぼ無縁だった。メインステージ会場は前方ブロック(左右に区分け)と後方ブロック(左右に区分け)の全4ブロックに区分けされていたのだけど、演奏中でさえ前方ブロックが満員で入場制限がかかることはなく、後方ブロックに至ってはマジでちょっとしたかけっこできるんじゃねーかってくらいゆとりありまくりだった。会場を囲うように歩道橋みたいな通路があって2階席と称されて開放されていたのだけど、このエリアがとても良かった。初っ端のキュウソは後方ブロックで観たのだけど、その後はでんぱ組.incまでずーっと2階席から観ていた。この2階席は、高さという距離を気にしなければステージ側まで自由に寄っていけるので、単純に直線距離で言えばかなり演者に近かったのではないだろうか。もちろんステージを上から眺めることになるので視線を遮るものはないし、観客席を俯瞰で観られるのもフェス全体の観客の動きを把握するには大変良かった。自分の目当てのバンドが登場するまでにフェス全体の観客の動きを把握できるってのは有り難いですよね。「なるほど、アーティストの演奏が終わるとともにほぼ◯割の客が一旦前方ブロックからいなくなるんだな」なんてことを把握できると、目当てのバンドを最前列に近いエリアで観られる可能性もググッと上がるもんです。今回The Birthdayを最前で観ることができたのも、この事前の下調べが良い働きをした結果だな、と個人的には思っている。

 

あとはダイブやモッシュを完全にシャットアウトしているというのも、有り難かった。名目上はNG行為にしても、その実、無法地帯みたいなフェスも多いけど、マグロックに関してはガチで禁止事項として徹底しているというのは、常連の皆さんには周知の事実のようで……。わたしは今回ずーっとメイン会場にいたのだけど、サブ会場となったSOUNDSHOWER ark STAGEではダイブするとリストバンドに印を付けられて2回で強制退場(リストバンドを切られる)という措置が取られていたらしい。モッシュもダイブもフェス文化のひとつなんだから、それが嫌ならフェスなんぞ参加するな!という方もいるだろうが、怖いものは怖いし、フェス自体は好きなんじゃい!!!!と思う。フジロックThe Birthdayのライブを観たときもダイブをしている人がチラホラいて「こえぇ……」と思っていたので、そこら辺のルールの徹底は有り難かった。

フェス自体のキャパに関しては興行として成功なのかどうかという点でやや心配になったりもするのだけど、もし、自分が大好きなアーティストを最前列で観たいという欲望を叶えるためなら、マグロックはとてもオススメですよ、と思う。マジで本気になればおそらく最前列に行けるんじゃないかなぁ。最前列は無理でもかなり前方には切り込めるし、近さにこだわらないなら2階席はのんびり観るには打って付けだったから、それもアリだ。飲んだり食べたりしながら視界を邪魔されることなく観られるからね。後方ブロックなんかも、ある程度余裕があるから友達と楽しそうに踊りながら観ている若者もたくさんおりました。

お客さんの層がけっこう若かったし、どちらかというと地元や周辺エリアからの集客がメインなのかなぁ……。交通アクセスも清水駅から無料のシャトルバスが出ていてとても便利だった。並んだのも20分程度だったし。乗車時間10分程度なので、どうしても並ぶのが嫌なら徒歩でも問題なく歩ける距離だろう。

会場は海っぺりだし、後方にはデデーンと富士山が見えるし、ロケーション的にも最高だった。飲食ブースもほぼ並ぶことはなく、キャパがキャパなので人の波に襲われて移動ができないよ!なんて悲劇とも無縁だった。チケット代もお手頃なので、自分が観てみたいなぁ…と思うバンドが2〜3組出るなら来年も行きたいなぁと思う。あれだけコンパクトだと全ての予定がめちゃくちゃ立てやすい。ひとバンド30分という持ち時間はやや短いような気もするけどどうなんだろう……他のフェスもこんな感じだったっけ。

 

出演バンドに関しては、ほぼThe Birthdayのために行ったようなものなので、感想も何もお前が発言するな!って感じなのだけど、以前からライブを観てみたいなぁーと思っていたキュウソがまさかの一発目にBUMPのsailing dayをコピーするという謎展開で初っ端からテンション爆アゲだった。ヤマサキセイヤの笑顔、かわいかったな……。あとは完全初見だったBRADIOというバンドが超ファンキーでめちゃくちゃ良かった。ディスコっぽい感じでめちゃめちゃ踊った。ボーカルの人がアフロなのも、バンドの作り出すサウンドに対する理想的なボーカル像まんまって感じで良かった。GLIM SPANKYもまともに聴いたのは初めてだったのだけど、ボーカルの女性の酒ヤケしたようなしゃがれ声(実際には酒ヤケではないだろうけど)がカッコ良かった。あんな声、憧れるわ……。クールそうなのに笑うとキュートなのもギャップ萌えでした。

 

 

___

そういえば『涙がこぼれそう』をめちゃめちゃ楽しみにしていたけど歌わなかったな、という事実を、たったいま思い出しました。冒頭の《電話探した あの娘に聞かなくちゃ 俺さ 今どこ?》あとの、チバによる「今日はお前らと〇〇(地名だったりイベント名だったりが入る)だー!!」という定番の叫びを聞きたかったのになぁ……。

ツアーでは歌ってくれるだろうか……。

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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Mr.Children 『重力と呼吸』全10曲感想

 

Mr.Childrenの19枚目のオリジナルアルバム『重力と呼吸』がリリースされました。

 

 

一昨日(10月2日)、タワレコ渋谷店でフライングゲットし、帰宅。入浴と夕飯を済ませ、さっそく聴いた。……驚いた。それはもう本当に衝撃がすごかった。わたしは彼らがツアーを行う際は複数公演に足を運ぶし、ボーカルの桜井和寿が主催者のひとりでもあるap bank fesにおひとりさま参戦を果たすような、一般的にいえばそこそこマジのミスチルファンだろう。そんなわたしですが、彼らの音楽を聴いてこんなにも大きな衝撃を受けたのは久しぶりだった(ヒカリノアトリエがあんまりだった*1)ので、今日はその感想を書き連ねていきます。

 

 

前提。

このエントリーを書くにあたり気づいたことがある。Mr.Childrenが前回のオリジナルアルバム『REFLECTION』をリリースしたのは2015年6月のことだ。

2015年以降の彼らは本当に精力的に活動している。同年3月からは「TOUR 2015 REFLECTION」を行い、ツアー最終日に先述のアルバム『REFLECTION』をリリース。夏からは「Stadium Tour 2015 未完」、その後、冬にはさまざまなバンドとの2マンLIVEを5公演、年が明けて2016年4月から11月にかけては「Hall Tour 2016 虹」と題し全28公演を実施。そのままの流れを汲んだかたちで翌年2017年4月からは「Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ」全14公演を敢行。休むことなく6月からはバンド結成25周年を祝う大規模なツアー「DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」全15公演。……いやいやいや、働きまくっているな!!!!!!?

こうやって書き出してみて改めて驚いた。めちゃめちゃ働きまくっている。しかも、ツアーのあいだあいだにゲスト出演したライブとか夏フェスとかもある。

 

そうなのだ。オリジナルアルバムこそ3年4ヵ月ぶりだけれど、ミスチルはその間もコンスタントに活動し続けてくれていた。だからこそ気づかなかった。

わたし、Mr.Childrenの新曲を立て続けに聴くという行為がめっきりご無沙汰だった!!!!!

そうなのです。こんなにもミスチルの新曲を立て続けに摂取するという行為があまりにも久しぶりで「え!?ミスチルってこんなすごい音楽を作るバンドだったんだ!すげーーーー!!!やべぇ、やべーーーーよ、ミスターチルドレン!!!!!!!」となったのです。

何だかんだでライブ行ったりしてたから、ミスチルの音楽自体は聴き続けてきた3年4ヵ月だったのだけど、それってどれもこれもどこかしらで聴いたことがある既発曲だった。だからこそ、こんなにも大量の新曲を立て続けに聴く機会となった『重力と呼吸』から、ここまで大きな衝撃を受ける事態になったのだと思います。

だってマジですごいんだもん!!!!そりゃあそれなりに期待はしていたけど、こんなにも「すごい!!すごいよーーー!!!!!」って大声でみんなに猛烈プッシュして駆け回りたいアルバムだなんて思っていなかったんだもん(失礼)。

 

ということで前置きが長くなりましたが全10曲の感想いきます。

アルバムを手にしてまだ24時間ちょっと(現時点で)しか経過していないので、熱量高めで若干ウザい感じになっちゃうかもだけど、考えるな!感じろ!!!!の精神だ。

 

 

01.Your Song

まずド頭の鈴木英哉(Dr.)によるカウントがめちゃくちゃカッコいい。あのカウントだけで、わたしたちリスナーに“バンドであるMr.Children”を強く印象づける効果があると思う。それに続く桜井和寿の雄叫び?シャウトもいい感じだ。最初聴いたときは「せっかくの桜井さんのシャウトになにエフェクトかけてんだよ!!?」って思ったりもしたけれど、だからこそ暑っ苦しくならず人間臭さみたいなものが良い意味で軽減されているように感じた。

 

そして歌詞である。

タイトルこそ『Your Song』だけれども、この曲で歌われているのは君と僕のことだ。君がいるからこその、僕。

ここで、ここ数年のMr.Childrenを追いかけてきた人々(わたしだ)はこう思う。

僕=Mr.Children、そして君=わたしたち(ファン)だ!!!!!

そう、この曲で歌われているのは紛れもなくMr.Childrenと、わたしたちリスナーの関係だ(と思いたい)。去年の25周年ツアーで、桜井和寿(Vo.)はこんなMCをした。

“自分たちが10周年を迎えた時は、自分自身も若かったし尖っていたから、インタビューで10周年に対しての感想を聞かれても「事務所の話題づくり。どうせそのうちファンのみんなも離れていく」と答えていた。しかし、そこからの10年、15年は本当にあっという間で…気付けば25周年。こんなに多くのお客さんが今でもライブに足を運んでくれていることにとても感謝している。”

これを踏まえたうえで再度『Your Song』の歌詞を読んでみてほしい。「もうこれは完全にMr.Childrenとオレたちのことを歌っている……!?」となります。この曲はもはや『Your Song』という名の仮面をかぶった『Our Song』。最後が《君じゃなきゃ 君じゃなきゃ》で終わるのなんて出来すぎている。

CDの感想らしい話をすれば、サビの部分が少しゴスペルちっくというか、教会を思わせるようなサウンドっぽい気がするのだけどどうなのだろう…… 優しくて壮大、みたいな。どこまでも広がっていくようなサウンドが気持ち良いです。

 

ということで、アルバム1曲めで見事にハートを鷲掴みになれた。やっぱりミスチル最高じゃんか!!!!と。

 

 

02.海にて、心は裸になりたがる

今回のアルバムで一番「裏切られた!!!!」と驚いたのがこの曲。

タイトルから「きっとヘビーで陰(いん)の空気をまとった曲が来るはずだ」と想像していたのだけど、なんて爽やかな曲調!!!!めちゃめちゃ爽やかではないか。サビ前の盛り上がり方なんかいかにも「今からサビですよ〜〜〜!」みたいな感じで期待を煽りまくってくるし、その期待にさらに爽やか要素を100回上乗せしたみたいな疾走感あるサビがめちゃめちゃ気持ち良い。清涼飲料水飲みながらチャリンコで爆走しちゃうぞー!みたいな爽やかさです。数年ぶりにポカリのCMにどうでしょうか。

そして!!!この曲の激アツポイントは1番と2番の間奏部分である。中川敬輔のベースが炸裂しまくっている。マジでこんなにもワクワクさせる間奏なんてあるかよ!!ってくらいワクワクが止まらなくなる。「うひょーーー最っこうだ!キタキタキターー!!!」ってなります。気づいたときには両手突き上げて桜井さんと一緒に「Wow Wow Wow」って叫んでいます。そこからの2番なんてもうベースがゴリッゴリに目立っていて重低音大好き芸人の血が騒ぎまくって仕方ない。『重力と呼吸』の爽やか部分を一手に引き受けている感あるフレッシャーズソング。

あと、最後の最後で転調するところもMr.ChildrenMr.Childrenらしさが限界突破していて最高に高まりました。夏の野外で聴きたい。……そう、それはつまり日産スタジアム

 

 

03.SINGLES

前半はどちらかというとポップな曲調なのに、サビで一気に逆サイドに振り切られるようなサウンドづくりがすごい。サビ直前で一気にたたみ掛けてくるあの感じがとてつもなくMr.Childrenっぽい。かと思えば、突如、Cメロ前で雰囲気がガラッと変わる。なんとも不思議な曲だ。「おぉっ!?」なんて躊躇してたらあっという間に置いていかれてしまう。そして最後は実にサッパリとあっけなく終わる。この感じが諸行無常感(?)をいっそう高めてくれる(ような気がする)。

それはそうとこの曲の歌詞は桜井和寿桜井和寿らしさが炸裂していて最高です。なかでも感銘を受けたのがこの部分(以下)。

守るべきものの数だけ 人は弱くなるんなら

今の僕はあの日より きっと強くなったろう

この言い回しがマジで桜井和寿過ぎて最高。

今朝、何気なく聴いていて「なんちゅう悲しい歌詞書くんだよ桜井和寿……」って思いながらタイトル確認したら『SINGLES』ってデカデカと表示されてて「しんどーーーーーーい!!!!」って思わぬところからカウンター喰らった。桜井さん、独り身に容赦ない。

 

 

04.here comes my love

いい曲ですよね、マジで。とても美しい曲。聴けば聴くほど「美しい曲だなぁ」としみじみ思う。メロディの持つ儚さと、愛を真摯に語る歌詞のシンクロ具合がほんとうに美しい。とても誠実な空気をまとったラブ・ソング。

この曲もね、サビへ向けての盛り上がり方がとても好きです。言ってしまえば分かりやすい盛り上がり方なんだけど、それがすごくハマっている。なんと言えばいいのか…… 重量感のあるサウンドが楽曲の説得力を増し増しにしているというか……なんかもう、説得力がすごい。そうだ説得力だ。愛することとそれに対しての迷い、そして決意をそのまま吐き出したような歌詞に、これだけ重みのあるサウンドを重ねられたら「納得!!!!」って言うしかねえだろ。

あとはもうギターソロが最っ高にカッコいい。「泣きのギター」という使い古された表現があるけど、この曲のギターソロがまさにそれ。このギターソロを聴いた瞬間「なんだよ泣きのギターってwww」とか言ってるやつ もうGood Nightって感じでした(突然のYONCE)。

 


05.箱庭

これもメロディの展開がちょっと不思議。とはいえ、ミスチルお得意のPOP感が炸裂している。サウンド面に、そこはかとなく漂うバブル感もおもしろい。この曲調の展開の仕方ってどこか懐かしい感じするねぇ……みたいな。なかなかのフレッシャーズソングだと思います。

『箱庭』はそのうち『Heavenly kiss』みたいな立ち位置の曲になりそうだなぁとか思うのだけどどうでしょうか。知る人ぞ知る!みたいな。

余談だけど、この曲だけをリピートして聴いてると、曲の切れ目が分からなくて「ん?これいま何回転めのイントロ?ん?アウトロ??」みたいな軽いパニック状態に陥りいます。

 


06.addiction

Mr.Childrenらしからぬトレンディおしゃれ感あるイントロにド肝抜かれた。そして歌い出しの桜井和寿が最高に桜井和寿節を炸裂していて「ウッホーーーーー!!!!!」って脳みそガバガバに溶けそうになった。音の数に対して言葉を詰め込みまくるでお馴染みの桜井さん、最高じゃないですか。そんでもって語尾が裏返るあの歌い方も最高じゃないですか。その2つを同時に堪能できる曲、それが『addiction』。ただただカッコいい。ほんと、マジでカッコよくて脳みそ溶ける。オマケに大気圏を突き抜けていきそうな伸びやかな高音の叫びもついてます。最高最高。

「ウッホーーーーー!!!!カッケェーーーーー!!!」って思ってたら、あっという間に曲が終わってて「いかんいかん次こそちゃんと聴かなきゃ。歌詞とか聴き込まなきゃ」とか心を改めても、いざリピートしたら結局「ウッホーーーーー!!!!カッケェーーーーー!!!」ってなっちゃうので、この曲には人をゴリラにする効果がある。

あと一瞬、サウンド面でSMAPのオレンジっぽいアレンジの部分(大サビ前の間奏はじめ部分)があって「ヤッベ、久しぶりにオレンジ聴きたくなった!」と発作発症したりもするので要注意。

 


07.day by day(愛犬クルの物語)

タイトル見て「タイアップキタコレ!!!!」って勘違いしたのはわたしだけではないはず。サビの《So day by day》って部分のハモリが最高に気持ち良い。『海にて〜』同様にチャリンコで爆走しながら聴きたい爽やかソング。

おそらくこの楽曲に関しては明確なモチーフが存在しそうなので、そこら辺の制作秘話が結構気になっている。ライブのMCで話してくれたりしないだろうか……まぁ、チケット当たっていないんだけれどもね(地獄)。

 


08.秋がくれた切符

桜井和寿の優しい歌声を存分に堪能できる一曲。

桜井和寿というボーカリストは、楽曲のもつ雰囲気に合わせて歌声の色を使い分けるタイプのボーカリストだと思うのだけど、この手の曲を聴くとその歌唱スキルに平伏したくなる。一音、一音を丁寧に置いていく。陽だまりみたいに温かくて優しくてでもちょっぴり切ない、みたいな。Mr.Childrenは桜井さんの歌声に寄り添うことに重きを置いているバンドである。この曲のアレンジはまさしく桜井和寿の歌声を存分に聴かせるための音づくりといった感じで「あぁ、4人のバランスが本当に美しいバンドや……」と思わずにはいられない。

 


09.himawari

この曲は本当にすごい。シングル発売時はもちろん、ツアーでも夏フェスでも今まで何度も聴いてきたけど、聴くたびに「この曲はすごい!!!」と思わずにはいられない。なんかもう楽曲から放たれるパワーが凄まじい。アルバムをとおして聴いてみても、この曲が放つ圧倒的なパワーすごくないですか?「強い、強いぞ。himawari」って感じで圧倒される。間奏のギャンギャンのギターも最高だし、力強い桜井さんの歌声も最高だし、歌詞もなんかすごい。こんな歌詞よく書けたな!?ってぐらい絶望感漂う凄まじい歌詞だ。一曲聴き終えたあとの疲労感と虚無感が凄まじい。

これをライブで演るときの桜井和寿は、あのお得意のステップでグリングリン回転しながらめちゃめちゃ力強く歌うのだけど、その熱気あふれるパフォーマンス含めて強烈だったんだよなー。ゴリッゴリに演奏する4人のバンド感が最高だった。

 

 

ちなみにhimawariリリース時の感想がこれです。

 


10.皮膚呼吸

はーい、皆さん準備はいいですか?いよいよ真打登場ですよー!

『重力と呼吸』全10曲の中で現時点の圧倒的No.1ソング『皮膚呼吸』さんです。

 

もうマジでこの曲に関しては想いが高まりすぎて冷静さのカケラも持っていられねーよ!!!?ってくらい最高です。イントロからわたしの大好きなMr.Childrenっぽさが炸裂してて、初っ端から「この感じ好きかも……きっと好きなやつだ……」ってザワッ…ザワッ…って高まってたら、サビで桜井さんが《深呼吸して〜》って歌いだした途端、マンガみたいに「うわっ!!!!」って声出て、気づいたらめっちゃくちゃに涙流してましたわ…… 何なんだマジで。いくらなんでもこんな経験は初めてで自分でもかなり新鮮だった。だってサビ聴いた瞬間、あまりにもわたしが好きなMr.Childrenをそのまんま詰め込んだみたいな音の広がり方するんだもん。「あ〜〜〜〜〜わたしの好きなミスターチルドレン!!!!!」って思った瞬間、無意識に涙出てた。すごい!いくら重いオタクとはいえ、無意識に涙出てたのはさすがに引くぞ!!!!人間の生理現象にまで働きかけるバンド、Mr.Children

これはもうとにかく「そう感じた」としか言いようがない。例えば前作『REFLECTION』収録の『幻聴』を聴いたときなんかにも「わたしの好きなMr.Childrenだ!!」って感覚を味わっていて、それを言葉で説明するのはとても難しい。この感覚を覚える曲におそらく一定の傾向はあると思う。サビで一気にブワーッと広がっていく壮大感あるサウンドだったり、桜井さんの伸びやかな歌声だったり、印象的なフレーズだったり……それこそ「考えるな、感じろ!」って感じ。

その中でも『皮膚呼吸』は圧倒的に「キタコレ」感がすごかった。大げさでもなく、この曲を聴いた瞬間にわたしの中での『重力と呼吸』というアルバムの立ち位置が明確になった。「まだまだイケるじゃんミスチル!!!」みたいな。

いくら「好きなアーティストだ」って常日頃から言ってても、やっぱり年数を重ねてくるとそれなりに慣れてきたりもする訳で。それは決して悪いことじゃなく、こちらが期待しているMr.Children像だったりMr.Childrenっぽいサウンドだったりがある訳です。で、ぶっちゃけ新譜が出るたびに「これぞ!!!」という感動を味わえるかというとそうとも限らない。現にわたしにとっての『ヒカリノアトリエ』がそれだった。だけど、この『皮膚呼吸』を聴いた瞬間の衝撃はあまりにも大きくて強烈で、「わたしまだまだMr.Childrenの音楽でこんなに感情を揺さぶられるんだ!!!!」と何かよく分からない感動みたいなものも味わっている。マジで本当にすごい曲なんだ。

ほらもうこの曲のこと考えてるだけで涙が溢れてくるんだよ。それくらい強烈な楽曲です。聴いてください、マジで。

 

実はあまりにも第一印象が強烈で、まだそのインパクトの余韻から抜け出せずにいる。歌詞もまともに読んでいない。歌詞を確認せずになんとなくで聴いている感じだとなかなか殺傷能力高そうなフレーズが頻発していそうなので(褒めてる)、歌詞を冷静に追えるようになったらセカンド・インパクトに襲われるかもしれません。とりあえず《まだ生乾きの後悔》ってワードがめちゃくちゃに桜井和寿!!!!!って思った。

 

 

そんな中でこんなインタビューを見つけてしまい、もうわたしは「Mr.Childrenというバンド、マジで底知れねぇ……」という思いの渦に飲み込まれそうだよ……

「(25周年のライブのような)ああいったものをMr.Childrenに求めている人が多いかもしれないんだけど、次の作品も同じようなものだったら、満足する半面、がっかりもすると思うんです。求められるものに応えすぎたら絶対に飽きられる。期待に半分応えて、半分裏切る。なんてこと言ったら戦略家みたいで嫌だけど(笑)。でも、裏切りながら、結果的にお客さんが望むものになっていくんじゃないかという自信があります。直感的に」

「いつまで叫び続けられるんだろう」――桜井和寿、26年目の覚悟 - Yahoo!ニュース

 

 

総評。

感情のジェットコースターにアップアップしながらなんとか全曲聴き終えて残った感情は、ただただ「ライブで聴きたい」というシンプルな欲だった。このアルバムに収録された数々の音楽をライブで聴けない人生なんてクソだ!!!!って叫びたくなるくらいにライブで聴きたいです。あーーーーーーーーー…マジでライブに行かせてくれ。『皮膚呼吸』をライブで聴きたいんだ……

 

ということでMr.Childrenというバンドの素晴らしさを堪能できる素晴らしきアルバム『重力と呼吸』。まだ聴いていないという方は是非とも聴いてみてほしいです。

Mr.Children、まだまだイケるじゃん!って思えるはず。 

重力と呼吸

重力と呼吸

 

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

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ap bank fes '18 感想

エレカシ×スピッツ×ミスチル『ド・ド・ドーンと集結決定!!夢の競演』感想

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*1:あくまで個人的な感想

日記_在宅夏フェスとかカメ止めとかチバユウスケとか

ついにブログを1本も書かずに8月を終えてしまったので9月は早々に何かしら書くぞ!と息巻いていた。のに気づけばもう10日。書かずにいると書けなくなるとはよく聞く言葉だけどほんとにその通りなのかもしれない。「何かを書こう・書かなくては」という意識が日ごとに薄くなっている気がする……。いかんいかん!ということで2018年夏の出来事を雑に振り返りつつ、リハビリです。

 

・在宅夏フェスが最高に楽しかった

いやぁ最高だったよ #FRFYouTube !!!!!

チバユウスケにハマりだしてすぐにFujirock'18がYouTubeで生配信されることを知り「The Birthdayのライブをオンタイムで!しかも自宅で楽しめる!!!」とめちゃめちゃ楽しみにしていた。フジロックって一度は行ってみたい夏フェスだけど軽い気持ちで足を運んだら痛い目に遭うんじゃなかろうか……とラスボス感アリアリな夏フェスなので初心者にはなかなか手を出しにくい(と思っている)。そんな憧れのフジロックを自宅で楽しめる日が来ようとは。文明の発展はすばらしいな。

そんなこんなで初日のエレカシなんか会社帰りの地下鉄でスマホ片手にめちゃめちゃ楽しんだ。今回の生配信のすばらしいところは各配信が数時間前まではさかのぼって観ることができ(おそらく4〜5時間はさかのぼれたはず)、さらに各日終演後にはその日の配信映像を深夜から朝っぱらまで再配信してくれていたという点に尽きる。つまりそれは寝る暇すらない!ということだ。今回は各ステージの演奏が2チャンネル編成で配信されていたのだが、このさかのぼりサービス(以下おかわりタイムとします)と再配信サービスを使えばタイムテーブルかぶりなんてまったく敵ではない。これ、現地だったら「タイテ被ってんじゃん!諦めなきゃじゃん!!」案件もヨユーのよっちゃんでクリアできるすばらしい構成だったのではないかと思う。現地参戦組にもYoutube生配信とおかわりタイムや再配信サービスを利用してタイテ被りを被害最小限にとどめていた方がいらっしゃったみたい。まぁ自分のお目当てのアーティストが必ずしも生配信されるとは限らないのだけどね。現に今回のフジロック最大の目玉であっただろうボブ・ディラン御大は当然のように配信されなかったし。

とはいえ、わたしが観たかったエレカシThe Birthdayは無事に配信されたので存分に堪能した。カッコよかったなぁチバユウスケ

 

フジロックが開催された土日は、外出の予定が雨で中止になったので時間を問わずフジロックを観ていた。初めて観たアーティストではAwesome City Clubが良かった。夏の夜に彼らの音楽を聴いていると「あぁ、夏の夜っていいよなぁ」としみじみ思えた。夏の夜ってなんであんなに自由で開放感あるのに切なさもあるのか。不思議だ。酒を飲んでデロデロになりながら、いい音楽を聴く。めちゃめちゃ幸せな時間なのにふとした瞬間に世界が『自分のいる空間』と『それ以外の空間』で分断される、みたいな孤独感に襲われてしまうんだよな。

あとはMISIAも圧巻の歌声で最高でした。彼女のライブはap bank fesで観たことがあって「歌うために生まれてきた人間だ」感が凄まじかったのですが、今回もやっぱり「歌うために生まれてきた人間だ」感が凄まじかった。あんだけ伸びやかな歌声が自分から放たれたらそりゃもう気持ちいいだろうなーって思う。そりゃ観客も困惑してしまうような高難度のコール・アンド・レスポンス要求するさ……。

 

まぁそんな感じで在宅の分際で心の底からフジロックを堪能できた。ありがとうフジロック。現地に行ってもいないのにロスになってしまうくらいには堪能したよ。でもやっぱり現地に行きたくなったよ。

今年はフジロックの他にも様々な夏フェスが動画サイトでの配信サービスを実施していて、それってフェスの集客を落としたりしないのかなぁと思ったりもした。でも夏フェスに行きたい人たちって結局は「現地に行ってなんぼ」みたいな感覚を少なからず持っているだろうから、配信観ることで来年の集客に繋がるのかもしれないなぁ……と思ったり。配信で満足できるような人たちは、結局現地にまで足を運ぼうと思うような人たちでもないだろし、潜在的なフェス人口を掘り起こすことという点では配信サービスも有効なのかしら。あとは夏フェスに足を運ぶほどではないけど配信なら観てみよう!という層にアーティストを知ってもらえるチャンスになる、というメリットもあるのかな。

 

余談。

在宅フジロックの余韻のままにライジングサンのGyao!配信もめちゃめちゃ楽しみにしていたのだけど、直前になり、ライジングが生配信ではないことに気づきヘコんだ。あまりの悔しさに当日はtwitterに張り付いてライジング現地勢の感想ツイートを読み漁っていた。スカパラがね……めちゃめちゃ最高のステージだったようで……ほんと、観たかったな。いつだって現場に行っている人間が勝ち組なんだよな。来年はライジング行くぞ、と強く思った。

 

FUJI ROCK FESTIVAL'18 Aftermovie

'1:15くらいで拳突き上げる最高にカッコいいチバユウスケをご覧ください。

 

 

・映画『カメラを止めるな!』を観た(ネタバレ注意)

Picture

話題の『カメ止め』観てきました。

観たい観たいと思いつつなかなかきっかけがなく行けずじまいでいたのだが、チバユウスケが観たらしいので「これは観なきゃ!!!」とオタク丸出しで観てきた。いつだってオレの背中を押すのは推しの一挙手一投足だぜ(推しだけに)。金曜の真っ昼間の上映回だったが、さすが話題作なだけあって席は8割がた埋まっていたと思う。

 

序盤30分くらいはなかなか退屈で「あぁこれはきっと伏線を張っているのだろうな……ここの退屈な時間があとあと効いてくるはずだから耐えるのだわたし」って感じだった。たぶんそれはあの劇場にいた多くの人が感じていたことだったと思う。「今のところ世間が騒ぐほどの話題作か?って感じだけど、たぶん今は伏線を張りまくってる時間なんだ、耐える時間なんだ」みたいな。それで、その予想が見事にドンピシャで、後半の伏線回収がめちゃめちゃ気持ちいい展開。キタキタキター!!!ってめちゃめちゃヒャッハー!でした。

たぶん構成としては、今までにもあったかもしれないのだけど、その見せ方がモノづくりに携わったり、モノづくりに強い憧れを持っている人間には堪らないのではないかなぁ。あと出演されている役者の方々が世間的には無名(わたしが知らないだけかもしれないが)とされる役者ばかりというのも良かったのだろう。妙にリアルな感じがして、ストーリーによりいっそう集中できる環境づくりの一助になっていた。

本編はもちろんおもしろかったしお見事だったのだけど、個人的にはエンドロールが一番胸アツだった。あのエンドロールを観ることで、この作品がどれだけ細やかに神経を配ったうえで撮影されていたかを改めて知ることができた。それと同時に「何だかんだ言ってもやっぱり情熱ってたいせつだよな」と妙にうすっペらいけどでもそれが真理じゃん!!みたいな気持ちにもなれた(たぶん周りからしたらウザいだけ)。

すべてのカラクリを知ったうえでもう1回観るのもアリだよなー、と思える作品でした。

 

 

・引き続きチバユウスケにハマっている

以前チバユウスケにドハマリしたことを書いたのだが、その熱はまだ冷めていない。というか日を追うごとに熱は増す一方だ。彼のキャリアはミッシェルから数えると20年以上に渡るのでそれらを今から追い出したらそれはもう凄まじい量の情報を一気に摂取するということになり、何から追えばいいのやら状態。デビュー当時の映像を見ていた次の日には現在の情報がリリースされ、かと思えばミッシェル解散時のインタビュー記事にぶち当たり……と日々あらゆる年代のチバユウスケ情報に右往左往している。

もうね、まじで本当にカッコいい。チバユウスケに関しては『カッコいい』という一言に全てが集約できてしまうのではと思える。『カッコいい』という言葉こそが彼の魅力を伝える最大にして最小単位の言葉になるのではないかというくらいに『カッコいい』がそのまま『=チバユウスケ』になってしまう。彼は『カッコいい』ことを追求して『カッコいい』モノとして生み出し、それを作品として世間に放ち続けている。カッコいいなぁ。

残念なことにミッシェルはすでに解散してしまったバンドなので彼らのライブを観るという夢は叶えられないのだけど、幸いなことにチバユウスケは今現在も超イケてるロックバンドThe Birthdayのフロントマンとして現役バリッバリのロックンローラーである。ということでこの秋に開催されるThe Birthdayのツアーにはぜひ足を運びたい!と思い、チケット先行にエントリーしまくること数回。ようやくツアーファイナルの中野サンプラザ公演をご用意してもらえた。ヤッター!!!人生初チバユウスケである。今からめちゃめちゃ楽しみです。

 

最近は仕事終わりに新宿のdisk unionでミッシェルのCDやら映像作品を探し回っている。楽しいですよ、union巡り。気づくと何時間も店内をぐるぐるしてしまう。彼らの作品を見つけてはお財布と相談しつつ買い集めているのだが、わたしがもっとも大好きなアルバム『HIGH TIME』にはまだ出会えていない。ネットで探せば難なく手にできるだろうことは分かっているのだけど、なんとなくこの作品だけは店頭で手にしたいんだよな……というよく分からない意地みたいなものがある。なんでだろうか。

そういえばチバユウスケは大のレコード収集家らしく、彼が所属するバンドではたびたびLP盤がリリースされている。今のところまだわたしはそこまで手を出していないが、このままの勢いでいくと軽率にLP盤の収集まで行ってしまいそうなので、そこは冷静さを保っていきたい。でもミッシェルのLP盤ってどれもジャケットがカッコよくて欲しくなっちゃうんだよなぁ……。

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。 

 

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ap bank fes '18 感想

https://pbs.twimg.com/media/DiOtMrmU8AATEER.jpg

7/14(土)15(日)16(月・祝)の三連休、6年ぶりに静岡県つま恋で開催された『ap bank fes'18』に行ってきたので、すでに1週間経ってしまったが感想を書く。

 

わたしが初めてap bank fes(以下ap)に行ったのは2012年に開催された『ap bank fes'12 Fund for Japan』の仙台みちのく会場なので、つま恋で開催されるapに行くのは今回が初めてだった。実は、ここ数年一緒にapに行っていた友人その1が事情により不参加であり、さらに現地で合流予定だった友人その2が開催1週間前に退っ引きならない事情で急遽不参加となり……つまり1人ぼっちで行ってきた訳である。

 

ライブに於いては常々「中途半端に親しい友人と行くぐらいなら1人で行ったほうが気楽でよいな」と思っているタイプなので、今までもRIJFCDJに1人で行ってきた経験を持つわたしだが、さすがに3日間も1人ぼっちはちょいと不安だぜ……と思っていた。ところがどうしてどうして。終わってみれば3日間をめっちゃくちゃにエンジョイし「夏フェスサイコーーーー!!フゥ〜〜〜〜〜〜!!!!」みたいな感想しか残らなかった。前日祭はともかく、本祭1日目と2日目は基本的にライブエリアの最前ブロックにい続けた。あの酷暑のなか半日以上ほぼ立ちっぱなしでライブを楽しめるって実は結構タフらしい。連休明けに会社の同僚に三連休は3日間とも夏フェスに行っていた旨を話したら「あんな暑いなか外にいるなんて考えるだけで嫌になる」と返された。そういえばわたしもライブの楽しさに目覚める以前は「ライブに行くような人種とはぜったい仲良くなれない!」とか思っていたもんな……。結局のところ人なんてもんは自分が楽しめない界隈の魅力なんて理解できないのかもしれない。

 

 

話が逸れた。

 

そんな感じで根っからのライブ好き(音楽好き)が功を奏し、全日めちゃくちゃ楽しめた素晴らしきライブの感想をつらつらと書いていこうと思う。きっと長文になると思います。特に印象に残っている楽曲に関してはofficialの動画貼りました。

 

7/14(土)前日祭

LEGO BIG MORL

初見。MC担当してる人がギター担当だった衝撃。君、ボーカルじゃないんかい!センターでMC担当のギタリスト。斬新!!!最後に演奏していた『RAINBOW』という曲が良かった。

 

Salyu小林武史

相変わらず伸びやかな歌声。Salyuの歌声を聴くと「あぁapに来たんだなぁ」と感じる。大好きな『THE RAIN』からSalyuひとりバージョンの『to U』は嬉しかったなぁ。『THE RAIN』のサビ部分って屋外で聴くと開放感ハンパない。それにしてもわたしはいつになったらSalyuが歌う『青空』をapで聴くことができるのでしょうか(桜井和寿verは聴いたことがある)。毎年思うことだけど、Salyuのapのときの衣装って可愛くてちょっぴりエロスを感じる。あと美脚。

 

ウカスカジー

6月に開催されていたウカスカジーのツアーには不参加だったのでお久しぶりのウカスカジー。まさかの『手を出すな!』を歌ってくれたのでそれだけで大満足。熱心な桜井和寿ファンの方には申し訳ないが、わたしはやはりMr.Childrenで歌っている桜井和寿が好きであるとここ数年で気づいたので、比較的ゆるい気持ちで観ていた。だってなんか桜井さんがラップ歌ってると恥ずかしくなっちゃうんだもん……。でも『手を出すな!』だけはとても好きな曲なので聴くことができてうれしかった。大好きなんだよあの曲。(動画貼りたいけどofficialのものがなかった……)

 

 

残念なことに、前日祭は頭痛によりここでリタイア。頑張れば最後までいられたかもしれないが「今日無理をして明日から始まる本祭に万全の体調でのぞめなくなったら最悪だよな」と考えを改め、早々にホテルに戻った。慣れない暑さと、あとは恐らくだけど会場到着早々に飲んだビールが良くなかったのだと思う。

結局この日は、帰りにコンビニで買った冷麺を夕食に食べ薬を飲み、20時には就寝。あまりにも早く寝すぎてしまったため夜中の1時に目が覚めてしまい再び眠りに就くまでミッシェルのライブ映像を見漁っていた(最近の日課)。

 

7/15(日)本祭1日目

朝9時にホテルを出発。掛川駅シャトルバス乗り場にはすでに長蛇の列ができていた。マジカヨ……。並ぶこと2時間、ようやくバス乗車。さすがに開演には間に合うと思っていたが、その考えは甘かったようです。会場到着したらすでにトップバッターであるBANK BAND with ナオト・インティライミのライブが始まっていた。無念。「明日はもっと早く出発しよう」といきなり反省からの本祭スタート。

 

東京スカパラダイスオーケストラ

今年のapの優勝は東京スカパラダイスオーケストラの皆さんに決定で〜〜〜〜〜す!!!!!というくらい素晴らしかった。1曲めから会場中の客のハートを鷲掴みにしていたと思う。マジで凄かった。結成30周年のキャリアを見せつけるような圧倒的なパフォーマンス。そりゃあれだけたくさんの楽器をジャンジャン鳴らされたら盛り上がらない訳ねーだろ!?ってくらい優勝だった。「もう1回最初っから演ってくれ!」ってくらい最高でした。スカパラのワンマン行ってみたいわー。スカパラに関してはゲストアーティストを迎えた楽曲くらいしか知らないのだけど、彼ら単独での楽曲だとドラムの人が歌ったり谷中さん(わたしが唯一お名前を存じ上げているメンバー)が歌ったりとボーカル固定されていない模様でした。ドラム叩きながら1曲フルで歌いきるってすごいなー。マジで圧倒的にかっこ良かったです。主題歌だったドラマ(松嶋菜々子主演『美女か野獣』)もドハマリした『銀河と迷路』、桜井和寿をゲストボーカルに迎えての『美しく燃える森』。最高でした。まぁオリジナルの民生には勝てませんが。あとわたし思ったよりスカパラの楽曲知ってた!結構CMとかで耳にしてるもんだな。

 

YEN TOWN BAND

今年もCHARAはキュートだった。そんでもって今年のCHARA小林武史を「たけポン」と呼んでいた。CHARAほどキュートって言葉がピッタリくる女性っていないと思う。本当にキュートでした。それでやっぱりYEN TOWN BANDといえば『Swallowtail Butterfly ~あいのうた~』。今年も最高でした。

 

BANK BAND with 佐藤千亜妃(きのこ帝国)/ Salyu / 竹原ピストル

ap恒例のBANK BAND withコーナー。個人的には竹原ピストルさんを楽しみにしていた。去年のapで初めてピストルさんのライブを観て、そのパワーに圧倒された。今年もとても楽しみにしていた。わたし彼の『RAIN』という曲が結構好きです。たしか去年のapでも歌っていたと思う。サビ部分の櫻井さんとのハモリが最高だった。去年のapでめちゃくちゃに感動して爆泣きしてしまった『Amazing Grace』を今年も聴けたら嬉しいなーとか思っていたのだけど歌ってくれませんでした、残念。

 

ROGUE

当初出演予定だった2012年のapではボーカル奥野さんの体調面への考慮から叶わなかった共演がついに果たされたということでグッと来た。わたしはROGUEというバンドには全く詳しくないのだけど、櫻井さん経由で知った『終わりのない歌』は2012年当時、apから帰って来て何回か聴いていたので「あぁやっと一緒に歌えたんだねえ」と、まるで関係者のような心境になってしまい感慨深かった。ROGUEの演奏を舞台袖で観ていたらしい櫻井さんが登場するなり「聴きたい曲ばっかり歌ってくれた」とハシャいでいたのがとても良かった。ほんとにROGUEが好きなんだね。

 

Mr.Children

はい、大本命。本祭1日目のセットリストはこちら。

01.HERO
02.HANABI
03.youthful days
04.彩り
05.here comes my love
06.fanfare
07.himawari
08.GIFT

まさか1発目にHEROがくるとは思っていなかったので驚いた。ここ最近のライブ、高頻度で『HANABI』を歌っているような気がして、聴きながら「やっぱりタイアップ先への配慮か?」とか思っていたけど、よく考えたらこの曲ってそもそも夏の曲だった。『youthful days』から『彩り』への流れ、良かったなー。そして何度聴いても『himawari』が悲しい曲過ぎて泣けた。相変わらずナカケイがハチャメチャにかっこ良くて上手側の最前ブロックを陣取ったわたしグッジョブ!って感じでした。

途中のMCで桜井さんが「ロックフェスってのは大抵のばあい客席が黒っぽい服のお客さんで埋め尽くされるもんだけどap fesは色とりどりの春みたいな、初夏の爽やかさみたいにカラフルなTシャツで埋め尽くされていて。こんなに色鮮やかなフェス会場はap以外にないって自信を持って言えます。皆さんが何年も掛けて育ててくれたフェスです」みたいなことを言ってて、そういった想いがあるからこそ彼らにとっての『つま恋』が特別な場所であり続けるんだろうなぁとぼんやり思った。わたし自身は今回のapがつま恋初体験なので、ぶっちゃけた話こんなにもつま恋が特別視されていることに「なんで?」とすら思っていたのだけど、ap bank fesという夏フェスに立ち上げから関わっている人々からしたらそりゃ思い入れのある場所になるよなーと今さら何となく理解できました(遅い)。まぁそんな感慨深げな風に話していた桜井さんはじめステージ上のMr.Childrenの皆さんは4人共に真っ黒な衣装に身を包んでいたのだけども。

 

 

ここで一旦ライブエリアを抜けて夕食を食べにフードエリアへ移動。ビールを飲みつつ美味しいソーセージを食べていたところ、まさかのBANK BAND withスガシカオフジファブリックの『若者のすべて』をカバーするという事件発生。マジでショックでした。まさかここで歌うとは……。スガさんのライブは何回か観たことあるから音だけ楽しめればいいやぁ、などと考えたわたしが馬鹿だった。BANK BANDのカバー楽曲の中でも1、2を争うほど好きな曲をまさかこんなシチュエーションで聴くことになるとは。完全に油断していた。実は去年のapで歌ったことで「今年は歌われないだろうな」とか思っていたのだけど予想が外れた。あぁ本当に残念。今年のapいちばんの後悔です。あぁ……本当に残念(ショック過ぎて2回言う)。ちゃんと聴きたかったな。イントロ聴こえた瞬間からめっちゃ急いでビール飲み干してソーセージ早食いかましてライブエリアにダッシュしたけど全然間に合わなかった。

 

 

BANK BAND

『Drifter』と『僕らが旅に出る理由』を立て続けに聴けた喜び……。これで『若者のすべて』も聴くことができていたらなぁ。そんでもって念願の『MESSAGE』。ライブで聴いたらぜったいに泣いてしまうよなーと思っていたけど案の定泣いてしまった。歌詞がもう本当にグサグサ刺さり過ぎるんだよ。

「きっとうまくいく」とか「何か意味がある」とか

スケールの大きな嘘で ただ忙しいだけの

ちっぽけな暮らしを 慰めて生きてる 

いやいやいやいや容赦ない歌詞だな!!!?痛いとこグサグサ突いてくるじゃん……。

 

さらにまだグサグサ容赦ない詞が続く。

 自分と違う誰かの生き方とハモれずに

心がささくれ立つ日は

この世界に生まれた意味をぼんやり考えたりもする

 

(中略)

 

「何かの暗示」だとか「別の意味がある」とか

 スケールの大きな嘘を 冷めた顔で馬鹿にしながら

どこかで信じて暮らしてる

しんどーーーーーーい!!!!非常にしんどい歌詞でした。こんなの1人ぼっちで行った夏フェスで歌われてみろよ。嘘だろってくらい涙止まらなくなるから。

 

 

そんなこんなで本祭1日目終了。

帰りのシャトルバスがまたしても激混みで50分待ちとか言いやがったので夏フェステンションで歩いて帰ってやりました。徒歩で50分と案内された道を40分で帰ってやりました。元気かよ!!!!!

 

 7/16(月・祝)本祭2日目

1日目の反省を活かし朝7時にホテル出発。さすがにシャトルバスもガラ空きでソッコーで乗車。スイスイと会場に到着。無事に開演に間に合った。それどころか早く着き過ぎで開場まで30分くらい炎天下で並んだ。ドンマイ!

 

BANK BAND with 高橋優 / チャラン・ポ・ランタン

オープニングアクト。念願のBANK BANDによる『よく来たね』を聴くことができた。わたしにとってのapは櫻井和寿さんに『よく来たね』と言ってもらうために行くようなものなので、感動もひとしお。もうほんとうに嬉しかった。はぁ……感無量。

 

その後に登場した高橋優。顔面全体で歌う、みたいな力強いパフォーマンスだった。何年か前のビバラロックで観たときより垢抜けた印象。高橋優さんって、めちゃめちゃ「陽」のアーティストって感じ。アーティストには「陰」と「陽」があると思っているのだけど、彼はわたしの中では「陽」。ちなみにMr.Childrenも一般的には「陽」なのだと思う。わたしはどちらかというと彼らの「陰」な面を押し出した楽曲が好きなんだけどね。『REM』とか。

チャラン・ポ・ランタンは「徳井だ」と思わずにはいられなかった。隣で観ていた客がももちゃんの抱えるブタのぬいぐるみを見て「なんでブタ抱えてるんだ?」ってボソッと言っていたのが忘れられない。なんでももちゃんは毎回ブタのぬいぐるみを抱えているのだろうか。どういう設定だよ……。

 

indigo la End

川谷絵音さんってライブのときいつもあんなにジメーっとしているの?心配になるレベルで覇気が感じられなかった。それともindigoではそういうキャラ設定で、ゲスのときはもうちょっと元気キャラだったりするのだろうか……。indigoのライブは初見だったのだけど、川谷絵音のハイトーンボイスの美しさに驚いた。あとハモリ担当している女性がカッコ良かったなー。

とか思っていたら終演後。

 絵音、大丈夫か!!!?あんなに暑いのに黒い長袖シャツなんて着てライブ演るからだよ!!

桜井さんに褒めてもらえて良かったね。

 

ハナレグミ

わーい!楽しみにしていたハナレグミ。青空の下で聴くハナレグミ最高だー!『深呼吸』から『オアシス』への流れ最高でした。欲を言えば『家族の風景』も聴きたかったなー、なんて。(いや、本音を言えばSUPER BUTTER DOGの『サヨナラCOLOR』をいつかライブで聴いてみたいんですけども)

 

MAN WITH A MISSION

MWAMのライブを観るのは今回で2回め。RIJF2015で彼らのライブを初体験したわたしは、サークルモッシュに巻き込まれかけめちゃめちゃビビったという苦い経験を持っている。それ以来、MWAM=ライブが危険!という苦手意識を持っていた。彼らの出演がアナウンスされたときも「マンウィズ出るのか……モッシュとか起きちゃうのかな。怖いな、怖いな(リスペクト稲川淳二)」とビビっていたのだが、今回のapでその苦手意識を払拭できた。とても楽しかった!めちゃめちゃ盛り上がった!まぁそこは夏フェスといえど所詮はapなのでサークルモッシュやダイブが起きるわけもなく、彼らの普段のライブに比べたらとても平和な盛り上がり方だったのだろうけど、初心者にとってはそれくらいがちょうど良いよね。モッシュもダイブも、それがそのアーティストのライブが持つ個性なんだよ!と言われてしまえばそれまでなんだけど、それを理由にそのアーティストへの興味が苦手意識に転換してしまうのは非常にもったいないよな…とモッシュダイブ文化に不慣れなわたしは思うのだけど……そこら辺どうですか?そんな甘っちょろい考えのファンはいらねーよって感じのアーティストもいるのかしら。でもやっぱりモッシュやダイブが怖いって人も一定数はいるんやで。

歌唱中、会場内のモニターにボーカルの人(狼)が何度も映されていたんだけど、狼部分の鼻から上しか映らないような画角で撮られてて「配慮!!」って感動した。

ライブ終了後、彼らのファンが一斉にバンド名がプリントされたタオルを掲げてる姿には彼らのファンであることのプライドみたいなものを感じて勝手にグッと来たりしていた。自分が好きなアーティストのパフォーマンスでフェス会場が大いに盛り上がるのってファンとして誇らしいよね。

 

・[ALEXANDROS]

まさかapで[ALEXANDROS]のライブを観られるとは思っていなかった。といっても彼らの楽曲の中で曲とタイトルが一致しているのは『ワタリドリ』くらいなのだけど。『ワタリドリ』は一時期ラジオでパワープッシュされまくってて、仕事しながら何回も聴いた思い出。イントロの疾走感が堪らなく好き。そして聴くたびに「このバカ高いサビ最高だな!」と思っていた。ライブで聴いてもやっぱりバカ高かった。ボーカルの川上洋平がテンション高めに客を煽って、みんなもテンション高めにサビを一緒に歌ってたんだけど、バカ高い部分に差し掛かった瞬間分かりやすく客の声量が落ちてて「さすがだ……」と思った。あのバカ高いキーは一般人には難しいよな。ライブで一緒に歌うときのような発声だとあのキーはなかなか難しい。みんな一瞬にしてウィーン少年合唱団みたいな発声に切り替えてたもん。

今をトキメク超人気バンドらしく黄色い声援が飛び交っていたのが印象的。わたしの前で観ていた若い女子は「洋平さんマジやばい!妊娠する!」と終始キャーキャー歓声を上げていて「妊娠する訳ねーだろ」とついつい脳内でツッコミを入れるのに忙しくなってしまい彼らのパフォーマンスへの集中力が3割くらいは落ちていたと思う。

それにしてもイントロのギターリフ最高だな。

 

Mr.Children

2日目のセットリストはこちら。

01.足音 ~Be Strong
02.HANABI
03.fanfare
04.彩り
05.here comes my love
06.忘れ得ぬ人
07.himawari
08.GIFT

まさかの『忘れ得ぬ人』!!!わたしは『忘れ得ぬ人』という作品は桜井和寿小林武史への想いを歌った楽曲である、と勝手に位置づけているので、そんな曲をapで歌われた日にはそれはもう感極まってしまう訳だ。去年のapで桜井さんが小林武史への感謝を口にしながら涙を流す様を見て、やっぱりMr.Children小林武史のあいだには彼らにしか分からない繋がりがあるんだよなーと思った(あたり前だけど)。Mr.Childrenファンの中には小林さんのことを否定的に見る人もいるけど、わたしはそうではない。だってわたしが好きなMr.Childrenの楽曲って比較的小林武史カラーが色濃く感じられる作品が多いし……。エソラとかエソラとか、あとエソラとか。比較的新しい作品でいえば擬態とか幻聴もTHE 小林武史プロデュースって感じだし。Mr.Childrenがセルフプロデュースを名乗るようになって一発目にリリースしたアルバム『REFLECTION』で「わたし幻聴が1番好きかもなー」と思って歌詞カード見たら幻聴のクレジットに小林武史の名前があって「あぁやっぱりわたし小林武史プロデュースのミスチル大好きなんや……」と痛感した思い出。マジでイントロの魔術師だからな小林武史

 

BANK BAND with 絢香 / 岡村靖幸

岡村ちゃん凄かった!凄い凄いとは聞いていたけど想像以上だった。あんなにキレッキレのダンスを繰り出す人だったとは……!岡村ちゃんの楽曲は『愛はおしゃれじゃない』くらいしか知らなかったのだけど全曲ノリノリで楽しめた。マジ最高だった。会場中がクラブかよ!!?ってくらいノリノリだったと思う。あんなにキレッキレのダンスを披露したのに一言もMCで喋ることもなくステージを去る岡村ちゃんめちゃめちゃカッコ良いな……。岡村ちゃんワールドを存分に見せつけられた。凄かった。強烈過ぎた。『愛はおしゃれじゃない』の〈くちびるをつけてみたい 君のそのくちびる 今夜 くちびるをつけてみたい〉って部分、変態チックで最高。

 

BANK BAND

本祭1日目の『Drifter』に続き、2日目は『糸』からの『僕らが旅に出る理由』。何度聴いても『僕らが旅に出る理由』はいい曲だなー、と思う。さすがだオザケン!!!

そしてやっぱり2日目であっても『MESSAGE』に泣いてしまうわたし。

 

 

まとめ

初めて全日程に参加することができた(前日祭は途中リタイアしてしまったけれど)ap bank fes。あのバカ暑い直射日光のもと、ほぼ立ちっぱなしで3日間もハシャギ続けたことで気づいたことがあった。それは「わたしってどんなアーティストのライブでも思いっきり楽しめるお得な性格をしているのではないだろうか」という自分自身のポテンシャルの高さだ。どうやって比較すればいいものなのか、そもそも誰かと比較するものでもないと思うのだけど、あまり詳しくないアーティストを立て続けに3日間も観続けたのに常に身体のどこかしらを動かし続けていられた(ノリ続けていられた)のって結構すごいことなのではないか、と我ながら思う。それってやっぱり音楽が好きだからなんだろうなー、と。特にapってBANK BANDを中心とした構成の部分は生演奏が主軸なので、バンド音楽好きとしてはバンドを従えてのパフォーマンスが多く観られるapってめちゃめちゃテンション上がるイベントなのかもしれない。やっぱり生演奏ですよ、生演奏。

いや、もしかしたら音楽はもちろんだけど、その上さらに夏フェスというものが好きなのかもしれないな。あの、どんなジャンルも混ぜこぜにして下手すりゃカオスになってしまうような場で、普段は接点を持たないようなジャンルのファン同士が音楽体験をシェアする感覚が好きなのかもしれない。

 

思い返せば初めてap bank fesに行った2012年のわたしは夏が大嫌いだった。でもapに行くようになって、その後、サマソニにも行って、BUMP目当てにRIJFにも何度か行って……。行き始めた当初は「大嫌いな夏を少しでも好きになれたら儲けものだな」とか思いながら多少無理やりテンションを上げて足を運んでいたのに、今となっては1人でも躊躇なく全日参加して心の底から楽しんでいる。素晴らしい成長だ。あんなに大嫌いだった夏も割りと好きになったし。それが「夏は夏フェスがあるから割りと好き」という理由なのも素晴らしいことだ。夏フェスに出会えて良かったなー。夏を好きになれたもの。夏フェスを思う存分楽しむために、春になると夜にランニングしたり毎晩スクワットして足腰鍛えたりしちゃうくらいには夏を待ち遠しく思える自分になれたって驚きの変化だ。

あー来年はap以外の夏フェスにも行ってみたいものだ。

 

 

おわり。

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

▼2017年のap bank fes関連の記事はこちら。

【ap bank fes 2017】7/29(土)&30(日) 行ってきたので感想を書きました

【今週のお題】雨の夏フェスを初体験した「ap bank fes」の思い出。

 

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